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新宿ニコンサロン 2016年6月

東京写真月間2016
公益社団法人 日本写真協会

写真
アジアの写真家たち2016 モンゴル
5/31 (火) ~6/13 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

本展では、モンゴルの17名の写真家による写真展を開催する「東京写真月間2016」の国際企画展の中から、Otgonjargal.Sh(1975年生)、Nyamgerel Baljinnyam(1983年生) 、Temuulen B(1989年生)、Bilguun Narmandakh(1992年生)の4名の作品を展示する。
モンゴルは日本人にとって非常に馴染みの深い国である。歴史的には「元」王朝として1200年代中頃から13世紀後半まで中国で栄えた大国であり、1274年と1281年の2回の元寇(蒙古襲来)の戦いは日本人の誰もが熟知している。また現在は横綱白鵬をはじめ、大相撲で活躍する多くのモンゴル出身の力士について知らない日本人はいない。
国土は中国の支配下にある内モンゴル自治区とロシアに接し、バランスのとれた外交関係を展開しながら新たな友好国構築に積極的である。国土の多くはモンゴル高原にある草原を抱えた内陸国であるが、北部には広大に拡がる山麓、山岳地帯の存在はあまり知られていない。国土面積は156平方㎞と日本の約4倍で、人口は300万人である。首都は人口136万人のウランバートルで、政治、経済の中心となっている。言語はモンゴル語が公用語でほかにカザフ語が使われ、宗教はチベット仏教が主流である。産業は石炭や銅の地下資源が豊富で、広大な草原で盛んに行われる牧畜業は農業の中心である。経済は軽工業が中心であるが、経済成長率は7.8%を維持している。
「アジアの写真家たち2016 モンゴル」では、写真家たちが様々な視点からモンゴルの自然の景観や祭事、宗教儀式に代表される文化風俗、厳しい生活環境に耐えて暮らす同国の人々の様子を捉えている。その写真の数々は、我々日本人があまり目にすることがないモンゴルの新たな発見と感激を与えてくれるものと期待している。
モノクロ・カラー計 約40 点。

第22回酒田市土門拳文化賞受賞作品展
芦田 英次写真展

写真
『野生魂』最後の記録
6/14 (火) ~6/27 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

写真

エチオピア南部奥地、高度2,000メートル超の深い森の中に、古代から野生のままで、独自の風習を貫き、原始生活を続ける少数民族がいる。
2009年、彼らの生きざまをルポルタージュしようと作者は奥地に入った。
初めて取材して作者は驚いた。強固な肉体と、他人を全く寄せ付けないアイデンティティを持ち続けて、現代まで孤高のままで生きて来ていた。「モノ」は全く持たず、自然に溶け込んで強い生命力を維持していた。
「モノに溢れ」便利さだけにすがって生きている現代人のひ弱さに強い違和感を持ち、大いに感動した。そして5年間、作者は取材を続けた。
ところが、11年頃から様相が一変した。
アフリカ縦断道路が貫通し、同時に電気が入った。文明開化が急激に進み、生活革命が起こった。全く想定外の周囲の変化の中で、これまでの野生の生きざまの記録は、今や社会進化の貴重な証拠であり、記録となったと作者は思っている。
本展では、作品を、Ⅰ)決斗儀礼(ドゥンガ祭)、Ⅱ)牛との共生、Ⅲ)ウーマンパワー、Ⅳ)文明化の大波の4章に再編集してまとめている。
カラー30点。

選考委員講評

東アフリカ・エチオピア南部奥地に住み、自然との共生を続ける少数民族の記録写真。
芦田さんの組写真には一枚としてブレがない。歴史性、社会性、ドラマ性といい精神性の高さに優れている。「決斗儀礼(ドゥンガ祭)」「牛との共生」「ウーマンパワー」「文明化の大波」の4章に30枚の組写真を分類し、組写真でしか表現できない効果を知り尽くしている。モチーフの捉え方とその表現には、生きた社会的な憤り、写真を撮る精神が伝わってくる。
写真とは何か?「記録であり、リアリズム写真である」という師・土門拳の精神を引き継いでいる。五年間の臨場感ある写真を15ミリから80ミリのズームレンズ一本だけで作り上げているのも驚きである。
これらの写真群は現代文明人へのアンチテーゼに他ならない。 (藤森 武)

作者のプロフィール

写真

芦田 英次(アシダ エイジ)
1934年京都府京都市生まれ。56年立命館大学経済学部卒業。在学中は写真部に所属し、関西学生写真連盟で活躍。1957年に写真を中断し、99年から写真活動を再開。
写真展(個展)に、2001年「芦田英次入選作品展」(京都)、03年「旧市街三都物語」(京都、名古屋)、05年「ベルベルと言われる人々」(大阪、京都)、06年「変身劇場・ベネチア仮面祭」(大阪、京都)、07年「海の住人、森の住人」(大阪、京都)、12年「野生魂」(東京、京都)がある。
受賞歴に、57年「アサヒカメラ」誌(色彩写真賞次点)、二科展(11年会友推挙、入賞2回、入選6回、関西二科賞、会友努力賞)、JPS展(入選6回)、JPA展(入賞2回、入選2回)、APA公募展(入選2回)、国際写真サロン(入選3回)、ニッコールフォトコンテスト(特選1回、準特選1回、入選2回)、その他コンテスト入賞、入選多数。
立命館大学写真部OB会に所属し同会会長を務める。そのほか、二科会写真部会友、京都丹平クラブに所属。

土門拳文化賞奨励賞

第22回土門拳文化賞奨励賞は下記の方々が受賞されました。

和田 マサ子(ワダ マサコ) 「声がきこえる」
齋藤 和男(サイトウ カズオ) 「老老の記」
海老名 和雄(エビナ カズオ) 「産土(うぶすな)と震災」

juna21 森田 剛史写真展

写真
続 きのくに
6/28 (火) ~7/4 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

前回の展示を終え、僕は三人の写真行為が変わっていってしまう、もしかしたらこれで『良い思い出ができた』と終わってしまうかもしれないという不安がありました。
そんな僕の心配は本当にくだらないことで、展示をみた祖父と祖母は「こんなんやったらわたしらも撮ってみたいなぁ」と言いました。
なんて元気なじじいとばばあと思いながら僕は急いでカメラを用意。
じいにはニコンのF3、ばあにはペンタックスの67を渡しました。
三人で旅に出て撮影をするという僕たちのやり方に変わりはないですが、被写体、撮影者、アシスタントという境界が今はありません。
“祖父の肖像と祖父の選んだ土地を写し、和歌山という土地を繋いでいきたい”という思いはまだ見る人に伝わる形ではできていないかもしれません。
それでも撮影から発表というひとつの決着を終え、なお続いているこの写真行為の中間を僕はとても愛しく思っています。
この展示をもって三人の関係にまた一つ楔を打ち、次の展開が始まる。
そんなことを考えて、もういちど写真をおきたいと思います。 (森田剛史)

作者のプロフィール

森田 剛史(モリタ タケシ)
1990年生まれ。和歌山県和歌山市出身。2013年東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。
写真展に、13年「平成24年度東京ビジュアルアーツ写真学科卒業制作優秀作品展」(ニコンサロンbis新宿)、「肖像Ⅰ/planar」(J3gallery) 、14年「キノクニ」(Juna21新宿ニコンサロン、Juna21大阪ニコンサロン)がある。

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