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Lesson24:カメラアクセサリーの使いかた

カメラを守ったり、より便利に使ったりするためのカメラアクセサリー。今回は、カメラに付属しているアクセサリーの紹介からストラップの巻きかた、三脚の立てかたなど、改めて知っておきたいカメラアクセサリーの情報をまとめました。

※ 今回は主に、Z 7IIを使ってアクセサリーの説明をしています。カメラに付属しているアクセサリーは機種ごとに異なり、また使用方法はメーカーごとでも異なる場合がありますので、詳細は各カメラ、アクセサリーの使用説明書をご確認ください。

撮影監修:斎藤勝則

機能性を高めるアクセサリー

ストラップ

「ストラップ」は撮影時、カメラの落下を防ぐために必須ともいえるアクセサリーです。ここでは、通常の取り付けかたに比べ、よりしっかりと安全にカメラを守ることができる「ニコン巻き」とも呼ばれる取り付けかたを紹介します。

通常の取り付けかた:ストラップの先端が外に出ており、緩んだりほつれたり、ファインダーを覗く際に顔に当たるなどの心配があります

ニコン巻き:ストラップの先端を内側にしまう巻きかたですので見た目もスッキリとして邪魔にならず、ストラップが緩む心配もありません

ニコン巻きのやりかた

➀ あらかじめストラップのアジャスター部分を緩めておき、カメラのストラップ取り付け部に外側から内側に向かって(カメラに向かって)通します。
➁ ストラップの先端をリングに通して、アジャスターの上の穴(カメラから離れているほうの穴)に通します。
➂ アジャスターの下の穴に通します。
➃ ストラップの先端をカメラの方に、リングより少し長くなる程度まで引っ張り伸ばします。このとき、アジャスター部分で緩めておいた外側のストラップは緩めたままにしておきましょう。
➄ ストラップの先端をリングの中に通してから、緩めておいたアジャスター部分を上に引っ張り、ストラップの緩みを整えます。

カメラを保護するアクセサリー

ボディーキャップ

「ボディーキャップ」はカメラボディーに付随しているアクセサリーです。ボディーからレンズを長時間外すとき(修理に出すときや、ボディーを長期間使用しないときなど)は、ほこりやゴミの内部への付着を軽減し、センサーを保護することができますので必ずつけておくようにしましょう。

アクセサリーシューカバー

「アクセサリーシューカバー」は、カメラのフラッシュ取り付け部(アクセサリーシュー)を保護するためのカバーです。ほこりが溜ったり、接点部分が濡れたり傷ついたり、また何かに引っかかったりといったことを防ぎます。

取り付けかた:カメラ背面側から、アクセサリーシューを差し込みスライドさせます

取り外しかた:カメラをしっかりと支えながら、アクセサリーシュー全体を親指で押さえカメラ背面側にスライドさせます

接眼目当て

「接眼目当て」はカメラの接眼部に取り付けるゴム製の目当てです。ファインダーを覗いた際、視野がよりはっきり確認でき、目の疲れを軽減することができます。

取り付けかた:上から下に向かってスライドさせるように取り付けます

取り外しかた:両手の親指で、下から上に向かって押し上げるよう取り外します

メモリーカードについて

撮影に必要不可欠なものといえば、「メモリーカード」です。メモリーカードはXQDカード、CFexpressカード、SDカードなど書き込み速度や容量の違うさまざまな種類のものがあります。カメラごとに使用できるメモリーカードが異なり、1種類だけでなく2種類使用できるものもあります。必ず、対応したものを使用しましょう。
各カメラの製品情報ページ内、「主な仕様」ページの下のほうに使用できるメモリーカードの記載がありますので確認してみてください(Z 7IIの「主な仕様」のページはこちら)。

・メモリーカードの入れかた
1.カメラの電源をオフにする
2.メモリーカードカバーを開き、スロットに正しい向きでカチッと音がするまで差し込む
※注意! 向きを間違ったり、種類の異なるメモリーカードを差し込んだりしないようにしましょう。

・メモリーカードの取り外しかた
1.メモリーカードアクセスランプが消灯していることを確認する
2.カメラの電源をオフにする
3.メモリーカードを一度奥に押し込んでから放し、押し出されたカードを引き抜く

カメラをより便利に使うためのアクセサリー

マウントアダプター

カメラとレンズを装着する部分の規格サイズのことを「マウント」といいます。ニコンのカメラには一眼レフカメラに使われている長い歴史を持つ「Fマウント」と、ミラーレスカメラ Z シリーズとともに誕生した「Zマウント」の2種類があり、規格サイズが違うマウントのカメラボディーとレンズはそのままでは装着することができません。
そこで必要となるのが「マウントアダプター」です。カメラボディーとレンズの間に装着することでマウントサイズの違いを補い、それぞれ違う規格を持つカメラボディーとレンズを使えるようにしてくれるのです。

こちらは「マウントアダプター FTZ II」。どのカメラにどのレンズを着けたいのか確認の上、対応するマウントアダプターを使用します

ZマウントのカメラZ 7IIでも、間にマウントアダプターを装着することでFマウントのレンズが使用できるようになりました

エクステンショングリップ

カメラボディーに装着することで、カメラのホールド感を高めてくれるのが「エクステンショングリップ」です。手ブレを軽減でき、快適な撮影操作が可能になります。長時間の撮影を楽にしてくれ、また超望遠レンズを使った手持ち撮影のシーンなどではしっかり握れることがブレ防止に大変役立ちます。
エクステンショングリップは装着した状態でバッテリー交換ができたり、マウントアダプターや望遠レンズの三脚座の干渉を軽減できたりといった設計もなされていますので、お手持ちのカメラ専用に作られたものを使いましょう。

こちらは、「Z用エクステンショングリップ Z-GR1」です

カメラの機種ごとに取り付けることができるエクステンショングリップが異なります

リモートコントローラー

遠隔でシャッターボタンを押すことができる「リモートコントローラー(リモコン)」。「レリーズ」とも呼ばれており、カメラに手の届かない位置からの自撮りや撮影者も一緒の集合写真など、自分でシャッターボタンを押すことができないシーンはもちろん、風景写真(夜景)撮影時などシャッターボタンを押すことで生じるブレを軽減させたい場合、複数のカメラで同時にシャッターを切りたい場合など、使用用途はさまざま。有線のリモコンもありますが、最近ではコードが邪魔にならないワイヤレスリモコンが主流です。
シャッターを切るだけのものから、ズームやフォーカスの設定ができるものなどもあります。使用用途やご自身のカメラに対応しているかにあわせて、購入しましょう。

なお、「SnapBridge(スナップブリッジ)」というアプリをお手持ちのスマートフォンにインストールすることで、スマートフォンをリモコン代わりに使用することもできます。こちらもぜひ、試してみてください。

SnapBridge(スナップブリッジ)についての詳細はこちら

こちらは「ワイヤレスリモートコントローラー WR-R11b/T10セット」、Z 7IIやZ 6IIなどに対応したリモコンです。お手持ちのカメラに対応しているものを購入しましょう

カメラにワイヤレス機器を装着することで、手元のボタンでシャッターが切れるようになります

トライポッドグリップ

「トライポッドグリップ」とはさまざまなアングルでの撮影を可能にしてくれる、より手軽な動画・静止画撮影を後押ししてくれるカメラアクセサリーです。グリップを手で持ちながら撮れば、自撮りやバリアングル撮影も無理なくフレーミングでき、グリップ部分にリモコンも装着できるため片手でカメラの操作も可能です。
さらに、グリップ部分を開けばミニ三脚に早変わり。両手をフリーにした状態で、カメラを据え置いてのリモート撮影も可能です。

「SmallRig トライポッドグリップ3070」とセット販売もされている「リモコン ML-L7」。Z 30など、Z シリーズのうちAPS-Cサイズ(DXフォーマット)のカメラに対応したカメラアクセサリーです

リモコンを併用することで、グリップを手に持ながら、持った手の親指でズーム操作、静止画撮影、動画撮影の開始・停止が可能です

ウィンドマフ ~よりきれいに音を拾うための動画撮影時お役立ちアイテム

高性能はそのままに、小型・軽量、自由なアングルで容易に撮影できるバリアングル式画像モニターを備えたZ 30は、動画撮影に最適な1台。そんなZ 30の専用のアクセサリーとして登場したのが「ND SmallRig ウィンドマフ 3859」です。
アクセサリーシューに装着することでカメラ本単に備えられているマイク部分を風から守ってくれます。屋外撮影での風の音を遮り、より鮮明に目的の音声を拾うことができます。Z 30で動画撮影をするならぜひ、セットで揃えたいアクセサリーといえます。

ND SmallRig ウィンドマフ 3859

カメラの上に装着された2つのボンボン、耳のようで愛らしくもあります

HDMI/USBケーブルクリップ

カメラにつないだHDMIケーブルやUSBケーブルが、接続中に不用意に外れることを防いでくれるのが「HDMI/USBケーブルクリップ」です。パソコンやテレビなどにカメラに接続した作業を行う場合は、あると便利です。

正しい三脚の使いかた

カメラといえばおなじみのアクセサリー、「三脚」。カメラを安全に守るだけでなく写真のクオリティ向上のために、もはや必需品といってもよい三脚の正しい使いかたを覚えておきましょう。

三脚は長く大きく重たい道具で、使用時には場所を取ります。思わぬところで事故やトラブルの原因になることもありますので、さまざまな配慮が必要です。
持ち運ぶときはコンパクトに収納し、周囲にぶつけたり邪魔をしたりといったことのないよう、十分注意しましょう。三脚を立てる場所は、撮影者にとっても周囲にとっても安全で邪魔にならない場所を選びます。三脚の使用自体がNGの場所もありますので、事前に調べておきましょう。撮影中も夢中になりすぎないように、周囲の邪魔になっていないかを確認しながら撮影しましょう。マナーを守って、撮影を楽しんでください。

三脚の仕組み

三脚は、3本の脚で自立させる「脚部」とカメラを装着する「雲台」に分かれています。
脚部は伸縮性で、収納時にはコンパクトに畳むことができます。
雲台には、垂直・水平・縦横などの角度をレバーで調整する「2way雲台」や「3way雲台」、動きの制限なく自由に角度や向きを変えることができる「自由雲台」、スムーズなフレーム移動ができるため動画撮影用に向いている「ビデオ雲台」など、いくつか種類があります。どんな撮影を行いたいのか、自分がどんなタイプが使いやすいのかによって、雲台の種類を選ぶとよいでしょう。

こちらは上下左右の動きに加え、カメラを縦横回転させることで縦構図での撮影も可能な「3Way雲台」です

「自由雲台」はボール状の部分を稼働させることで、上下左右などの動きの制限なしに自由に角度や向きを調整することができます

雲台の先端にはカメラを固定する「カメラ台」と呼ばれる部分があり、以前は、台から出ているネジに直接カメラボディーの三脚穴をねじ込んで装着する「直付け方式」のものもありましたが、最近はあらかじめネジの付いたプレートをカメラボディー(三脚座)に装着しておき、そのプレートを雲台に固定し三脚に取り付ける「クイックシュー方式」が主流となっています。取り付けの際にカメラを落としてしまうといった心配も減り、またプレートをカメラに装着したまま手持ち撮影ができるため、三脚を使った撮影中に外したり、また着けたりといった動作がスムーズに行えるようになりました。

クイックシュー方式のカメラ台

三脚の立てかた

1

脚部のロックされている部分を緩め(緩めかたは三脚ごとに違いますので、使用説明書をご確認ください)、脚を伸ばします。3本の足が同じ長さになるように伸ばしましょう。

2

安定した場所に三脚を縦に置き、脚を開きます。このとき、全開になるまでしっかりと脚を開いてください。

3

次に、カメラをカメラ台に装着します。カメラを落とさないよう注意を払いながら、安定した場所で丁寧に作業しましょう。
クイックシュー方式の場合、まずプレートをカメラに装着します。

プレート部分をカメラ台に装着します(プレートの装着方法は三脚ごとに違いますので、使用説明書をご確認ください)。しっかり固定しましょう。

4

撮影位置に三脚をセットし、カメラが被写体の方を向くように雲台部分の調整をします(雲台の使いかたは三脚ごとに違いますので、使用説明書をご確認ください)。このとき、三脚の脚の向きとご自身の立ち位置に注意してください。脚をまたぐように立ってしまうと、撮影時に邪魔になり、足を引っかけて三脚を倒してしまうといった事故にもつながります。三脚の脚1本が正面に来るように、2本の脚の間にご自身の立ち位置が来るように設置しましょう。

5

雲台部分を伸縮させながらご自身の身長にあわせてカメラの高さを調整します。起立した状態から少しかがんでモニター部分をのぞくくらいが基本となりますが、どの程度の高さが撮影しやすいかはご自身で見つけてみてください。
最後に、カメラをのぞきながら構図を検討し、必要があれば三脚を前後させながら最終的な位置決めをします。

斜めの場所に三脚を立てるには

平坦ではなく、傾斜のある場所や地面に凹凸のある場所で三脚を立てる場合は、脚の長さを変えて、カメラが水平になるよう調整して使用します。
脚の長さをすべて同じにしたままカメラだけまっすぐ前を向くよう傾けて立ててしまうと、重心が傾いた状態となり、三脚が倒れてしまうこともあり大変危険です。三脚によってはカメラ台部分などに水準器が備えられているものもあります。参考にしながら、重心がまっすぐになるよう三脚を立てましょう。

3本の脚が、同じ長さで立っています。重心が前に傾いており、不安定で倒れる危険があります

後ろ2本の脚を、傾斜に合わせて短くしています。重心がまっすぐになり、安定しました

超望遠レンズ撮影、三脚の装着方法

超望遠レンズはものによって長く、重たくなります。通常であれば、カメラのボディー部分をカメラ台に固定しますが、超望遠レンズの場合はレンズの重さで重心が前に傾いてしまい三脚が安定せず、ブレの原因になったり三脚が倒れてしまったりする恐れもあります。そのため超望遠レンズには「三脚座」と呼ばれる台座が取り付けられており、この三脚座をカメラ台に固定します。
なお、三脚や雲台には対応重量がありますので、超望遠レンズの重さに対応した頑丈で丈夫なものを選んでください。また重たいレンズを扱いますので、より安全で便利なクイックシュー方式の三脚をおすすめします。その際、超望遠レンズ(三脚座の取り付け)に対応した、大きく丈夫なプレートを使用しましょう。

一見安定しているようですが、レンズ側に重心が傾いており、何かのはずみで三脚が倒れてしまうといった心配があります

三脚座をカメラ台に装着することにより重心が安定、ブレの防止にもなります

いかがでしたか? 知っているようで知らなかった、ということもあったのではないでしょうか。カメラアクセサリーによって普段悩んでいたことが解決したり、正しい使いかたを知ることでより安心して撮影に臨めたりといったことがあります。今回の記事を参考にして、より快適なカメラライフをお過ごしください。
なお、今回取り上げていないスピードライトやレンズに付属するアクセサリーについては、以下のページでご紹介していますのでぜひご覧ください。

Lesson13:フラッシュ撮影の基本と使いかたのコツ

レンズレッスン Lesson10:レンズの扱いかたの基本

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