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vol.1 Bill Frakes ビル・フレイクス

「私の映像スイッチには、オンの状態しか存在しない」

フォトジャーナリズム/スポーツ(U.S.A.)

米国フロリダを拠点に活動するスポーツイラストレイテッドの専属フォトグラファー、Bill Frakesは、世界で最も影響力のあるフォトジャーナリストの一人。映像作家としても、ミュージックビデオやTVコマーシャルを手がける。これまでエディトリアルや広告関連の撮影でたずさわった分野は幅広く、作品は世界のあらゆる主要紙誌に掲載されてきた。広告関係のクライアントには、ナイキ、コカコーラ、Champion、Isleworth, Stryker, IBM, Kodak, Reebok、ニコン等がある。マイアミヘラルド紙のスタッフとして受賞したピューリツアー賞、ワールドプレスフォト金賞等、国内外での受賞多数。訪れた国は125以上。まさに世界中を駆け回っている。

D3Sの衝撃

「D3Sのパワー、それは低輝度での驚異的な性能、そして、シネライクな仕上がりの動画と優れた録音機能」。Frakesが使う豊富なニコン機材にD3S が加わってから、ISO 3200やISO 6400で撮影する頻度が増え、時にはISO 102400まで上げることで、以前は不可能だった極めて低光量な環境での撮影も可能になったと言う。ビデオ撮影の機会も増えた。「現在私の手がけるほとんどの仕事はマルチメディアに関連するものとなりつつあります。D3Sによって、様々な視聴媒体に向けたストーリーを発信できるようになり、また、読者が本当に知りたいと感じていることにより良く応えるために時間を有効に使えるようになりました」。

映像ストーリーテラーにとってのDムービー

映像ポートレートからミュージックビデオ、ドキュメンタリー、そしてスポーツと、Bill Frakesが手掛けるマルチメディアの仕事は多岐にわたる。「今や文字通り、映像が発する"声"を記録できます」。彼は最新のDムービーの能力を、マルチメディア制作にフルに活用し、ストーリーテラーとしてのより充実した活動を行う。もちろん、静止画=写真がFrakesの情熱の最大の対象であることは変わらない。彼は続ける。「マルチメディアを探求するために、ドリー、モーション、ジブ、スライドなどの手法や技術を、私は新たに学ぶ必要がありました。」動画機能を備えたカメラをいくつも試したFrakesにとって、ニコンのDムービーは称賛に値するものだった。「画素や撮像素子にも数値に現れない優劣があるように、ニコンの動画ファイルは720pでも、市場に出回る1080pのファイル同等の性能、もしくは、特に低光量下では、それ以上の性能を発揮します」。
さらに重要な点として、FrakesはDムービーの優れた操作性を挙げる。「ボタン一つ押すだけで、静止画から動画に、動画から静止画にスムーズに切り替えられる。精神的に機転を効かせることさえできれば、数年前には不可能だったことを同時に行える。同じカメラ、同じ手の位置、同じ思考プロセスで、静止画撮影と動画撮影の全てを達成できるのです。速度と品質が同時に求められる現在、カメラは撮影者の頭脳、精神、身体と一体となって機能しなければなりません。動画ファイルは後処理なしのオリジナルの状態で素晴らしくあるべきで、そうあれば後処理の時間短縮になるのです」。D3Sは、Frakesの仕事の仕方さえ変えたのである。

信頼性の意味

「私にとって信頼性とは、ボタンを押すとシャッターが作動し、撮影したものが正しく撮れているということです」。わずか数日の休暇を除いて、Frakes は年中休みなく仕事を続ける。彼には、そのハードワークに見合う撮影機材が必要となる。そしてニコンカメラは、常に彼の期待に応える。
FrakesのNIKKORレンズに対する思い入れは強い。「NIKKORレンズはいつも、非常にシャープで、美しい解像感と透明感のある画像が得られます。特に逆光時の撮影では、NIKKORに勝るものを知りません。ナノクリスタルコートも素晴らしい。NIKKORレンズが優秀だから、長年ニコンを使い続けてきたのです」。最新のニコンデジタル一眼レフに、40年以上前の50mm f/1.2を付けて撮影したこともあると言う。「その写真がスポーツイラストレイテッドの見開き2ページを占めました。ニコンが新しいカメラを作っても、私が使ってきたどのレンズも変わりなく使える。ニコンFマウントのおかげで、NIKKORレンズは我々との約束を守り続けてくれます」。

プロ組織として希有な存在であるNPS

「私とNPSとは、これ以上ないほど良好な関係を続けています」。Frakesがニコンを使い続けるもう一つの理由がニコンプロフェッショナルサービスの存在である。「NPSは最良のサポートを提供してくれます。私が疲労の極致にあるときや、孤立した状況にあるとき、アドバイスで私を救ってくれます。また、物事がうまく運ばないとき、どのような状況でも手を差し伸べてくれます。カメラメーカーが運営するプロ支援組織では、NPSを凌ぐものは思い浮かびません」。
Frakesにとっては、組織としてのNPSだけでなく、個々のスタッフも他の組織との違いを際立たせるものとなっている。「NPSスタッフは決められた事を機械的にやるのではなく、一人ひとりが本物のプロフェッショナルとして考え行動しています。一人ひとりが優れたフォトグラファーでもある。私が何を求めているかを完全に理解してくれます。NPSのスタッフが私に敬意を払ってくれる。だから私も彼らに敬意を払う。彼らはこれが私の仕事であり、私の人生であることを理解しているのです」。

私の映像スイッチには、オンの状態しか存在しない

Bill Frakesは自らをストーリーテラーと考える。「撮影の対象は、スポーツ、ニュース、特集、ポートレートなど様々ですが、私が試みるのは常に人間の姿を描き出すことです。写真は普遍的な言語であり、誰が観ても、写真を通して私が何を言いたいかを理解できます。私は、自分が感じることを誰かに伝えたい」。 Frakesが最も雄弁になるのは、写真の力を使って語るとき。「私の映像スイッチには、オンの状態しか存在しない。常に目撃し、ストーリーを語る。それが私の望みです」。

ギャラリー

マルチメディア作品「All Over Down Under」用にD3Sで撮影
マルチメディア作品「Missy」用にD3Sで撮影
ミュージックビデオ作品「Backyard Babies」用にD3Sで撮影

カメラバッグの中身

Frakesは貪欲に機材を収集する。「所有するカメラは、D3を24台、D3Sを6台、 D700とD300Sを一台ずつ、そして数台のD300。さらに80本を超えるNIKKORレンズ」。お気に入りの14-24mm f/2.8、200mm f/2、400mm f/2.8、600mm f/4、クラシックな50mm f/1.2に、昨年3本のPC-Eレンズが加わった。それらは、絶妙な遠近感のコントロールを可能にするだけでなく、ポートレートや風景写真にも、面白い味わいを出す。新たな24mm f/1.4と85mm f/1.4も強い印象をFrakesに与えている。「この2本のレンズはフォトジャーナリストにとっては夢だったもので、これからは、持たずに仕事に行くことは考えられません」。

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