超低反射ARコートの採用と高い光学性能の実現でレンズ本来の描写力に極限まで迫る、高性能保護フィルターです。大切なレンズを保護しながら、画像への影響を最小限にとどめる高い光学性能を実現しています。
ニコン独自のテクノロジーで、420nm~680nmの可視光域で片面設計値約0.1%に近づけた超低反射率の多層膜ARコート「ゼロワンARコート」を採用しています。波長の違いによる反射率のばらつきが小さく、カラーバランスの乱れを極限まで抑え、ゴースト・フレアの発生を低減。フィルターを装着することで生じるレンズ本来の描写力の低下を最小限にとどめ、コントラストが高く階調豊かな映像表現を可能にします。夜景、星景の撮影でも描写への影響がほとんどありません。
ARCREST IIの透過率(両面)
透過率95%以上の部分を拡大
NIKKORレンズにも採用している高品質な光学ガラスを採用し、高精度な研磨技術によって干渉縞※1本以下という極めて高い平面精度を実現。さらに、ニコン独自開発のフレームへのマウント技術「フラットプレーンシステム」により、ガラスにかかる負荷を大幅に軽減してガラスの歪みも最小限に抑えました。ARCREST IIはこれらの積み重ねをベースに、フィルター有効径の約85%のエリアで、透過波面精度がλ/4以下の精度に収まるよう設計。レンズ本来の描写力を極力損なわない高性能保護フィルターとして、あらゆる点にこだわって光学性能を高めています。
ARCREST IIは、素材選びから光学性能を追求し、NIKKORレンズにも採用している高品質な光学ガラスを採用しています。優れた透明性・均質性を持つ光学ガラスです。
レンズの光学精度を示す指標として透過波面精度と反射波面精度があります。透過波面精度とは光を通したとき、レンズ内部の波の面がどれだけ均質に現れるかを示す指標のことです。ARCREST IIを装着したレンズの透過波面精度は縞模様が鮮明で、円周に向かってほとんど屈曲することなく、平行な直線で等間隔に表れており乱れがありません。
透過波面精度の比較
反射波面精度とは光を当てたときのレンズ上面の歪み具合を示す指標のことです。反射波面精度が高いと全面が同じ明るさとなり、精度が下がると干渉縞の歪みは大きくなります。ARCREST IIを装着したレンズの反射波面精度はほぼ同じ明るさで、他社の保護フィルターのような干渉縞の発生も歪みもほぼ見られません。
反射波面精度の比較
一般的に、フィルターのガラスはフィルターフレームにバネや金属リングでマウントしています。しかし、一般的な方法ではガラス面に応力が加わるため、ガラス面に歪みが発生する原因となっていました。ニコンが独自に開発したマウント技術「フラットプレーンシステム」では、ガラスとフレームの間に特殊なエラストマ-を挿入してマウント。ガラスにかかる応力を大幅に軽減し、マウントによる歪みを最小限に抑えています。また、高温・低温に耐えられるエラストマーで、酷暑・極寒の環境下においてもガラスの保持力は低下しません。フィルターフレームのガラス保持力は、400Gの耐衝撃試験※をクリアーするガラスの脱落やフィルターフレームの分解が発生しにくい設計です。
強い光源のある夜の風景も、ARCREST IIではゼロワンARコートの効果により、フレアーの発生がレンズ本来の画質と同等に抑えられています。
強い逆光のため、フィルター無しの状態でもわずかにゴーストが発生しています。そのような厳しい状況でも、ARCREST IIはフィルター無しとほぼ同等の結果でした。
天体撮影は保護フィルターの性能が影響しやすい写真ジャンルです。解像力低下やフレアの影響で小さい星が写らなくなったり、カラーバランスがくずれて星の色に影響が発生したりします。ARCREST IIは、フィルター無しの場合に匹敵する結果です。
新たに帯電防止コートをフィルター両面に採用。静電気を帯びにくくすることで、ホコリやゴミのフィルターへの吸着を防止します。
フィルターのために開発した独自の撥水・撥油コートを採用しています。水滴、油、指紋などの汚れが付着しにくく、万一付着しても容易に拭き取れる、高い防汚性能を発揮。試験荷重200gで1000回以上の拭き取りテスト※に合格した高い耐久性も備えています。ガラスの両面に撥水・撥油コートを施しており、過酷な撮影環境下においても安心して撮影に集中できます。
一般的な保護フィルターに比べ厚さを約30%削減した、3.4mm※1(φ95mmは3.9mm)の薄型フレーム設計で、超広角レンズ使用時もケラレが発生しません※2。フィルターフレーム表面にはキズに強いブラックアルマイト処理を実施。さらにフィルターフレーム先端には、指がかりをよくしてフィルターの着脱を容易にするローレット加工を施しています。また、フィルターフレームは光の反射を抑えるサテン仕上げとし、ガラス端面には斜めからの入射光の内面反射を軽減する墨塗り加工を施して、逆光時のゴースト・フレアの抑制をアシストしています。
フレームの厚さ比較