Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

Lesson27:誕生日ケーキにろうそくを灯したシーンをステキに撮る

年に一度の誕生日は誰しも写真を残したくなる大切なイベントです。特に、ろうそくを灯したケーキを前にした記念写真は、マストで撮りたい1枚ではないでしょうか。ところが部屋を暗くして撮るこのシーン、雰囲気を出したいとフラッシュを焚かずに撮ると手ブレしてしまったり、ピントが合わずボケてしまったり、またろうそく部分だけ明るくなり人物が暗くなってしまったりとあまり上手に撮れなかった経験をされた方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな“ケーキろうそくシーン”を失敗せずより雰囲気良く撮るためのコツを3ステップでご紹介します。誕生日だけでなくクリスマスやお祝いの席などでもよくあるこのシチュエーションを、写真でステキに残しましょう。

撮影監修:斎藤勝則

この写真を撮るための3ステップ

ステップ1 部屋の中に間接照明を置く

“ケーキろうそくシーン”の写真がうまく撮れない原因は大きく2つあります。

  1. 暗い部屋と明るいろうそくの火の明暗差が大きいため、適正な明るさで撮ることができない。
  2. 暗い部屋でブレないようISO感度を上げて撮るため、画質が荒くなる。

オートモードではなかなか上手く対応することができない、難易度の高いシチュエーションということがわかりますね。

そこでまず、部屋の中に間接照明を置きましょう。ろうそくに火を灯すシーンでは、ケーキの特別感を出すため部屋の明かりを全て消して撮りがちですが、写真を撮る条件としてはどうしても不利になります。間接照明を置くだけで、ろうそくだけ白く写って人物が真っ暗! なんて失敗を減らすことができます。
間接照明は、人物の背景が明るく照らされるように置くのがベスト。間接照明のやわらかな光はろうそくの火の雰囲気を壊すことなく撮影条件をアップさせることができ、また部屋の雰囲気も写り込ませて撮ることができるため、パーティーの飾り付けや周囲にいる人たちなどその日の思い出をより多く1枚の写真に残すことができます。

ステップ2 よりきれいに撮るためのPモード&ISO感度の上限制御設定を行う

ステップ2ではカメラの設定を行います。まず、より適正な明るさで撮るために撮影モードを「P(プログラムオート)モード」に設定しましょう。シャッタースピードと絞り値の両方をカメラが自動で制御し適正な明るさで撮影してくれます。
次に、暗いシーンでも適正な明るさの写真になるようカメラが自動でISO感度を上げてくれる設定を行います。合わせて、ISO感度が必要以上に上がらないように、よりきれいな画質で撮れるよう「制御上限感度」設定も行います。

1

[撮影モードダイヤル]を[P]に合わせ(カメラの機種によっては、中心のダイヤルロックボタンを押しながらダイヤルを回します)、マニュアルモードに設定します。

2

[静止画撮影メニュー]から[ISO感度設定]を選びます

3

次に、[感度自動制御]を選びます

4

[感度自動制御]を「しない」から「する」に設定します

5

次に、[制御上限感度]を選びます

6

[制御上限感度]を3200(3200より上がらないよう)に設定したら、準備完了です

暗いシーン、ピントをしっかり合わせるには?

暗いシーンではピントが合いにくいのでは? と心配になるかもしれません。その点、Z シリーズのカメラには自動で人物の瞳や顔にピントをあわせてくれる「瞳AF」や「顔認識AF」機能がついているため安心。ろうそくの火に照らされている顔部分をしっかり認識しますのでピント合わせはオートで撮影しましょう。
ただ1点、「フォーカスモード」を[AF-C(コンティニュアスAF)]に設定しておくことをおすすめします。動く被写体を撮るときにはその被写体に合わせてピントを追ってくれるため、より安心です。

[オートエリアAF」に設定。「瞳AF」で常に目にピントを合わせてくれます

iボタンから[iメニュー]を表示、[フォーカスモード]を選び[AF-C]に設定変更します

ステップ3 アングルとホワイトバランスで雰囲気をアップさせる

最後は、写真の雰囲気をアップする画作りをしましょう。
まずアングルは、主役となる人物と同じ目線から撮影します。臨場感が増し、また背景が写り込むことで周囲の様子も伝わります。特にお子さんを撮影する場合は大人の目線から、高い位置から見下ろすように撮影しがちですので気をつけましょう。

最後に、ホワイトバランスを変更してろうそくの色味に合わせた温かみある雰囲気に色調整をしましょう。ホワイトバランスは本来、光源に左右されることなく白いものを白く写すためにカメラが自動で色味を調整するものですが、それがかえってろうそくの火の温かな色味を消してしまう場合があります。いくつか設定を試しながら、好みの色味にしてみましょう。

1

iボタンを押します

2

表示された[iメニュー]から[ホワイトバランス]を選びOKボタンを押します

3

初期設定は[オート]に設定されています。◀▶ボタンで設定を変えると、どの色味が良いか確認することができます

4

今回は[オート]の中から[A2電球色を残す]を選びました。OKボタンを押せば設定完了。ケーキと一緒にステキな記念写真を撮りましょう

ろうそくフー!の決定的瞬間は連写で撮ろう

ろうそくを立てたケーキとの記念写真が撮れたら、やはり最後はろうそくをフーっと吹き消すシーンを抑えたいですね。ろうそくが揺らめいて消える瞬間を捉えるには、連写で撮るのがおすすめです。設定は、iボタンから[レリーズモード]の項目を選び、[高速連続撮影]を選ぶだけ。
吹き消そうとする瞬間からフーっと息を吐き終わるまでシャッターを切り続ければ、逃すことなく、火が消える瞬間を捉えることができます。

ろうそくを吹き消した後も、シャッターチャンス!

ろうそくフーのシーンは何といっても撮影したい! という気持ちで皆さんカメラを構えると思いますが、部屋の電気をつけた後は「さあ、ケーキを食べよう」となりカメラを置いてしまう人も多いのではないでしょうか?
ケーキを食べているときの笑顔、家族や仲間などその場に居る人たちと一緒のシーンも記念になりますので、忘れず写真に残しておきましょう。

作例バリエーション

ギャラリー

このギャラリーでは「カメラレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
写真の目的で絞り込んで作品を検索することができますので、この目的でどんな作品が撮れるのか参考にしながらご覧ください。

ギャラリーはこちら

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員