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Japan
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<ニコンサロン>
橋本 貴雄
風をこぐ To Row the Wind

会期

2022年7月26日(火)~2022年8月8日(月) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

フウは2005年に福岡の路上で轢かれていたところを保護した。事故により後ろ脚は動かなくなっていたので手術を受け、リハビリをかさねたが普通の犬のように歩くことはできなかった。それでも、バタバタとうねるように走り、時々尻もちをつきながら自分で立って歩けるまでに回復した。写真を始めたのはその頃だった。フウを撮っているとき、その写真で作品作りをするつもりはなかった。ただ、目の前のことにいつもはじめての様に反応し動く姿に視線が向いて、それにつられてシャッターを切っていた。
フウには過去の後悔や未来への不安もなく、全身で現在のなかに生きていた。そんな姿を羨ましく見ていた。福岡、それから大阪、東京、ベルリンと12年間、私はフウの側にいて、ただ見つめていたように写真が残った。すでに刊行した写真集『風をこぐ』で起こった不在の表象化、その純度をどこまで展示空間で表せるのかを本展示で確かめたい。

(橋本貴雄)

プロフィール

橋本 貴雄(ハシモト タカオ)

1980年 熊本県生まれ。
2021 年 9 月『風をこぐ』をモクシュラ社より刊行。
2021 年度 キヤノン写真新世紀佳作 ( 椹木野衣氏選 )
主な展示に、2011 年「Abjet」nitehi works / 横浜、2015 年 Gallerie Emma T / ベルリン、 2020年
「風をこぐ」冷泉荘 / 福岡 、2012 年グループ展「Unsichtbar」Kunstverein Wolfsburg / ヴォルフスブルグ、などがある。

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