Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

2021年2月の星空

南の空に冬の大三角が大きく広がり、「オリオン座」「おおいぬ座」など見やすい星座が躍動しています。今年の干支と同じ「おうし座」も見ごろです。冷たくも澄み渡った空気の中、星空を見上げましょう。

星空写真

北軽井沢にて
西天に傾いた上弦の月の斜光に照らされた浅間山とおおいぬ座を組み合わせた作品です。月光由来でバックグラウンドがブルーに発色し、真冬の凛とした雰囲気が表現できました。

2020年2月1日 23時32分
ニコン Z 7+NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct(ISO800、露出3秒×8枚を合成、f/0.95)、レンズ用フィルター使用
撮影者:高岡 誠一

2月の星空

南の空

南の空

2021年2月1日ごろの22時、15日ごろの21時、28日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(20日)、満月(27日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2021年2月1日ごろの22時、15日ごろの21時、28日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。

天文カレンダー

3日(水) 立春(こよみの上で春の始まり)
5日(金) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
7日(日) 未明、月とアンタレスが並ぶ
12日(金) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
19日(金) 夕方~深夜、月と火星、プレアデス星団と並ぶ(「今月の星さがし」で解説)
20日(土) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
夕方~翌21日未明、月とアルデバランが接近
24日(水) 未明、月とポルックスが並ぶ
夕方~宵、月とポルックスが並ぶ
26日(金) 夕方~翌27日明け方、月とレグルスが接近
27日(土) 満月。次の満月は3月29日です

2月の惑星

水星

下旬から明け方の東南東の低空に見えます。

日の出30分前(東京で朝5時45分ごろ)の高度は8度前後で、水星としては見やすいほうですが、それでもかなり低空です。低いところまでよく見える空が開けた場所で、スマートフォンのアプリなどで位置の見当をつけましょう。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うとさらに見やすくなります。近くには木星と土星もあるので、一緒に探してみてください。

金星

太陽に近く、見えません。

5月中旬ごろから「宵の明星」として夕方の空に見えるようになります。

火星

「おひつじ座」にあり、月末に「おうし座」に移ります。日の入り1時間後(東京で夕方18時20分ごろ)に南西の空の高いところに見え、日付が変わる前後に沈みます。明るさは約0.7等級です。

昨年10月の地球最接近から4か月過ぎましたが、依然としてよく目立ち、明るい星が多い冬の夜空でも引けを取らない輝きぶりです。遠ざかったので小さくなり天体望遠鏡で詳しく観察するのは難しいですが、肉眼や双眼鏡ではまだ楽しめます。

19日に上弦の半月と並んで見えます。また、下旬ごろから「おうし座」のプレアデス星団と並んで見えるようになります。

木星

下旬から明け方の東南東の低空に見えます。

日の出30分前(東京で朝5時45分ごろ)の高度は5度前後ととても低く、観察はかなり難しいでしょう。低いところまでよく見える空が開けた場所で、スマートフォンのアプリなどで位置の見当をつけましょう。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うとさらに見やすくなります。近くには水星と土星もあるので、一緒に探してみてください。3つのうち一番明るく低いのが木星です。

低空にあるため、天体望遠鏡での拡大観察には向いていません。

土星

下旬から明け方の東南東の低空に見えます。

日の出30分前(東京で朝5時45分ごろ)の高度は8度前後とかなり低く、観察は難しいでしょう。低いところまでよく見える空が開けた場所で、スマートフォンのアプリなどで位置の見当をつけましょう。肉眼でも見えますが、双眼鏡を使うとさらに見やすくなります。近くには水星と木星もあるので、一緒に探してみてください。

低空にあるため、天体望遠鏡での拡大観察には向いていません。

今月の星さがし

一目見ると寿命が延びるという縁起の良い星「カノープス」を探してみましょう。見やすい惑星は火星だけですが、19日に半月と並ぶ光景が楽しめます。

長寿星カノープス

「冬のダイヤモンド」を形作る冬の1等星や火星など、明るくカラフルな星々が夜空を飾るころ、南の空の低いところにカノープスという名前の1等星も姿を現しています。「一目見ると寿命が延びる、縁起の良い星」という言い伝えがあり、七福神の一人「寿老人(福禄寿)」は、このカノープスの化身である「南極老人」が元になったとされています。

夜空に見える星としては「おおいぬ座」のシリウスに次いで2番目に明るい輝星ですが、地平線近くにあるため大気の影響で減光され暗くなってしまったり、建物に遮られたり街明かりに紛れてしまったりすることもあり、見つけるのはなかなか大変です。関東より北の地域では地平線より高くならないので、残念ながら見ることができません。一方で鹿児島や沖縄などでは高度が少し高くなるので、カノープスが少し見やすくなります。オーストラリアなどでは、ほぼ一晩中沈むことがないので一年中いつでも観察できます。

東京、鹿児島、那覇でのカノープスの見え方(真南に見えるころ)。2月中旬ごろはこれより約40分早く、2月下旬ごろは約1時間20分早く、同じような星空となる。本来は黄白色の明るい星だが、低空にあると大気の影響で赤っぽく暗く見える

カノープスを探すときには「おおいぬ座」や「冬の大三角」が目印になります。双眼鏡を使うと、大気の影響で暗くなったカノープスが見やすくなるでしょう。見つけにくい星ではありますが、チャンスがあればぜひ探し出して(見えない地域の場合には地平線の下を想像して)、カノープスに健康と長寿を願ってみましょう。

火星と半月の共演

「今月の惑星」でもご紹介のとおり、今月は見やすい惑星の大半が見かけ上太陽に近いため、あまりよく見えません。そんな中で火星だけは、深夜まで見ることができます。地球と最接近した昨秋ほどの明るさはないものの、よく目立っていて街中でもハッキリと見えます。

火星は中旬までは「おひつじ座」の領域にあり、下旬から「おうし座」の領域に入ります。この「おうし座」の1等星アルデバランも赤っぽい色で、明るさも火星と似ています。さらにその隣の「オリオン座」にも、同じような色と明るさに輝く1等星ベテルギウスがあります。南から西の空に赤い星が3つ並ぶ光景を楽しみましょう。

2月19日と28日の、21時の西の空の様子(場所の設定は東京)。囲み内は拡大イメージ(視野6度)、小さい円は月をさらに拡大したイメージ(70倍程度の天体望遠鏡、正立像)

19日には上弦の半月が火星と接近します。この日は赤と白の共演ですね。また月末ごろから来月上旬にかけて、火星は「おうし座」のプレアデス星団(すばる)と接近します。星団の星々は青っぽいので、こちらは赤と青の対比です。火星の赤をメインに、天体の色に注目して夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。

今月の星座

おおいぬ座、こいぬ座、いっかくじゅう座

2月中旬の夜21時ごろ、南の空に1等星3つで形作られる「冬の大三角」が見えます。3つの星のうち一番下(南)にあるのが「おおいぬ座」のシリウス、左(東)にあるのが「こいぬ座」のプロキオンです。

「おおいぬ座」はシリウスを犬の顔(鼻や口)と見て、周囲の星々をつなぐと何となく犬の姿に見えてきます。後ろ足から尻尾のあたりに2等星が小さく三角形に並んでいるのも目印になるでしょう。一方の「こいぬ座」の主な星は、プロキオンのほかには3等星のゴメイサしかなく、この2つの星から犬の姿を思い浮かべるのは想像力と思い切りが必要です。「犬の姿に見えたから『こいぬ座』にした」というよりは、「『おおいぬ座』やシリウスと、ペアになるように星座を見出した」と考えるほうが自然でしょう。

「おおいぬ座」「こいぬ座」「いっかくじゅう座」(星雲の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

そしてもう一つ、ちょうど冬の大三角の中に位置するのが「いっかくじゅう座」です。漢字では「一角獣」と書きます。額に角の生えた馬という想像上の生物で、英語の「ユニコーン」のほうがわかりやすいかもしれません。「いっかくじゅう座」は最も明るい星が4等級なので、街中で見つけることは困難です。冬の大三角の中に隠れている様子を想像してみましょう。

シリウスとプロキオン

シリウスの明るさはマイナス1.4等級で、夜空に見える恒星の中では一番明るい天体です。星そのものが高温で強いエネルギーを放射していることに加えて、太陽系から8.6光年と近距離(太陽系から5番目に近い恒星系)にあることが、明るく見える理由です。「焼き焦がすもの」という意味の言葉に由来する名前です。

プロキオンのほうは0.4等級で8番目に明るく、距離11.4光年は14番目に近い恒星系です。「犬の先駆け」という意味の言葉に由来する名前で、シリウスよりも先に昇ってくる様子から名付けられたものです。ただし、プロキオンがシリウスよりも先に昇ってくる条件は時代や場所(緯度)によって異なり、たとえば現在の東京ではプロキオンのほうが10分ほど早く昇ってきますが、沖縄では反対にシリウスのほうが10分ほど早くなります。

日本ではシリウスを「青星」、プロキオンを「白星、色白」などと呼んでいて、やはりペアの星として見ていたことがうかがえます。

散開星団M41

シリウスの下(南)にM41(Mはカタログの符号)という番号が付けられた散開星団(星の集団)があります。位置がわかりやすく見つけやすいので、ぜひ観察してみましょう。空の条件が良ければ肉眼でも存在がわかり、双眼鏡や天体望遠鏡を使うと星の色や並び方まで見えてさらに楽しめます。

三重星いっかくじゅう座β、ばら星雲

星座としては目立たない「いっかくじゅう座」ですが、天体望遠鏡での見ものや写真撮影の好対象がいくつかあります。

まず天体望遠鏡では、ユニコーンの前足あたりに位置する星「いっかくじゅう座β(ベータ)」が見ものです。肉眼では1つの星ですが、天体望遠鏡では明るさも白っぽい色もよく似ている3つの星が集まった美しい三重星であることがわかります。

また、ユニコーンの鼻先あたりには「ばら星雲」の愛称で知られる美しい星雲(ガスや塵が光っている天体)があります。淡いため天体望遠鏡でもほとんど見えませんが、写真では愛称のとおり大輪のばらの花のような星雲の姿をとらえることができます。図鑑やインターネットの画像検索などで、宇宙のばらを鑑賞してみてください。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は2月中旬の深夜1時ごろの星空です。3月中旬の深夜23時ごろ、4月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(月が見えることもあります)。

2021年2月中旬 深夜1時ごろの星空

冬の星座が西の空に傾き、明るい星々のうち「オリオン座」のリゲルは一足先に沈んでしまいました。「おおいぬ座」は南西の大地にしっかりと足を下ろし、その後を「こいぬ座」が元気よく追いかけています。

西の空に移った2匹の犬に代わって南の空の高いところに見えるのは「しし座」です。その尻尾から南東の空に「春の大三角」が大きく広がっています。「冬の大三角」の星々と色や明るさ、三角形の大きさ比べをしてみましょう。北の空の高いところには「北斗七星」も昇っています。

深夜はとても冷えるので、寒さ対策は念入りに。見える星々の変化から季節が移っていくことを感じながら、春の訪れを待ちましょう。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

星空観察のワンポイントアドバイス

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員