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<ニッコールクラブ会員展>
神内 信夫
そろばん群像(そろばん製作者達とその町)

会期

2022年7月14日(木)~2022年7月27日(水) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

古くから「読み・書き・そろばん」は日本の教育・社会活動の基本となっています。
私が生まれ育った兵庫県小野市は「そろばんの町」として有名で、全国シェア70%を誇っており、小野市とその周辺で製造される「播州そろばん」は昭和51年に通産省(現経済産業省)の「伝統的工芸品」に指定され、高度な技術を有する伝統工芸士や製造者(職人さん)たちが高品質のそろばんを手作りされています。
しかし、最盛期は350万丁生産されていたそろばんも、電卓の普及やコンピュータ化、OA化の進展により、需要が減少し、近年では年間15万丁程度までになってきています。需要の減少に伴い、また、高齢化の進展などでそろばん製造に携わる人も激減しています。
そうした状況はある程度は知っていたものの、ある日「そろばん職人が十数人になっている」と聞き、写真を趣味としている者の一人として“今、撮っておかないともう撮れないのではないか”と考え2017年から撮影を始めました。
撮り進めているうちにより深刻な状況であることを知ることになりました。
そろばん作りは「珠製造」「ひご製造」「枠・中桟製造」「組立」とその工程は多岐にわたりますが、とりわけ、「珠製造」「珠仕上げ」「ひご製造」の製造者はたった2名にまでになっていました。今ではそうした状況がもっと進んでおり、撮影開始当初10名おられた組立職人は7名、珠仕上げ職人はわずか1名になっています。

一方で、そろばん製造の技術と知識を生かした様々な取り組みがなされるようになってきており、若い方たちも生まれてきており、そろばんの未来に一条の光が差してきています。
撮影に当たっては製造者さんたちの働いている姿、ポートレートと工場内の様子(機械類・行程)などを記録することを念頭に行いました。また、合わせて「そろばんの町小野」の様子なども入れています。

そろばん職人さんの撮影は2017年からはじめましたが、途中、身体的なことやコロナ禍などで撮影ができなくなり全員を撮ってはいませんが、今後とも追い続けたいテーマです。

(神内信夫)

プロフィール

神内 信夫(ジンナイ ノブオ)

1950年 兵庫県小野市生まれ。
1965年 天体観測に夢中になり天体写真を始め、フィルム現像・引き伸ばしなどの基礎的知識を得る。
1995年 神戸市勤務中に阪神大震災に遭遇、震災を契機に写真の重要性を再認識
1997年 フォトクラブ西神に入会 フリーカメラマン藤本真二先生に師事
1999年 神戸光影会に入会 二科会会員 緒方しげを先生に師事
2004年 デジグラフィーKOBEに入会 二科会会員 柳原香先生に師事
2011年 兵庫県写真作家協会会員
2015年 個展「冬木立」開催
2015年 兵庫県写真作家協会委員
2016年 おおべ写真クラブ結成

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