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2022年4月の星空

金星・火星・土星が集う明け方の東天、今月下旬からは木星も加わり、いっそうにぎやかになります。4惑星の色と明るさの違いを意識しながら、高さや間隔が変わっていく様子を追ってみましょう。宵空では「しし座」「おおぐま座」が踊ります。

星空写真

愛知県設楽町にて
名倉の桜並木に並ぶように、夏の天の川が昇ってきました。桜の満開時期と月齢、天気の条件などが揃うチャンスがなかなか訪れなかったのですが、なんとか撮影できました。山間部なので空も暗く、画像処理により天の川の描写もはっきり表現できました。

2021年4月8日 2時16分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED(14mm、ISO8000、露出20秒×16枚を合成、f/2.8)
撮影者:石橋 直樹

4月の星空

南の空

南の空

2022年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(17日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2022年4月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(9日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

天文カレンダー

1日(金) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
5日(火) このころ、未明~明け方に火星と土星が大接近(「今月の星さがし」で解説)
夕方~宵、細い月とプレアデス星団が接近
9日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~翌10日未明、月とポルックスが接近
12日(火) 夕方~翌13日未明、月とレグルスが接近
16日(土) 未明~明け方、月とスピカが接近
17日(日) 満月。次の満月は5月16日です
19日(火) 深夜~翌20日明け方、月とアンタレスが接近
23日(土) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
25日(月) 未明~明け方、月と土星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
26日(火) 未明~明け方、月と火星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
27日(水) 明け方、細い月と金星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
28日(木) 明け方、細い月と金星がやや離れて並ぶ
明け方、細い月と木星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)

4月の惑星

水星

中旬から、夕方の西北西の低空に見えます。

日の入り30分後(東京で18時50分ごろ)の高度は約10度で、太陽から大きく離れることがない水星の見え方としては最も好条件になります。春霞の影響が少し気がかりですが、高さという点では絶好の観察チャンスです。

とはいえ、10度というのはかなり低空で、薄明るさが残る夕空の中で探す必要があるので、簡単に見つかるというわけではありません。スマートフォンのアプリなどで位置を確かめて、見晴らしが良いところで探してみましょう。肉眼でも見える明るさですが、双眼鏡を使うとわかりやすくなります。

月末ごろに「おうし座」のプレアデス星団(すばる)に接近します。星団の星々は水星より目立たないので、もう少し空が暗くなってから(日の入りの45分~1時間後くらいに)双眼鏡で、共演の様子を眺めてみましょう。

金星

「明けの明星」として、明け方の東南東の低空に見えます。

日の出1時間前(東京で4時10分ごろ)の高度は10度前後と低いのですが、明るく目立つので、建物などに隠されていなければ簡単に見つけることができます。東~南東の空の見晴らしが良いところで眺めてみましょう。金星の右には火星と土星が、左下には下旬以降に木星が、それぞれ見えます。これらの惑星を探すときにも金星を目印にするとわかりやすくなります。

27日に月齢26の細い月と並んで見えます。さらに、月末ごろ木星と大接近します。「今月の星さがし」を参考にして、惑星の動きを追ってみましょう。

火星

「やぎ座」から「みずがめ座」へと動き、未明から明け方の東南東の低空に見えます。明るさは約1.0等級です。

日の出1時間前(東京で4時10分ごろ)の高度は約10度と低めであまり目立ちませんが、少し離れたところに輝く金星を目印にすれば火星も簡単に見つけられるでしょう。

5日前後に土星と大接近します。「今月の星さがし」を参考にして、前後の日に並び方が変わる様子も含めて観察してみてください。また、26日に月齢25のやや細い月と並んで見えます。

低いため、天体望遠鏡での観察には向いていませんが、土星との大接近は天体望遠鏡の視野内に2惑星が見えるという珍しい機会なので、お持ちの方は観察してみましょう。

木星

「うお座」にあり、下旬ごろから明け方の東の低空に見えます。明るさは約マイナス2.1等級です。

日の出1時間前(東京で4時ごろ)の高度は10度未満と低く見づらいですが、明るいので、建物などに隠されていなければ見つけられるはずです。金星の左下と見当をつけて眺めてみましょう。低いため、天体望遠鏡での観察には向いていません。

28日、月齢27の細い月と並んで見えます。また、月末ごろ金星と大接近します。明るい2星が競い合って輝く光景をお楽しみください。

土星

「やぎ座」にあり、未明から明け方の南東の低空に見えます。明るさは約0.9等級です。

日の出1時間前(東京で4時10分ごろ)の高度は15~20度と低めですが、明け方に集まっている4惑星のなかでは一番高く見えます。金星や火星と並ぶ光景が面白いでしょう。月初は金星と接近しており、5日ごろに火星と大接近します。

低いため、天体望遠鏡での観察にはあまり向いていませんが、火星との大接近は天体望遠鏡の視野内に2惑星が見えるという珍しい機会なので、お持ちの方は観察してみましょう。

25日に月齢24のやや細い月と並んで見えます。「今月の星さがし」を参考に、25~28日の4日連続で起こる「月と惑星の共演」を楽しんでみましょう。

今月の星さがし

先月に引き続き、夜明け前の東天がにぎやかです。金星・火星・土星に加えて下旬からは木星も見え始めます。さらに25日以降は月も並び、早起きが楽しみな日々になりそうです。

明け方の空に金星・火星・土星・木星が集合中

先月から明け方の東~南東の空に、金星・火星・土星が見えています。3つの惑星の並び方は毎日変わり、惑星同士が接近するタイミングはとくに楽しみです。5日前後に火星と土星が大接近する様子が一つの見どころでしょう。どの惑星も肉眼でよく見えるので、双眼鏡や天体望遠鏡がなくても大丈夫です。明るさと色の違いにも注目してみてください。

3月26日から5月5日まで2日ごとの、夜明け前の東南東の空の様子(場所の設定は東京)

下旬には木星も見えるようになります。かなり低いのですが明るいおかげで、見晴らしが良ければ肉眼で簡単に見つけられます。星図を参考にして、金星との位置関係を確かめながら探してみましょう。図では日の出1時間前の様子を示していますが、30分前くらいでも金星と木星は見えます(火星と土星は空の明るさに負けて見づらくなります)。

月末には金星と木星が大接近し、明るく目立つ2惑星が見事な共演を見せます。月初の火星・土星と同様に楽しみです。見え方の変化を、地上風景を含めて写真で記録するのも面白いでしょう。暖かくなり早起きもそれほど苦にならないはずですので、ぜひ連日、観察してみてください。

25~28日、明け方の惑星たちに細い月が並ぶ

25~28日には、4惑星のそばを細い月が通り過ぎていきます。月が毎日1つずつ、それぞれの惑星に挨拶をしているようで面白いですね。どの日も少し間隔は広めですが、標準的な双眼鏡の同一視野内に入ります。もちろん、肉眼でもじゅうぶん楽しめます。

4月25日から28日までの、夜明け前の東~東南東の空の様子(場所の設定は東京)。囲み内は拡大イメージ(視野7度)

このころ、夕空には水星が見えています。明け方に月と4惑星、昼に太陽(直視しないようにしましょう)、そして夕方に水星を見れば、曜日の星(日、月、…土)を1日で全部見ることができます。水星は目印がないのでやや高難度ですが、意欲のある方は「曜日の星巡り」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今月の星座

しし座

7月下旬から8月中旬ごろに誕生日を迎える人の星座として名前が知られている「しし座」、見やすいのは春の時期です。4月中旬の20時から21時ごろ、南の空の高いところに見えます。

「しし座」「こじし座」
(銀河の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

「しし座」の目印は、ライオンの胸に輝く青白い1等星レグルスです。このレグルスの上(北)、オレンジ色の2等星アルギエバが輝いているあたりがライオンの頭です。さらに、レグルスの左(東)に胴体があり、星座の東端に輝く白い2等星デネボラが尻尾にあたります。レグルス、アルギエバ、デネボラは街中でも見つけやすいので、頭から胸、尻尾までの広がりがイメージできるでしょう。

空の条件が良ければ、「ししの大鎌」と呼ばれるクエスチョンマークを左右反対にしたような星の並び(頭から胸のあたり)や、足の部分の星も見つけられます。「しし座」の上の「こじし(小獅子)座」も、暗い星ばかりですが見つけられるかもしれません。春の夜空を駆ける、雄大なライオンの姿を思い描いてみてください。

二重星アルギエバ

肉眼では1つの星にしか見えないアルギエバに天体望遠鏡を向けると、オレンジ色の2等星と黄色の4等星が並ぶ二重星であることがわかります。望遠鏡をお持ちの方はぜひ観察してみましょう。

M66銀河群、M96銀河群

ライオンの後ろ足の付け根あたりには「M65、66、NGC 3628」という3つの銀河が集まっています(MやNGCはカタログ名)。また、お腹のあたりにも「M95、96、105」という3つの銀河が集まっています。いずれも9~10等級の明るさで、空の条件の良いところでは口径10cm程度の望遠鏡で見ることができます。

この3つずつの銀河はそれぞれ、見かけ上の位置が近いだけでなく、宇宙空間内でも実際に近い距離にあります。このような小規模の銀河の集まりを「銀河群」といい、前者は「M66銀河群」に、後者は「M96銀河群」に属しています。大きく写した画像では、銀河同士の相互作用により形が歪んでいる様子もわかります。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は4月中旬の深夜1時ごろの星空です。5月中旬の深夜23時ごろ、6月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2022年4月中旬 深夜1時ごろの星空

「しし座」が西の地平線めがけて夜空を駆け下っています。宵のころに天高く躍動するライオンは雄々しく見えますが、沈んでいく姿も格好良いものです。ライオンの尾の星デネボラと「おとめ座」のスピカ、「うしかい座」のアルクトゥールスを結ぶと、南西の空に大きな「春の大三角」が描けます。スピカとアルクトゥールスは、北斗七星から続く「春の大曲線」の一部でもあります。

南東の空には「さそり座」が見え始めました。「しし座」の胸に輝くのは青白いレグルスですが、「さそり座」の胸には赤いアンタレスが光ります。どちらの心も美しく見えますね。東の地平線近くには「夏の大三角」も見えています。

この3時間後くらいから東の空が明るくなりはじめ、今月ご紹介した明け方の惑星たちが次々と昇ってきます。新年度のスタートは早起きして、明るい惑星たちと共に迎えてみてはいかがでしょうか。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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