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D7500

撮影のコツ

超望遠ズームレンズを使って飛行機を撮影する

超望遠域をカバーするズームレンズAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを使用し飛行機の撮影を行いました。500mmまでカバーする超望遠レンズでありながらコンパクト、軽量となっているのが大きな特徴です。DXフォーマット機では1.5倍の焦点距離750mmとして運用出来るので、飛行機撮影では更に有利となります。

撮影・解説:KEN五島(五島健太郎)


望遠域の違いによる描写の差異

1: 焦点距離 500mm
2: 焦点距離 240mm

遠方の飛行機を500mmで、やや近づいて来たところを広角端に近い240mmで撮影を行い、飛行機の造形の変化を見てみました。500mmでは飛行機が望遠効果でぎゅっと圧縮されマッシブな感じに写っています。240mmのカットは圧縮感が弱まり飛行機の長さが描写されています。同じ望遠でも被写体の写り方が変わるので、撮影意図にあわせて焦点距離を決定しましょう。


グループエリアAF

3: グループエリアAF

グループエリアAFを使用し、羽田空港B滑走路へアプローチ中の飛行機と羽田空港管制塔を構図に納めて撮影しました。フォーカスポイントは飛行機にあわせています。飛行機は構図の端に位置していますが、飛行機への合焦を追い続けてくれました。夕陽が飛行機と管制塔にあたり、情緒感を演出してくれています。

超望遠でのフレーミングは難度があがってきますが、飛行機と管制塔などが安定して見える様に垂直水平を意識しましょう。また意図的にそれらをずらす撮影方法もあります。


月と飛行機連続撮影

4: 高速連続撮影
5: 高速連続撮影
6: 高速連続撮影
7: 高速連続撮影
8: 高速連続撮影
9: 高速連続撮影

羽田空港B滑走路へアプローチ中、月の至近を通過していく飛行機を8コマ連写モードを使用しつつ撮影を行いました。月と飛行機の場合、両方を写し止めたいのでやや感度を上げてISO1000に設定を行いました。飛行機には夕陽があたり、翼からはベイパーが出て来ており情感と躍動感を演出してくれました。月の表情と飛行機のディティール両方を描写出来るタイミングは限られるので、撮影場所の選定も重要となります。


航空機作例

10: 縦位置構図での月と航空機
11: 薄暮の月と航空機

《作例10》作例4~9から少し時間が経ち、月と飛行機の位置関係が離れてきました。横位置では無理が出て来ましたので縦位置構図に変更し撮影を行っています。縦位置の場合、横位置に比べて飛行機がすぐに構図から切れてしまう分撮影が難しくなります。今回はちょうどよい位置に月と飛行機を納めることが出来ました。月の上には羽田空港D滑走路にアプローチ中の機体も映り込んでくれています。

《作例11》新千歳空港から離陸していく飛行機が月の至近を通過するシーンを撮影しました。既に陽が落ちていますが真っ暗にはなっておらず、月の表情と機体のディティールの両方を描き出すことが出来るギリギリのタイミングでの撮影でした。比較的近距離を飛行機が進んでいくので見かけ上の大きさが変化していくなかでの撮影、こうした時は望遠ズームレンズが重宝します。


流し撮り

12: 夕景流し撮り
13: 夜景流し撮り

羽田空港第一ターミナルの展望デッキから、A滑走路を離陸していく飛行機を流し撮りしました。夕暮れの中離陸していく機体のカットは1/40、夜になった作例は1/15の低速シャッターで手持ち撮影を行っています。こうした手持ちの流し撮りを行う際は体の使い方が重要になります。あらかじめ飛行機が行き切った、シャッターを切り終わる方向に足を向けて構え、撮影開始時に体を大きくひねる形にしておきます。こうすることで、撮影中はひねりを解放する形となり無駄な力を使わずに撮影を行うことが出来ます。

また、機種ごとに異なりますが航空灯がついた瞬間にシャッターを切ると作品に色が増え華やかな印象となります。閃光の場合も多くワンショットでは難しいので、連写機能を用いて撮影を行うと歩留まりが上がるでしょう。


日中流し撮り

14: 日中流し撮り
15: 日中交差流し撮り

日中の流し撮りは、出来るだけ感度を下げて絞り込むことで可能となります。常用感度から一段下げたり、絞りを絞り込んだりして出来るだけ遅いシャッター速度を使用する様にします。ファインダー内視認を行いながら撮影するのでNDフィルター等は用いません。

流し撮りの際、メインの飛行機の前後にいる機体などを入れ込む様に撮影すると交差の際にブレの表現を活かすことが出来、躍動感をより増すことが可能となります。


超高感度撮影

16: 超高感度での夜間着陸機撮影
17: 超高感度での夜間着陸機撮影

新千歳空港に着陸してくる飛行機を後方から撮影しました。最終便の時間帯で、着陸寸前の機体が真上を通過した直後の撮影のためにシャッター速度を出来るだけ速くするためにISO51200を選択して撮影しました。高感度ノイズが出ていますが、機体のディティールや光の反射が美しく描写され、着陸シーンの迫力と美しさを描き出すことが出来ました。


航空機作例

18: 夕景逆光での離陸機
19: 夜間の飛行機三脚撮影

《作例18》夕陽を背景に離陸していく飛行機を撮影しました。逆光で機体の部分がシャドーになり表現が難しい条件ですが、つぶれること無く細部まで表現してくれています。

《作例19》出発を待つ飛行機の全景を撮影。空港の照明に美しく浮かび上がっています。ISO100に設定し、三脚に機材を据えて撮影しています。


長時間露光

20: 夜間の飛行機三脚撮影長時間露光

出発準備を行う飛行機を10秒の露光で撮影しました。長時間露光をかけることで、航空灯のフラッシュの光を全て映し出すことが可能となります。胴体と翼端の航空灯、誘導灯が美しく輝き、機体を浮かび上がらせています。

AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRは、特殊な世界と思われがちな超望遠の世界を身近にしてくれるレンズです。全域で高い解像度を持っており、また焦点距離に比してコンパクトなため、気軽にフィールドに持ち出して撮影をしてみましょう。


撮影協力:日本航空株式会社

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