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Lesson25:夜景のリフレクション写真を撮る

水面やガラスなど、物を映し出す表面に被写体を反射させて写すことを、リフレクション写真と呼びます。幻想的で美しい撮影方法ですが、そもそも反射させるものが被写体の前にないと撮影することができないため、雨上がりに大きな水たまりを探したり、風のない日を選んで湖面で撮影したりと、いつでも撮れるという写真ではありません。
そこで今回は反射板を準備して、より気軽にリフレクション写真にチャレンジできる方法を3ステップでご紹介します。夜景写真はそれだけでキラキラと美しいものですが、いつもとは一味違う、より輝きを増した1枚に仕上げましょう。

撮影監修:斎藤勝則

この写真を撮るための3ステップ

ステップ1 撮影前の準備をする

まずは撮影場所を検討しましょう。
この撮影では、三脚が必須となります。撮影したい夜景ポイントに三脚を立てることができるのか、あらかじめ調べておきます。立ち入り禁止の場所や私有地などはもちろん、通行の妨げになるような人の多い場所もトラブルの原因になりますので避けてください。マナーを守り、安全にも配慮しながら撮影を行いましょう。
次に、夜景を反射させる「反射板」を準備します。反射板は、「1:黒く、2:光沢があり、3:手に持ったときしならない素材、厚みのあるもの」を準備しましょう。サイズはA4~A3程度の大きさがあると良いでしょう。鏡のように映るものでも代用できます。
なお、撮影場所から被写体までの距離や被写体の高さや大きさによって、反射させることができる範囲が変わります。撮影時に細かな画角の調整が必要になりますので、ズームレンズを準備していくのがおすすめです。

夜景撮影は広角~標準画角のレンズが基本となります。撮影位置から被写体までの距離、被写体の大きさを鑑みて、今回は「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」をチョイスしました

反射板を作ってみよう

反射板は黒のアクリル板やアクリルミラーといった市販品でも代用できますが、今回はより手軽に、100円均一などで安価に手に入る材料を使って作ってみましょう。

手順1:材料を揃える

材料は4、5mm程度の厚さのしならないパネル板(ハレパネなど、片面に接着剤コーティングがされているものが便利です)、白、または黒色の光沢のあるPPシート(ポリプロピレン素材でできたシート)、黒画用紙です。サイズはそれぞれA4~A3程度のものを、黒画用紙はパネル板全体を覆うことができれば小さいものを貼り合わせてもOKです。

手順2:パネル板に黒画用紙を貼る

パネル板の片面に、パネル板のサイズに合わせて黒画用紙を貼りつけます。大きい場合は、パネル板に合わせてカットします。

手順3:PPシートを貼る

黒画用紙の四隅に両面テープを貼り、パネル板のサイズに合わせてPPシートを貼りつけます。大きい場合は、パネル板に合わせてカットすれば完成です。

ステップ2 構図とホワイトバランスを調整する

今回はライトアップされた東京駅、丸の内駅舎を撮影します。三脚が立てられ、かつ通行の妨げにならない場所にカメラをセットしたら、構図を調整しましょう。

どのアングルでどの程度の大きさで捉えるのか、三脚の高さを変えたりズームしたりしながら構図を決めましょう

反射させる部分を空けて、駅舎が画面の上半分に来るように調整しました

次に、仕上がりの色味を変えるホワイトバランスを調整します。選んだホワイトバランスによって光の色が変わり仕上がりイメージを変えることができます。どれを選ぶかは好みによりますが、今回は東京駅のレトロな雰囲気を活かして赤みを加える[白色蛍光灯]を選びました。

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iボタンを押します

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表示された[iメニュー]から[ホワイトバランス]を選びOKボタンを押します

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初期設定は[オート]に設定されています。◀▶ボタンで設定を変えると、どの色味が良いか確認することができます

4

今回は[白色蛍光灯]を選びました。OKボタンを押せば設定完了です

ステップ3 反射板を使って撮影する

さっそく、反射板を使って撮影してみましょう。 反射板の光沢面を上に向け、水平に、レンズにぴったりとくっつけるように持ちます(レンズフードは外しておきましょう)。画面内に反射板の端が写り込んでしまわないよう、レンズのギリギリ、下の方に合わせるのがコツです。ファインダーを覗きながら反射板の角度や高さを調整したり、画角を微調整したりして反射具合を確認しましょう。構図、反射板の位置や角度が決まったら、シャッターを切り撮影しましょう。
なお、シャッターを切るときにはセルフタイマーにするとブレなく安定して撮影できるのでおすすめです。シャッターボタンを押した後、両手で反射板をしっかり押さえながらシャッターが切れるのを待ちましょう。

※反射板をカメラの前に水平に立てて撮影しますので、カメラ前方側にもある程度スペースを確保してください。周囲の邪魔にならないよう注意しましょう。

反射板を片手で持ち、もう片方で画角の調整をしたりシャッターボタンを押したりします

レンズの下の方に反射板をぴったりとくっつけます。角度で写りかたを調整します

反射板の位置を上手に調整しよう

この撮影方法で最も大切なのは、反射板の位置決めです。夜景は暗いため見づらい部分もありますが、画面の隅々をよく見ながら反射板が画面内に写り込んでいないか、角度によって上手く反射できているかを確認しながら、好みの画作りをしてみてください。

反射板の位置が下がりすぎてしまうと、被写体と反射部分の間にすき間が空きます

反射板の位置が上がりすぎてしまうと、画面下の方に、反射板の端の影が写り込んでしまいます

反射板の角度を水平から少し上に傾けると、写り込みの範囲が短くなります

反射板の角度を水平から少し下に傾けると、写り込みの範囲が長くなります

作例バリエーション

ギャラリー

このギャラリーでは「カメラレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
写真の目的で絞り込んで作品を検索することができますので、この目的でどんな作品が撮れるのか参考にしながらご覧ください。

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