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Lesson2:シーンに合わせて撮影モードを選ぶ

デジタル一眼カメラには、さまざまな「撮影モード」が用意されています。シーンや目的に合わせて撮影モードを使い分けることは、思い通りの写真を撮る近道です。今回は、各モードの内容を学んでいきましょう。

撮影監修:斎藤勝則

撮影モードとは

撮りたいモードを白い指標に合わせて選択します。

カメラ上部についている撮影モードダイヤルにある、「」や「P、S、A、M」などのアイコンが撮影モードです。ダイヤルを回して撮りたいモードを指標に合わせると、そのモードが選択されます。

オート

細かい設定はカメラにおまかせできるので、あとはシャッターを押せば撮影可能なモードです。フラッシュを光らせたくないような場面で使える発光禁止オートがここで選択できるカメラもあります。

シーンモード

「風景」や「ポートレート」など撮りたいシーンや被写体にあわせてモードを選ぶと、カメラが自動でコントラストや鮮やかさなど被写体に合わせた設定にしてくれます。ダイヤルをシーンモードに合わせた後に好きなモードを選択してから撮影しましょう。

シーンモードはカメラによって数が異なりますが、定番のシーンモードからいくつかご紹介します。

ポートレート

背景をぼかし、肌をきれいにやわらかいトーンで写せるので、人物撮影にぴったりです。

風景

被写界深度が深くシャープに写り、木々の緑や青い空なども色濃く鮮やかに再現できます。

こどもスナップ

肌の色を美しくみせるとともに周りの色彩も鮮やかになり、こどもをいきいきと写せます。

スポーツ

動きのある被写体の一瞬の動きを捉えたいときに向いています。

クローズアップ

小さな被写体にしっかりとピントを合わせてシャープに写し出します。

P、S、A、Mモード

絞りやシャッタースピードを撮影者が決められる4つのモードで、これらを合わせて「露出モード」とも呼ばれます。それぞれのモードで何ができるのか、ひとつづつ見ていきましょう。

P プログラムオート

絞り値とシャッタースピードの組み合わせをカメラが自動で決めてくれるモードです。先に出てきた「オート」との違いは、ホワイトバランスやピクチャーコントロール、ISO感度など設定を行うことができる、つまりより自分のイメージに近づけて撮影できる点にあります。

便利な機能「プログラムシフト」

プログラムオートで撮影中に、「もっと背景をぼかしたいな」と感じたり「さっきまでじっとしてくれていたペットが動き出してうまく撮れない」と困ったりすることがあります。そんな時に便利なのがダイヤルを回すだけで絞りとシャッタースピードを変えることができる「プログラムシフト」です。適正露出を保ってくれるので、暗く写っちゃった!という失敗も防げます。お手持ちのカメラの説明書で、プログラムシフトの方法を確認しておくといいでしょう。

S シャッター優先オート

設定したシャッタースピードにあわせて、カメラが絞り値を自動で決めてくれます。高速シャッターで走る列車の動きを止めたいときや、低速シャッターで風に揺れる花をぶらして写して動感を表現したいときに便利なモードです。シャッタースピードを一定に保ったまま露出補正できるので明るさも調節できます。

シャッタースピードを速くする、遅くする

左は速いシャッタースピード(1/1600秒)に設定して撮影、右は遅いシャッタースピード(30秒)に設定して撮影しました。それぞれ絞り値は自動で設定され、明るさもほどよく適正に写せています。被写体に応じて速さを調節しながら撮影してみましょう。

激しく動き回るサッカー試合中の少年たちです。予測不可能な動く被写体でも速いシャッタースピードで一瞬の表情や動きを写し止めることができました。

滝を遅いシャッタースピードで撮影すると水の流れがぶれて写り、やわらかく幻想的な印象の作品になりました。

A 絞り優先オート

設定した絞り値にあわせて、カメラがシャッタースピードを自動で決めてくれます。ボケを活かした撮影をしたいときに便利なモードです。絞り値を一定に保ったまま露出補正できるので明るさも調節できます。

絞りを変えても同じ明るさに写る

左は背景をぼかすため絞りをF4に、右は背景までしっかり写し込むために絞りF22に設定して撮影しました。それぞれの絞りに見合ったシャッタースピードにカメラが自動で設定するので、どちらも同じく狙い通りの明るさに写りました。あまり極端に絞り過ぎると画質が低下するので注意しましょう。

絞りF4

絞りF22

M マニュアル

絞り値もシャッタースピードも撮影者が設定するモードです。より自分のイメージ通りに調整して写したい場合や、一定のシャッタースピードと絞り値を確保することができるので、流し撮りや、花火、星空などの長時間露光で多用されるモードです。P、S、Aモードでは被写体の明るさをカメラが測って、絞りやシャッタースピードを自動調整しますが、Mモードでは被写体を変えても撮影者が設定した絞りとシャッタースピードに固定されるので、狙い通りの明るさに写すには露出の知識が必要になってきます。しかし、構図を変えても一定の明るさに保ったまま写せるので、うまく活用すればとても便利なモードです。また、P、S、Aモードは露出補正できる幅に限度がありますが、それ以上明るく/暗く写したい場合にはMモードを使います。

低速シャッターを活かしたテクニック、流し撮り。任意のシャッター速度に固定したまま絞りも自分で決めた値に設定するために、Mモードを選択しました。

このほかにも、撮影モードダイヤルには特殊効果がつけられるスペシャルエフェクトモードなどより個性的な表現ができるモードなどもあります。撮影モードはそれぞれに違った特徴があり、「このシーンにはこのモード」という決まりはありません。自分の撮影スタイルに合った撮影モードを使って、思い描いたイメージを写真にしてくださいね。

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