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2021年12月の星空

宵空に並ぶ金星・土星・木星、深夜はふたご座流星群の流れ星、明け方は彗星と、長い夜を楽しみ尽くす見ものが目白押しです。今年を振り返りながら、来年に思いを馳せながら、澄んだ空を見上げましょう。

星空写真

北軽井沢にて
浅間山の真上にオリオン座が位置するタイミングに薄い霧が発生し、星々がほどよくにじんで星色が鮮やかになりました。自然由来のにじみムラができることで不思議な感覚に引き込まれるように思います。

2020年10月18日 4時42分
ニコン D810A+AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED(ISO12800、露出5秒×6枚を合成、f/2.5)
撮影者:高岡 誠一

12月の星空

南の空

南の空

2021年12月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(11日)、満月(19日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2021年12月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(19日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

天文カレンダー

1日(水) 未明~明け方、細い月とスピカが並ぶ
3日(金) 明け方、細い月と火星が大接近
4日(土) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
6日(月) このころ、未明~明け方にレナード彗星が見える(「今月の星さがし」で解説)
7日(火) 夕方~宵、細い月と金星が接近(「今月の星さがし」で解説)
8日(水) 夕方~宵、細い月と土星が並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
9日(木) 夕方~宵、月と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)
11日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
14日(火) ふたご座流星群の活動がピーク(「今月の星さがし」で解説)
17日(金) 夕方~翌18日未明、月とアルデバランが並ぶ
19日(日) 満月。次の満月は来年1月18日です
21日(火) 宵~翌22日明け方、月とポルックスが接近
22日(水) 冬至(北半球では、一年のうちで一番夜が長い日)
24日(金) 宵~翌25日未明、月とレグルスが並ぶ
27日(月) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
28日(火) このころ、未明~明け方に火星とアンタレスが接近
29日(水) このころ、夕方に水星と金星が接近
未明、月とスピカが並ぶ

12月の惑星

水星

下旬以降、夕方の南西の低空に見えます。

日の入り30分後(東京で夕方17時ごろ)の高度は5度前後とかなり低く、見つけるのは難しそうです。26日ごろから金星と並び、双眼鏡の同一視野に入るので、まず金星を見つけてから水星を探すとわかりやすくなります。とはいえ、当然金星も低いので、見晴らしが良く空が開けたところで探してみましょう。位置がわかれば肉眼でも見えます。

金星

「宵の明星」として、夕方から宵に南西の空に見えます。

日の入り1時間後(東京で夕方17時30分ごろ)の高度は10度前後と低く、建物や山並みに隠されてしまうかもしれません。一方で非常に明るいので、見晴らしさえ良ければ探すまでもなく見ることができます。宵の明星として見えるのは今月いっぱいまでで、年明け以降は「明けの明星」となります。夕空で見やすいうちに、その輝きをしっかり楽しみましょう。

7日の夕方から宵にかけて月齢3の細い月と接近します。前述のとおり、この美しい共演を夕空で見られるのは今シーズン最後の機会なので、ぜひお見逃しなく。また、宵空で金星、土星、木星がほぼ等間隔で並んで輝く様子もお楽しみください。年末ごろには水星と接近します。

火星

「てんびん座」から「さそり座」「へびつかい座」へと移動します。明け方の南東の低空に見え、明るさは約1.6等級です。

日の出1時間前(東京で朝5時40分ごろ)の高度は10度未満とかなり低く、やや暗めなので、あまり目立ちません。観察する場合には、南東の見晴らしが良いところで探してみてください。低いため、天体望遠鏡での観察には向いていません。

3日の明け方に月齢28の非常に細い月と大接近して見えます。また、年末ごろに「さそり座」の1等星アンタレスと並ぶ光景は見ものです。色と明るさが似た印象の2つの星の共演を、早起きして眺めてみましょう。

木星

「やぎ座」から「みずがめ座」へと移動します。18時ごろに南西の空のやや低いところに見え、21時30分ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.2等級です。

宵空に金星、土星、木星がほぼ等間隔で並んで輝く様子は見ものです。地上風景と一緒に眺めたり撮影したりしてみましょう。7日から9日にはこの並びに月も加わり、さらに面白い光景となります。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

天体望遠鏡では木星を公転する4つのガリレオ衛星や木星表面の縞模様が見えます。空が暗くなったら早めに観察すると良いでしょう。

土星

「やぎ座」にあります。18時ごろに南西の空の低いところに見え、20時ごろに沈みます。明るさは約0.7等級です。

宵空に金星、土星、木星がほぼ等間隔で並んで輝く様子は見ものです。明るい2惑星に挟まれた土星は少し控えめですが、街中でも簡単に見つけられます。地上風景と一緒に眺めたり撮影したりしてみましょう。7日から9日にはこの並びに月も加わり、さらに面白い光景となります。「今月の星さがし」も参考にしてみてください。

低いので天体望遠鏡での観察にはあまり向いていませんが、機会があれば今シーズンの「環の見納め」をしておくのもよいかもしれませんね。

今月の星さがし

南西の空に金星・土星・木星が等間隔で並んでいます。7~9日には月も加わりにぎやかです。14日ごろにピークを迎えるふたご座流星群は、月明かりはありますが楽しみです。明け方のレナード彗星の動向にも注目しましょう。

宵空に並ぶ金星・土星・木星

一年で最も日の入りが早く夜が長い今の時季、17時から17時30分ごろにはもう空が薄暗くなり、南西の空で一番星の金星が眩しく輝く様子が目を引きます。冬は空気が澄んでいるので、金星の光にキレが感じられそうです。

空がもう少し暗くなると、金星の左上のほうにも明るい星が見え始めます。いわば「二番星」のこの天体は木星で、金星ほどではないもののよく目立ちます。そして、日の入りから1時間ほど経つと(東京で17時30分ごろ、大阪で18時ごろ)、金星と木星のちょうど中間あたりに3つ目の惑星、土星も見えるようになります。

7日には金星の左に細い月が接近し、いっそう美しく面白い光景が見られます。やや低く、19時30分ごろ(東京の場合)には月が沈んでしまうので、早めの時間帯に観察しましょう。低いということは地上風景と一緒に見たり撮ったりするうえでは好都合でもあるので、街の様子や山並みと共に眺めるのもお勧めです。あらかじめ絵になる前景を見つけておきましょう。

12月7日から9日までの、南西の空の様子(17時30分、場所の設定は東京)。囲み内は拡大イメージ(視野6度)、小さい円は月と惑星をさらに拡大したイメージ(正立像。月と惑星の拡大率は異なる)

翌8日になると月は土星の横まで移動し、さらに翌9日には月が木星の左下に並びます。月がそれぞれの惑星を訪問しているかのようですね。1日ごとに月が太くなっていくのもよくわかるでしょう。

10日以降は月は遠ざかりますが、3惑星が並ぶ様子は年内いっぱい見ることができます(年末には金星の近くに水星も見えます)。日課のように南西の空を眺めてみてはいかがでしょうか。

13~15日ごろ、ふたご座流星群

毎年12月中旬ごろに活動がピークとなるふたご座流星群は、寒いことを別とすれば一年で最も見やすい流星群です。

といったことが理由です。条件が良ければ一晩で100個以上の流れ星が見えることもありえます。

今年ふたご座流星群の活動が最も活発になるのは14日の16時ごろと予想されています。これは日本では日の入り前の時間帯なので、実際に見やすいのは前夜となる13日の宵から14日の明け方にかけてと、当夜である14日の宵から15日の明け方にかけてということになります。

目にできる流れ星の数は見晴らしの良さや空気の澄み具合、街明かりの強さなどに左右されますが、視界が開けているところで1時間あたり15~20個程度と予想されます。どちらの夜も2時ごろまで上弦過ぎの月が空を照らしているので、月明かりの影響を受けて暗い流れ星は見づらくなります。月が沈んでから夜明けまでは暗夜になりますが、明け方まで観察する場合には防寒の準備と体調管理をしっかり行ってください。

12月15日1時ごろの空の様子(場所の設定は東京)。流れ星は放射点(「ふたご座」の方向)を中心とした空全体に飛ぶように見える

流れ星観察の重要なポイントは、空を広く見渡すことです。流れ星は、ふたご座の方向「だけ」に飛ぶのではなくふたご座(放射点)を中心として「空のあちこち」に飛びます。東西南北、頭の真上から地平線の近くまで、どこにでも同じように流れます。狭いところを集中して凝視するのではなく、広い範囲を眺めましょう。広く見ることが大切ですから、双眼鏡や天体望遠鏡は不要です。同じ理由で、なるべく視界が開けたところで観察するほうが、流れ星を見やすくなります。

また、月からなるべく離れた方向を中心に眺めると、月の眩しさの影響を和らげることができます。郊外などで観察する場合には、街灯から離れた方向、街明かりが少ない方向(なるべく高いところなど)も考慮しましょう。

1時間に20個見えるとすると平均では3分間に1個見えることになりますが、観察を始めてすぐに流れ星が飛ぶとは限りません。防寒の準備を万全にして、安全やマナーにも気をつけながら、少なくとも15分くらいは流れ星を待ってみましょう。とても寒いので、くれぐれも無理はしないようにお気をつけください。また、ピークの前後数日間も、数は減りますが流れ星を見られるチャンスはあります。ちょっと気にかけて星空を見上げてみましょう。1つでも多くの流れ星が見えますように。

明け方にレナード彗星が見ごろ

彗星をご覧になったことはあるでしょうか。毎年同じ時期に巡ってくる季節の星座や明るく目立つ惑星と異なり、彗星は現れる時期が不定で暗いものがほとんどのため、なかなか目にする機会がありません。双眼鏡で見えるようなものは年に数個程度、肉眼でも見えるものとなると数年に1個あるかないかといったところです。最近では2020年の7月ごろネオワイズ彗星(C/2020 F3)が話題になりましたが、低空であったことや梅雨時季と重なったことなどの理由で、明るかったものの簡単に見えるというわけにはいきませんでした。

この12月の前半、レナード彗星(C/2021 A1)という彗星が見やすい明るさになると期待されています。時間帯が未明から明け方という点はややネックですが、月明かりがない、高い位置に見えるという好条件が重なっていて楽しみです。

12月3日から10日までの、東の空の様子(5時、場所の設定は東京)。尾は模式的に描いている

レナード彗星の明るさは5等級前後と予想されています。肉眼では見るのは少し難しそうですが、双眼鏡を使えば比較的簡単に見つけられるでしょう。「うしかい座」の1等星アルクトゥールスと2等星イザールや、「かんむり座」の2等星アルフェッカなどを目印にして、位置の見当をつけて探してみてください。12日ごろまでは明け方の空に見えますが、どんどん低くなります。また15日ごろからは夕方の南西の空に移りますが、太陽に近い(薄明中の低空に見えることになる)ので見づらい可能性が高いでしょう。とはいえ、ひょっとしたら「化ける」かもしれないので、明るさ予想を含め、最新情報に注意しておきましょう。

彗星の像はボンヤリと広がっているため、星のような点源の光とは見え方が異なり、同じ等級の恒星よりもずっと淡く見えます。小さな雲の切れ端のようなイメージで探してみましょう。彗星といえば尾も見ものですが、一般に尾は頭部よりもさらに淡いので、見るのは難しいかもしれません。左上に伸びているはずなので、注意して観察してみてください。撮影にも、ぜひ挑戦してみましょう。

レナード彗星は12日ごろ地球と最接近、年明けに太陽に最接近します。その後は太陽系の彼方へと飛び去ってしまい、二度と戻ってくることはありません。一期一会の訪問者を、ぜひ冬の空で歓迎してみましょう。

今月の星座

ペルセウス座

12月中旬の夜21時ごろ、北の空の高いところに「カシオペヤ座」が、北東の空の高いところに1等星カペラが目印の「ぎょしゃ座」が見えています。これら2つの目立つ星座の間に、今月ご紹介する「ペルセウス座」が広がっています。8月中旬の流星群で有名な星座ですが、宵空で見やすいのは晩秋から冬です。

「ペルセウス座」

ミルファク、アルゴルと2等星が2つあるので、比較的見つけやすい星座です。「カシオペヤ座」と「ぎょしゃ座」の中間を探すという方法のほか、「ペガスス座」の四辺形から「アンドロメダ座」を経由した先にミルファクを探すという方法でも見つけられるでしょう。振り上げた剣や足に当たる星々もつないでみてください。

ギリシャ神話でペルセウスは、天馬ペガススに乗って登場し、王女アンドロメダを救ったヒーローとして描かれています。この3星座が空で並んでいるのは、偶然ではないわけですね。同じストーリーに搭乗する「カシオペヤ座」「くじら座」「ケフェウス座」も夜空に見えているので、ぜひ全部見つけてみましょう。

変光星アルゴル

ペルセウスの右手は妖怪メドゥーサの首をつかんでおり、その目に当たる位置に輝くのがアルゴルです。このアルゴルは変光星で、普段は2等級ですが、3日弱の周期で3等級まで暗くなります。明るさが変わる様子はメドゥーサの魔力を象徴しているかのようです。ときどき意識して、ミルファクと明るさを比較してみましょう。

様々な散開星団

「ペルセウス座」のあたりには天の川が流れているので、双眼鏡で眺めると視野いっぱいに多くの星が見えます。その中にところどころ、とくに集中して星が見える場所があります。このように数十個~数百個の星が集まっている天体を「散開星団」と呼びます。散開星団の星々は見かけ上同じ方向にあるだけでなく、実際の宇宙空間の中でもまとまって存在しています。

いくつかの見やすい散開星団を星図に示しました。Mel 20(メロッテカタログの20番)はミルファクのあたりを、M34(メシエカタログの34番)はアルゴルの近くを、二重星団h-χ(エイチ・カイ、2つの散開星団が並んでいます)はミルファクの北西あたりを、それぞれ探してみましょう。いずれも双眼鏡で楽しむことができ、M34と二重星団は低倍率の天体望遠鏡でも見ごたえがあります。星々の明るさや色、数、広がり具合などの個性にも注目してみてください。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は12月中旬の深夜1時ごろの星空です。来年1月中旬の深夜23時ごろ、2月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2021年12月中旬 深夜1時ごろの星空

ちょうど真南の空に、夜空の星の中で最も明るく輝く「おおいぬ座」のシリウスが目立っています。その右上(北西)に「オリオン座」のベテルギウス、左上(北東)に「こいぬ座」のプロキオンが見つけられれば、「冬の大三角」の完成です。3つの星の明るさや色の違いもわかるでしょうか。

冬の大三角の周りにも、色とりどりの明るい星々がたくさん見えます。地上にイルミネーションがあふれるこの時季、星空も鮮やかです。暖かい服装で見上げてみてください。関東地方より南では、南の地平線近くに「りゅうこつ座」の1等星カノープスも見つけられるかもしれません。東の空を駆け上っている「しし座」の姿も見ものです。

この空の様子は新年を迎えるころ、つまり2022年1月1日の0時とほぼ同じです。除夜の鐘を聞きながら夜空を見上げれば、こんな星々が見えるというわけです。2022年も美しい星空や天文現象に出会えること、安心して星空を楽しめる世の中となることを願いながら、よい新年をお迎えください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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