長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sメイン作例写真

長瀬 正太Shota Nagase

NIKKOR ZMC 105mm f/2.8 VR S

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

「異世界への
入り口がここにある」

マクロ撮影で大切にしていることは没入感。ファインダーを覗いた瞬間、そこに広がる情景にどこまで夢中になれるか、場所や時間を忘れてしまうような感覚になれるかどうか。今回の撮影で驚いたのは、撮影に出かけた私が、数時間経っても家から10mも進んでいなかったこと。それほどに、ファインダー越しの異世界は美しかった。身近に咲いている花たちがこれまで知らなかった表情を見せる。そして、このレンズは人には創り出せない造形美を余すことなく高解像に描き、さらに光と色が溶けだすように変化する美しいボケで表現を深めてくれた。かつてない心地よい没入感をこのレンズは与えてくれる。

長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S作品

• カメラ:Z 7II • レンズ:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S • 画質モード:14bit RAW • 撮影モード:絞り優先オート • シャッタースピード:1/640秒 • 絞り:f/3.5 • ホワイトバランス:晴天 • ISO 感度:400 • ピクチャーコントロール:スタンダード

小さなミヤコワスレの花が懸命に空を見上げている。そのけなげさを伝えるため、ローアングルからライブビューで撮影した。タッチシャッターでのAFは、素早くかつ高精度。花びらのシャープな描写と背景の大きく美しいボケのコントラストがとても印象的な一枚となった。

自宅のすぐ近くの花壇で見つけたエキナセア。曇った日の朝、そんな光の条件でも充分に明るい印象を演出できる。目立った色収差や色にじみもなく幾何学的なパターンの連なりを緻密に描写している解像力が素晴しい。そして花の感情が伝わるかのような優しいボケ。今回の撮影のほぼファーストショットだったが、その美しさにいきなり心を奪われた。

長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S作品

• カメラ:Z 7II • レンズ:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S • 画質モード:14bit RAW • 撮影モード:絞り優先オート • シャッタースピード:1/320秒 • 絞り:f/4 • ホワイトバランス:晴天 • ISO 感度:200 • ピクチャーコントロール:スタンダード

マクロ撮影で広がる新しい世界
  • マクロ撮影で広がる新しい世界

    気付いた瞬間は、ごく普通に目の前に咲いている花と、かわいい蕾

  • マクロ撮影で広がる新しい世界

    そばに寄りしゃがんで近づくと、個性的な表情が見えてくる

  • マクロ撮影で広がる新しい世界

    さらにマクロ撮影の領域にまで踏み込めば、まったく異なる世界が一気に広がる

長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S作品

• カメラ:Z 7II • レンズ:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S • 画質モード:14bit RAW • 撮影モード:絞り優先オート • シャッタースピード:1/3200秒 • 絞り:f/3.3 • ホワイトバランス:晴天 • ISO 感度:400 • ピクチャーコントロール:スタンダード

小高い丘にある小さなコスモス畑での一枚。背景は眼下に広がる林と空である。このレンズの美しくなめらかなボケ感が、見える世界すべてを優しい水彩画のように魅力的にしてくれた。こんなに楽しい発見の連続がこのレンズには秘められている。

ブルーモーメントと呼ばれる、あたり一面が青い光に包まれる早朝や夕刻。以前からこの時間帯でのマクロ撮影に何度も挑戦していた。開放F値2.8という明るさと、スムーズで繊細なフォーカス、そして高い手ブレ補正効果のおかげで、夜明け前の薄暗い状況でも一切ブレのない撮影を行うことができた。

長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S作品

• カメラ:Z 7II • レンズ:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S • 画質モード:14bit RAW • 撮影モード:絞り優先オート • シャッタースピード:1/50秒 • 絞り:f/3.3 • ホワイトバランス:晴天 • ISO 感度:1600 • ピクチャーコントロール:スタンダード

長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S作品

• カメラ:Z 7II • レンズ:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S • 画質モード:14bit RAW • 撮影モード:絞り優先オート • シャッタースピード:1/80秒 • 絞り:f/3 • ホワイトバランス:晴天 • ISO 感度:100 • ピクチャーコントロール:スタンダード

カエデの葉を仰ぎ、あえて太陽を構図に入れて撮影。瑞々しい若葉がシャープに描かれている。通常、この状況ではフレアやゴーストで解像感は落ち、いたる所に色収差が強く出てしまうのでシャッターはきらない。だがナノクリスタルコートとアルネオコートによる高い逆光耐性がこの情景を私のものにしてくれた。

ふと目についたショウブの葉をマクロ撮影。植物の葉脈には人知を超える芸術的なパターンが存在する。絞り開放での薄いピント面がその美しさを引き立て、やわらかく溶けだしていくような心地よいボケが、小さな宇宙への想像力を刺激してくれる。あぁ…こんな世界があったのか、と。

長瀬 正太×NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S作品

• カメラ:Z 7II • レンズ:NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S • 画質モード:14bit RAW • 撮影モード:絞り優先オート • シャッタースピード:1/80秒 • 絞り:f/3.3 • ホワイトバランス:晴天 • ISO 感度:200 • ピクチャーコントロール:スタンダード

長瀬 正太プロフィール写真

写真家

長瀬 正太(ながせ しょうた)

1975年大阪府生まれ、現在群馬県を拠点として活動を展開。心あたたまる草花のマクロ写真や絵画のようにも見える風情ある風景写真を撮影。国際的な写真フェスティバルへの招待や国内での企画展示なども多く、繊細な和紙印刷技術にも定評がある。打ち上げ花火を独自の撮影法で捉えた火の鳥写真など新しい表現にも挑戦。写真展として、2018年に長瀬正太和紙写真展“心”、2020年に“火の鳥”展I・IIなどを開催。写真教室・撮影会・セミナーの講師も務める。

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S

NIKKOR Z MC105mm f/2.8 VR S

ひと際美しいボケと高い解像が目を奪う

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