このバックナンバーでは、「今月の一枚」で掲載した写真作品を紹介しています。作品毎に、撮影時の状況や撮影のヒントについても紹介しています。 日本の美しい風景をどうぞお楽しみください。
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雨の時期ですから、草や木々はみずみずしく生気にあふれています。そんな中にじっと隠れるように、草の間の昆虫や魚を狙っているサギを、400mmの望遠レンズで狙ってみました。向いている先の左側をやや広めにしてバランスを考えていたときに、ちょうど嘴を開けてくれました。動きのある瞬間を写し取った満足感がありました。この時は明るめの草色を表現するために、+0.7の露出補正をしています。(東京都・水元公園にて)※ 2019年以前に撮影
5月の空に元気よく泳ぐ鯉のぼりの姿は、見ているだけでも気持ちのいいものです。この鯉のぼりの形を考えられた、先人のアイデアのすばらしさにも感心させられます。望遠レンズのボケ効果を生かしつつ、手前にピンクのポピーの花をボカして、華やかさや楽しさや奥行き感なども、同時に表現してみました。今回のように被写界深度の効果を生かすには、やはりAモード(絞り優先モード)での撮影が有効です。(神奈川県・久里浜にて)※ 2019年以前に撮影
ネモフィラというと、茨城の国営ひたち海浜公園の大群落が有名ですが、こちらは立川の国営昭和記念公園の丘に、こじんまりと咲いていたものです。快晴の青空が乗り移ったような深みのある青を、露出補正をややプラスにして表現し、超広角レンズの「遠近感を誇張する」という効果を利用して撮影してみました。背景に小さく入れた2人の女性は偶然ではなく、大きさの対比で意図的に配置しています。(東京都・国営昭和記念公園にて)※ 2019年以前に撮影
梅の花から桜の花へと季節は移り、何となくウキウキするような時期です。寒さと雪に耐えていたクリスマスローズは、下を向いていましたが、暖かい春と、ほっとした風と光を存分に楽しんでいるように感じました。カメラは低い位置から見上げるようにしての、やや窮屈な撮影です。逆光気味の条件ですから露出を、+1.3とし、花の色が出るように注意しています。(東京都・神代植物園にて)※ 2019年以前に撮影
太陽の高さが低い、朝の早い時間の撮影だと、木々の影が雪を被った湖面に長く伸びてくれますので、18mmの広角レンズの「遠近感の誇張」という特長を生かして撮影してみました。また青みを強調するために、ホワイトバランスは「蛍光灯」の設定です。同時にパンフォーカスを狙いましたので、F16まで絞って、被写界深度を深くして撮影しています。(北海道・屈斜路湖にて)※ 2019年以前に撮影
この寒い時期、渓流の日陰にはツララが急激に大きくなってきます。流れとのコンビネーションを考えながら、迫力があって形の良さそうなところを望遠レンズで切り取ってみました。水とツララの質感と冷たさが伝わるように、WB(ホワイトバランス)を4760K(ケルビン)にして青みを増し、シャープなピントを得るために、絞りを絞っています。(北海道・ウトロにて)※ 2019年以前に撮影
少しずつ冬の足音が聞こえてきそうな12月です。朝夕の冷えた空気の中に、黄金色に色付いたイチョウの葉は、何か秋の最後のステージを締めくくるかのように、鮮やかで豪華な印象です。下から見上げる逆光ですから、やはり+1.3の露出補正をして、幹のバランスの良さそうなところを切り取ってみました。(東京都・新宿御苑にて)※ 2019年以前に撮影
一面のコスモスの畑は、秋の到来を感じさせてくれます。青空にマッチする花ですが、今回はカメラを下向きにして、花だけを狙っています。ただ万遍なく光の当たっているところでなくあえて日陰にあって、夕方のわずかな光の中の一輪に、ポイントを当てての撮影です。露出補正と絞りの値に気をつけています。(東京都・昭和記念公園にて)※ 2019年以前に撮影
近頃、人気急上昇中の高尾山での紅葉です。この微妙な色合いの変化は、とても人間の手では作れそうもなく、自然の妙を感じました。曇りではっきりしない天候でしたので、思い切って露出をオーバーにして、空を飛ばして葉の色を出してみました。細い枝ぶりのバランスにも注意します。(東京都・高尾山にて)※ 2019年以前に撮影
望遠レンズの特長のひとつに、遠くの物と近くの物が近づく「圧縮の効果」というのがあります。どこまでも続く青い山並みを撮影すると、この効果が表現できました。乗鞍高原の中腹から見た、早朝の静かな様子は、わずかな霧とあいまって、何か山水画を見ているような感じでした。(長野県・乗鞍高原にて)※ 2019年以前に撮影
緑陰の林間に、ひっそりと咲くナツズイセンの花です。姿はキスゲに似ていますが、薄いピンクの色合いからは、何となく上品で可憐な印象を受けました。林の木漏れ日を入れたくて、出来るだけ低い位置から、見上げるような構図を選び、露出をオーバーにして、花の色を出しています。(東京都・昭和記念公園にて)※ 2019年以前に撮影
盛夏の花として思い浮かぶのは、このハスの花ではないでしょうか。強い光と猛烈な暑さの中で、上へ上へと伸びていく、パワーはどこから来るのでしょうか。三渓園で、有名な三重の塔と花のバランスを考えながら撮影しました。空や花や葉の反射を抑えるために、円偏光フィルターを使用しています。(神奈川県・三渓園にて)※ 2019年以前に撮影