Nikon Imaging
Japan
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Lesson7:テーブルの上で撮る小物

撮影シチュエーション

撮影場所:窓のある部屋

時期:晩秋

時間帯:午後の日が傾き始めた時間帯

天気:曇り

今回はカメラ、置物などの小物のディテールや状態が伝わるような写真や、背景を加え小物を際立たせるような雰囲気あるイメージ写真を撮ることにしました。窓のある部屋のテーブルの上での撮影です。このようなテーブルフォトを撮る場合は、まずどのような写真が撮りたいのかイメージし、そのイメージにあわせてテーブルセッティングをし、レンズを選ぶとよいでしょう。

撮影監修:斎藤 勝則

今回選んだレンズ

標準ズーム

AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

  • 焦点距離27-82.5mm(35mm判換算)相当の標準画角で、見た目に近い描写で小物を撮影することができます。
  • 最大撮影倍率が0.38倍と高く、また最短撮影距離もズーム全域で0.25mと短いため小物に大きく近づいて撮ることもできます。
マイクロレンズ

AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

  • 等倍(最短撮影距離0.163 m)までクローズアップできるため、標準ズームでは寄ることができないような近い距離から、小物の一部分を大きく写すようなクローズアップ写真を撮ることができます。
  • 焦点距離60mm(35mm判換算)相当の単焦点レンズとして、大きく美しいボケ味を活かした写真を撮ることができます。
撮影場所と撮影位置

今回撮影に選んだ小物は、年代もののニコンS型です。撮影準備としてまずテーブルを壁につけ、大きめの白い紙を敷きます。さらに背景が整理できるよう壁にも紙を貼りつけておきましょう。カメラのディテールや状態を伝える写真はこの上で撮影し、また雰囲気あるイメージ写真はこの紙の上に布や本などをセッティングして撮影します。
部屋には窓がありますが、撮影中に日が落ちて光量が変化すると明るさやホワイトバランスなどの調整が大変になりますので、カーテンで外光を遮断しスピードライトを壁にバウンスさせ撮影を行うことにしました。時間によって変化する外光の影響を受けにくく夜の時間帯や窓のない部屋でもイメージ通りの撮影ができるスピードライトはとても便利です。またテーブルフォト撮影時は影になってしまう部分を明るく調整できるレフ版を用意しておくとよいでしょう。今回は白いスチレンボード2枚をつなぎ合わせたものをレフ版として利用します。なお手ブレを防ぐために三脚を使い撮影を行います。

撮影した写真の比較

標準ズーム

AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

背景紙の上にカメラを置き、斜め上から全体を入れるようにフレーミングし撮影を行いました。カメラのディテールをしっかり撮りたかったため、絞りはf/16まで絞り込み全体にピントを合わせています。形や細かいデザイン、使いこまれている様子なども伝わる1枚になりました。時を重ねたカメラの味わいを感じ取ることができます。

マイクロレンズ

AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

カメラの雰囲気を引き立てるようなイメージ写真を撮るためカメラの背景に古い本や緑を入れ、カメラは上部のダイヤルや日本光学の社名ロゴが見えるようにあえて寝かせて置きました。マイクロレンズならではのやわらかく自然な描写のボケを活かすため絞りをf/3まで開放にしています。絞りは開くほどピントの合う範囲が狭くなりますので、見せたい場所にきちんとピントが合っているか確認しながら撮影しましょう。背景の大きなボケとの対比でピントの合ったカメラの部分の先鋭感をより際立たせた、印象的な1枚になりました。

マイクロレンズ

AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

詳細に見せたい部分など、小物の一部分に寄って大きく写したいときにはマイクロレンズが有効です。カメラのレンズ上部にグッと寄ってクローズアップ撮影し、ピントの合った部分の質感を繊細に写し出すことができました。マイクロレンズでの接写撮影はピントの合う範囲が狭くなるため、絞りはあまり開放にしすぎないようにしました。今回はf/16まで絞り込んで撮影していますが、マイクロレンズらしい大きなボケを活かした1枚になっています。

標準ズームとマイクロレンズ、写り方の違い

こちらの写真は「AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」で、同じカメラを「最短撮影距離(被写体にピントを合わせることができる最短の撮影距離)」で撮影したものです。マイクロレンズでクローズアップ撮影されたものと比べてみると、マイクロレンズはより被写体を大きく写すことができるというのがわかると思います。
またこの写真は、マイクロレンズのクローズアップ写真と同じく絞り値f/11で撮影していますが、マイクロレンズで撮影したものの方がより大きくボケているのがわかります。レンズは被写体に近づくほどより大きくボケるという性質があるため、被写体にかなり寄って撮ることができるマイクロレンズの方が、より大きなボケを生み出すことができるのです。単焦点レンズならではの美しいボケ味を活かした写真を撮ることができます。

こんな写真も撮りました

使用レンズ・機材

AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

風景やポートレート、スナップ撮影とさまざまなシーンで活躍する小さく軽い標準ズームレンズ。遠近感を強調した広角描写もボケを活かした望遠の描写も、さらに最大撮影倍率が従来よりも高いため料理や小物などに近づいて撮るクローズアップ撮影も楽しむことができます。

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AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G

等倍(最短撮影距離0.163 m)までのクローズアップ撮影が可能なだけでなく、標準レンズに近い焦点距離40mm(35mm判換算で60mm相当)で、やわらかく大きなボケ味を活かしたポートレートや風景撮影も気軽に楽しむことができます。小型・軽量のコンパクト設計で、カメラに装着したままでも快適に持ち歩くことができます。

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スピードライトSB-500

フラッシュヘッドを回転させたバウンス撮影や内蔵フラッシュをマスターとしたワイヤレス撮影が可能な、単3形電池2本で使用できるコンパクトな多機能スピードライトです。高性能LEDライトを搭載しているので、カメラからSB-500を外して自由な位置から被写体に光を当てたライティングができるほか、動画撮影時の補助照明としても活躍します。

ギャラリー

このギャラリーでは「レンズレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
レンズの種類や目的で絞り込んで作品を検索することができますのでこの種類のレンズでどんな作品が撮れるのか、またお持ちのレンズの参考にしながらご覧ください。

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