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レトロな下町情緒あふれる夏の柴又散歩

レトロな昭和の下町の風情が漂う葛飾柴又。江戸時代からの趣が残る参道は下町ならではの活気にあふれ、賑わう参道を抜けた先には庚申参りや木彫で有名な柴又帝釈天題経寺があります。そのほかにも世界に認められた日本庭園や小説や歌の舞台にもなった矢切りの渡しなど、見どころ満載の葛飾柴又を夏気分いっぱいの浴衣姿でめぐりました。

1、柴又駅・ハイカラ横丁 → 2、帝釈天参道1 → 3、帝釈天参道2・柴又帝釈天 → 4、山本亭・柴又公園

1. 柴又駅・ハイカラ横丁

レトロチックな駅からはじまる
古き良き昭和へのタイムスリップ

柴又散歩を楽しむために、まずは京成金町線の柴又駅からスタートです。レトロな瓦屋根の駅舎を出て帝釈天へ向かって歩き始めると、参道入口の脇にブリキの看板やロボットなどが飾られた駄菓子屋「柴又ハイカラ横丁」が現れます。店内にはたくさんの駄菓子や雑貨、懐かしのおもちゃが所狭しと置かれていて、ピンボールや射的のコーナーまであります。子どものころに小銭を握りしめていった夢の空間そのままで、麻衣ちゃんも駄菓子やおもちゃを見ては「これ懐かしい」、「まだこれあったんだ!」とはしゃいでいました。

2. 帝釈天参道1

下町情緒があふれる帝釈天へと続く参道は
戦前の老舗も残る、江戸から続くお参りの道

ハイカラ横丁を出てすぐ、道の左側に「帝釈天王安置の碑」、右側には「映画の碑」があります。映画の碑はフィルムの形をしていて、そこには柴又を舞台とした映画『男はつらいよ』の主人公「寅さん」の名台詞が山田洋次監督の筆で刻まれています。
このふたつの碑の先からはじまる、江戸時代から続く帝釈天参道には川魚料理やおだんご屋、おみやげ屋などのお店が建ち並び、戦火を逃れた老舗も多く古い街並みがそのまま残されています。そして、帝釈天の「庚申」の日には格別な賑わいを見せるなど、柴又ならではの風情と景観は「葛飾柴又の文化的景観」として東京都で初めて国の重要文化的景観に選定されているそうです。
参道に入ってすぐのところ、石畳を挟んだ両側に店を構えるのは柴又名物草だんごの「髙木屋老舗」です。木造瓦葺きの建物は明治、大正に建てられた創業当時の趣が残っていて、店内に入るとそこは昭和の世界。下町の食堂かお蕎麦屋さんといった感じで、お座敷席とテーブル席が用意されています。
テーブル席に座って草だんごを注文、お皿の上にのったおだんごが運ばれてきました。よもぎをつきこんでいるおだんごは口の中で自然な香りが広がり、ちょうどいい甘さのあんこと一緒に何個でも食べられそうでした。

3. 帝釈天参道2・柴又帝釈天

カラフルな柴又民芸品「はじき猿」と
「彫刻の寺」柴又帝釈天題経寺

参道を帝釈天の山門が見えるところまで進むと、左側に立派な木彫りの龍が飾られているお店があります。ここは代々彫刻師である園田さんのお店「園田神佛具店」で、店先にはお線香などの仏具に混じって柴又民芸品の「はじき猿」が置いてあります。
はじき猿は帝釈天のお使いである猿をモチーフに、竹のばねで猿をはじいて飛び跳ねさせます。災難をはじき猿(去る)、運をはね上げるということで、江戸末期から作られるようになり縁起がよいと言い伝えられています。東京ではここ柴又でしか作られておらず、そのぶら下がっている短冊の色塗りまですべて手作りされているそうです。麻衣ちゃんも園田さんにはじき方を教わってお猿さんをはじいてみました。猿がはじかれて飛び跳ねる姿はかわいらしくなんだかほっこりするのと同時に、本当に災難が去って運が上がった気分になりました。

柴又帝釈天の名で知られる「経栄山題経寺」は寛永年間創立の日蓮宗寺院で、別名「彫刻の寺」といわれるほどお堂の内外に彫刻が施されています。境内に入って正面にある帝釈堂の内陣外側は彫刻ギャラリーになっていて、「法華経」の説話を題材とした10枚の胴羽目彫刻を鑑賞することができます。胴羽目彫刻以外にも木鼻などに彫られた獅子や龍の姿を間近で見られ、立体的で精密な木彫のすごさに圧倒されました。
彫刻ギャラリーを見たあとは境内奥にある庭園「𨗉渓園(すいけいえん)」を訪れました。回遊式の𨗉渓園は「大客殿」から延びる回廊の上から、さまざまな角度で庭を眺めることができます。風が吹き抜ける緑に包まれた回廊では池のきらめく光に夏の日差しを感じつつ、涼しいひとときを過ごすことができました。

4. 山本亭・柴又公園

世界が認めた日本庭園~山本亭~と
江戸川・矢切の渡しで涼を楽しむ

柴又帝釈天の境内を抜け、江戸川河川敷へ向かう途中にある近代和風の建物が「山本亭」です。大正末期から昭和初期に建築、増改築され、純和風の邸宅に洋風建築を取り入れた当時の佇まいを残す建築として、葛飾区の登録有形文化財に指定されています。
伝統的な書院造りの部屋から眺める庭は書院庭園の造りになっていて、アメリカの日本庭園専門誌のランキング調査において常に7位以内にランクインし、海外においても高い評価を受けています。
山本亭では眺めのいい場所に座ってゆっくりとお茶やお菓子をいただくこともできます。喫茶メニューの中から季節限定の冷たいくずきりをお願いしてひとやすみ。奥行きを感じさせられる緑あふれる庭を眺めながら、東京都区内にあるとは思えない心地よい静けさを堪能しました。

山本亭の「長屋門」を抜けると、目の前に河川敷へと上がる階段があります。ここが「柴又公園」の入口です。階段を上ると川と岸辺と空の広々とした空間が広がり、サイクリングやジョギング、ウォーキングなどを楽しむ人たちなども見受けられます。
公園の中を岸辺まで降りていくと、「矢切の渡し」の桟橋がありました。矢切の渡しは柴又と対岸の千葉県松戸を結ぶ渡し船で、都内では唯一残っている渡し船だそうです。
桟橋から船に乗り込み、松戸側へ向けて出発。船頭さんが帽子などが飛ばないように注意してくださいねなどと話ながら艪を操って船を漕ぎます。水上の涼しい風を受けながら滑るように進む船は揺れも少なく、往復10分ちょっとですが充分に船旅気分を味わえました。

矢切の渡しも楽しみ、日が暮れかけたところで、ハイカラ横丁で懐かしくなって買った花火を楽しむことに。
パチパチとはじけて燃える花火を見ていると、今日一日の思い出が頭の中に浮かび上がります。映画の世界そのままの参道をそぞろ歩き、懐かしさいっぱいの駄菓子屋ではしゃぐ。そしてゆかたが似合う和の空間で涼を感じる。レトロな夏の思い出でいっぱいになった一日でした。

ナビゲーター 神戸 麻衣(ごうど まい)

静岡県生まれ。第25代ミス富士山、2017ミスユニバースジャパン静岡代表を経験し、MCやリポーター、モデルとして活動中。インストラクターとしてウォーキングやヨガのレッスンも行っています。目標は野球の始球式に出ること!
趣味:野球、バスケ、ヨガ
好きな場所:野球場、カフェ

お散歩の感想

柴又へ来たのは初めてで、有名な観光地なのにせわしない感じがなく落ち着いていて、でも活気があるところがよかったです。参道はレトロな映画の世界に迷い込んだような感じだったのとは対照的に、帝釈天や山本亭のお庭がきれいで静かな空間だったのも印象的でした。浴衣や着物で散策するのにもぴったりな場所ですね!

撮影スポットの紹介

撮影地マップ

機材・グッズ紹介

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お散歩関連情報

撮影のマナーと注意

エリアガイド

1. 柴又ハイカラ横丁

昭和な空間に数千種類の駄菓子やおもちゃ、雑貨等を販売して、懐かしいレトロゲームやピンボールなどでも遊べる。また、2階には「柴又のおもちゃ博物館」がある(開館時間:土・日・祝日11:00~18:00)。
住所:東京都葛飾区柴又7-3-12
電話:03-3673-9627
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜日(年間数日程度)

2. 帝釈天参道

だんご屋や川魚料理店、民芸品や仏具屋などの店が建ち並ぶ、江戸時代から続く柴又帝釈天の参道。帝釈天の「庚申」の日には大変な賑わいを見せる。
住所:東京都葛飾区柴又7丁目

2. 髙木屋老舗

草だんごと和菓子の老舗で、お土産などの販売店と喫茶店に分かれている。名物の草だんごのほかにくず餅やあんみつなどの甘味、おでんや茶飯といった食事メニューも提供している。
住所:東京都葛飾区柴又7-7-4
電話:03-3657-3136
営業時間:土産店7:00~17:30、喫茶店9:00~17:00(ラストオーダー16:30)
定休日:無休

3. 園田神佛具店

「はじき猿」、「ごへい猿」を扱う門前にある神仏具店。店主の園田秀夫さんは彫刻師で、秀夫さんの祖父は帝釈天の彫刻を手がけている。木彫の「園田」と民芸品を扱う「そ乃田」は姉妹店。
住所:東京都葛飾区柴又7-6-14
電話:03-3657-5997
営業時間:8:00~16:30
定休日:無休

3. 柴又帝釈天 経栄山題経寺

帝釈天の板本尊を奉る、寛永年間創立の日蓮宗の寺院。江戸中期に所在不明になっていた本尊が発見された日が庚申の日だったことから「庚申」を縁日と定め、帝釈天板本尊を開帳している。
住所:東京都葛飾区柴又7-10-3
電話:03-3657-2886
営業時間:9:00~18:00、彫刻ギャラリー・邃渓園9:00~16:00
定休日:邃渓園のみ年末年始休園

4. 山本亭

地元ゆかりの合資会社山本工場の創立者、山本栄之助翁の邸宅で、大正末期から昭和初期にかけて増改築を重ね現在の姿に。伝統的な書院造りと洋風建築の融合した近代和風建築と純和風な庭園が調和している。
住所:東京都葛飾区柴又7-19-32
電話:03-3657-8577
営業時間:9:00~17:00
定休日:第3火曜日、12月の第3火~木曜日

4. 柴又公園

山本亭、「寅さん記念館」を含み、河川敷広場にまたがる公園。スーパー堤防整備事業と一体で整備され、江戸川の水辺や安心して利用できる水と緑の豊かな憩いの場となっている。
住所:東京都葛飾区柴又6丁目

4. 矢切の渡し

江戸時代初期から続く、柴又と対岸の千葉県松戸を結ぶ都内に唯一残る渡し場。小説『野菊の墓』や歌謡曲の舞台ともなっている。
住所:東京都葛飾区柴又7-18先
電話:047-363-9357(矢切渡船)
営業時間:10:00~16:00
定休日:夏季は毎日運航、7~8月は月曜、火曜日に休航あり。冬季は土曜、日曜、祝日、庚申の日のみ運航。雨天、荒天の場合は休航になります。

※ こちらに掲載している情報は2019年8月22日現在のものです。

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