Nikon Imaging
Japan

Lesson32:水族館で水槽の中の生き物を撮る

撮影シチュエーション

撮影場所:サンシャイン水族館

館内全体が暗いために水槽の中は明るく感じられますが、屋外の光と比べたら相当に暗い環境です。
大きなものから小さなものまでさまざまな水槽を順番に鑑賞するようになっているので、場に応じたレンズ交換をするのは少々大変そうな環境です。

色鮮やかな魚や愛らしい海の動物など、さまざまな生き物を見ることのできる水族館。水槽全体を引きで写したり、自由に泳ぐ魚に寄って写したりできるレンズがあると便利です。館内は暗い場所が多くありますが、生物保護のためフラッシュは使用せず、周囲に配慮しながらマナーを守って撮影を楽しみましょう。

撮影監修:斎藤勝則
撮影協力:サンシャイン水族館

今回選んだレンズ

標準ズーム

AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

  • 広角から望遠まで幅広い撮影に対応。水槽内を広く写したり、一匹の魚をクローズアップしたりとバリエーション豊かな写真を撮ることができます。
  • 手ブレ補正機構(VR)を搭載し、薄暗い水槽の中を撮る際にも手ブレを防いでくれます。
撮影場所と撮影位置

水槽のガラスに対してレンズが平行になるように構えるのが水族館での撮影の基本です。ガラスになるべくレンズを密着させて、外からの光が入らないようにします。その際、ガラスやレンズを傷つけないように指先をあてがいます。
水槽内は暗いため、動き回る魚はブレてしまいます。ISO感度は高く設定しましょう。

撮影した写真の比較

広角側から望遠側まで焦点距離を変えながら、それぞれどのように写るのか、目で見たときの印象と比較してみましょう。

標準ズーム

【広角側での撮影】AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

大きな水槽内のあちこちで魚たちがサンゴの間を戯れるように泳いでいる光景を写したいと思い、広角側24mmで撮影しました。すると、目で見たときよりも広い範囲が写り、色とりどりの魚たちがのびのびと泳ぎまわる青い世界全体を写真に収めることができました。
24mmは、水槽内のレイアウトごと撮影したい時に最適な焦点距離です。

焦点距離:24mmで撮影

目で見た印象に近い焦点距離:50mmで撮影

標準ズーム

【標準50mmでの撮影】AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

人工サンゴ上に小さな魚たちが群がっています。人工サンゴのディテールを写しつつ、魚たちがたくさんいる状況も写真に収めるため標準50mmで撮影。目で見た印象と同じように写りました。
50mmは、目の前の光景をそのまま写真にしたいと思った時に適しています。

焦点距離:50mmで撮影

標準ズーム

【望遠側での撮影】AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

愛嬌のある丸い目とぷっくりとした口が印象的な魚に出会いました。この面白い顔を主題にするため焦点距離は望遠側85mmを選び、やや正面に近いところから目にピントを合わせて撮りました。目で見た時よりも魚が大きく写り、魚の目から尾に向かってなだらかにぼけ、顔がより引き立つ写真となりました。
このように、85mmは目で見た光景の一部を切り取るような撮影に適しています。大きな魚は顔をクローズアップすることなども可能です。また、水槽の奥にいる魚を大きく写したいときにもおすすめです。

焦点距離:85mmで撮影

目で見た印象に近い焦点距離:50mmで撮影

円偏光フィルターでガラスや水面の反射を軽減する

レンズの先端につけるだけで被写体の光の反射を増減できる円偏光フィルターは、いつでもカメラバッグに忍ばせておきたいアイテム。水族館撮影でも活躍します。

ガラス面の光の反射を除去する

水族館ではレンズをガラスに密着して撮るのがセオリーですが、密着できない状態で撮影するとガラスに映り込んだ館内の光や人の影が写真に写ってしまいます。そんなときは円偏光フィルターで反射を除去できることがあります。
館内は極度に暗いため、円偏光フィルターを使ってもガラスの反射を除去できないことがありますが、試してみる価値はあるでしょう。また、フィルターを装着するとシャッター速度がさらに落ち、動き回る魚がぶれて写ってしまうことがあります。その場合、ISO感度を上げる、動かない魚を狙う、水槽の中でより照明が明るい部分を切り取るなどの工夫をしてみましょう。
一方、屋外においては効果を発揮しやすいです。下の写真は屋外のガラスケースにいるカワウソを撮影したものです。左の写真に映り込んだ人の影は、円偏光フィルターによってきれいに除去できました。

フィルターなし

水面の反射を除去して水の中を撮る

上から見下ろすタイプの水槽の場合、水面に光が反射して水の中の生き物がうまく写らないことがあります。そんなときも偏光フィルターで反射を取り除くときれいに写ります。
下の2枚の写真は水深の浅い屋外プールを写したものです。左の写真は画面右のあたりに光の反射が写っていますが、フィルターを使って反射を除去すると、水底に映った木の影がきれいに現れました。

フィルターなし

円偏光フィルターの効果と使い方についてはLesson31でくわしくご紹介しています。

小さな魚にはマイクロレンズ

水族館撮影で便利なレンズに、マイクロレンズがあります。小さな被写体に接近して大きく写すことができ、また開放F値が小さな明るいレンズなので、水族館のようにシャッター速度の低下しやすい暗い場所での撮影におすすめです。

60mmのマイクロレンズを使い、ガラスのそばにいる魚にしっかりとピントが合わせることができました。

ガラスに近い魚を撮る

ガラスに近いところにいる魚は近すぎるためレンズによってはピントが合わないことがあります。こんなときにマイクロレンズなら、ばっちりピントを合わせられます。

目にピントを合わせました。ピントを外れた部分がやわらかくぼけるところも望遠マイクロレンズの魅力です。

小さな魚を大きく写す

マイクロレンズを使って被写体に近づけば小さな魚を大きく写せますが、被写体が離れている場合、焦点距離の長い望遠マイクロレンズを使いましょう。離れた小さな魚も、画面内に大きく写すことができます。

魚を真正面から狙い、顔だけにピントを合わせました。ユニークな顔と薄い体が強調された作品になりました。

部分をクローズアップする

全身を画面にきっちり収めようとせずに、魚のおもしろい部分を狙って写してみましょう。見せたい部分だけにピントを合わせれば、魚の個性を強調した写真が撮れます。

1本のズームレンズでも点距離を変えることで、水中の風景写真から1匹の魚の美しいフォルムを捉えた作品まで、幅広く撮れることがわかったと思います。きれいに撮れた写真は手元に置いて眺めたい癒しの一枚になることでしょう。

こんな写真も撮りました

使用レンズ・機材

AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

広角域から望遠域までの使用頻度の高い画角範囲をカバーする約3.5倍標準ズームレンズ。VR機構を搭載しブレを軽減。軽量・コンパクトで、風景や建物、静物、ポートレートと多彩な被写体に対応するなど、実用性と機能性に富んだ一本。

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AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

VR機構を搭載し、手持ちのクローズアップ撮影も容易な望遠マイクロレンズ。ゴーストやフレアを軽減するナノクリスタルコートを採用し、美しく味わいのある描写がポートレート撮影にも最適。最短撮影距離は約31㎝。

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AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ゴーストやフレアの少ない鮮明な画像が得られるナノクリスタルコートを採用したマイクロレンズ。コンパクトなサイズと60mmの焦点距離が、撮影だけでなくポートレートや風景など幅広い被写体に活躍する。最短撮影距離は約18㎝。

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ギャラリー

このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。

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