Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2016年5月

第35回土門拳賞受賞作品展
山内 道雄写真展

写真
DHAKA
4/27 (水) ~5/10 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

ダッカへは2013年の5月5日から7月28日までと、2015年の4月22日から7月19日までの2回の渡航で、合わせて半年近く作者は滞在した。バングラデシュの首都・ダッカの人口は約1,500万人である。経済の中心であるモティジール地区と下町風のオールドダッカの間に位置するグリスタン地区に拠点となる宿をとって、作者は人混みの中を歩いた。
ダッカは気さくでその人らしさをまる出しで生活している人が多い印象を受けた。そんな人や街を受け止める気持ちで作者は写した。今回の写真展は、人の息づかいや街の喧噪、光、雨期の湿気、作者の視線などが感じられる、そのときのダッカの生々しい記録となることを作者は目指した。
外輪船や馬車、無数の小さな渡し舟などオールドダッカに広がる昔ながらの街並みは、このままでは長くは存続できないだろうと作者は感じる。世界遺産としてなんとか残せないものか、などと思っている。
カラー79点・モノクロ28点。

受賞理由

写真

「DHAKA」は、約1,500万人が暮らすバングラデシュの首都・ダッカの下町、市場などの雑踏をエネルギッシュに歩き、そこで出会った人々がつかの間に見せた表情のスナップショットの集大成である。カラーとモノクロで写し撮られたダッカの人々は、裸のままの人間らしい活気にあふれ、見る者は人と人が交錯する息づかいに引き込まれる。  
なお、最終選考には、山内氏の作品の他に、画一化されていない昔ながらに続く地方の個人商店を丹念にとらえた池本喜巳氏の「近世店屋考」、地球と人間の営みをグローバルに問い続け、開発や自然災害、都市の崩壊と創造を追い続けた広川泰士氏の「BABEL」、フィリピンに取り残された日系人を訪ね歩き、薄れゆく戦争の記憶に警鐘を鳴らした船尾修氏の「フィリピン残留日本人」の3作品が残った。

作者のプロフィール

写真

山内 道雄(ヤマウチ ミチオ)
1950年愛知県生まれ。早稲田大学、東京写真専門学校(現東京ビジュアルアーツ)卒業。82年フリーランスとして、自主ギャラリーを中心に写真発表を始める。
主な写真集に、『街』(蒼穹舎)、『人へ』(私家版)、『上海』(私家版)、『HONG KONG』(蒼穹舎)、『野良猫』(mole)、『TOKYO、東京』(ワイズ出版)、『Calcutta』(蒼穹舎)、『HOLIDAY』(YK出版)、『TOKYO UP CLOSE』(ラットホールギャラリー)、『東京2005-2007』(蒼穹舎)、『基隆』(グラフィカ編集室)、『人へⅡ』(蒼穹舎)、『DHAKA』(東京キララ社)、『香港1995-1997』(shashasha)、『DHAKA2』(禅フォトギャラリー)がある。受賞歴に、97年伊奈信男賞、2011年林忠彦賞がある。

小島 康敬写真展

写真
Tokyo
5/11 (水) ~5/24 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

作者が発表している都市三部作の中の一都市、東京。
2008年から13年までの6年間、拠点にしていたアメリカ、NYと家族のいる日本を行ったり来たりしながら作者は撮影を続けた。
通常2週間ほどで消えてなくなる長らく離れていた地元に帰った時に感じる視覚的な新鮮さを6年間維持し、当たり前に存在していたむきだしの非常階段や電柱、電線、ビルに囲まれて建つ小さな家、秩序なく重なりあうビル群を目新しく思った作者は、狂ったように変わり続ける東京のはかない一瞬一瞬を記録した。
2015年11月に出版された写真集『Tokyo』(蒼穹舎)からカラー写真を展示する。
カラー14点。

作者のプロフィール

小島 康敬(コジマ ヤスタカ)
1977年東京都生まれ。2007年ICP(The International Center of Photography)の General Studies Programを卒業(NY)。同年ICP Director's Fund Scholarship Awardを受賞し奨学金を得る。11年新進芸術家海外研修制度(文化庁)の研修員としてNYに滞在。15年から16年レジデントアーティストとしてKÜNSTLERHAUS BETHANIEN(ドイツ)に滞在。
写真展に、13年「Coming back」(銀座ニコンサロン)、同年同展(Gallery 916 small)、16年「Tokyo | Berlin」(KÜNSTLERHAUS BETHANIEN/ドイツ)がある。
写真集に、13年『Coming back』(スーパーラボ)、14年『NEW YORK』(蒼穹舎)、15年『Tokyo』(蒼穹舎)がある。
website http://www.yasutakakojima.com

小林 紀晴写真展

写真
伝来/消滅
5/25 (水) ~6/7 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

写真

本展では、古代からの宗教の伝来を切り口とした、風景や建築を主とした作品を展示する。撮影地はインドやタイ、インドネシア、香港、東ティモールなどである。
インドで生まれた仏教は5世紀頃から衰退し、その後イスラムの攻撃を受けて壊滅。イスラム王朝は中世に繁栄したが、消滅した。タイは13世紀から上座部仏教の勢力が強まり、その後ミャンマーとの戦いで寺院が多く破壊された。バリ島では土着の信仰とヒンドゥー教が結びつき、爛熟。東ティモールは国民のほぼすべてがキリスト教徒で、インドネシアからの独立の要因のひとつとなった。
伝来の痕跡や破壊、消滅して人の記憶から消え去っていったもの、あるいは共存していくさまに、人間の欲望や願い、意思といったものを作者は感じた。作者はできるだけそれらの正面に立ち、遠い過去の声に耳を傾けた。たとえ破壊されたものであっても、どういうわけか安らぎを覚えもした。
現在もなお、宗教が対立や紛争、テロなど数々の問題を引き起こす因になっていることは否定できない。だからこそ、残された遠いかたちを通し、連綿と続く人間の姿に目を向けたいと作者は思う。
カラー約60点。

作者のプロフィール

小林 紀晴(コバヤシ キセイ)
1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真科卒業。新聞社に勤務後、アジアを旅し作品を制作する。2000年から02年に渡米。東京工芸大学芸術学部写真学科教授。ニッコールクラブ顧問。
写真集・著書に、『ASIAN JAPANESE』(新潮社)、『homeland』(NTT出版)、『days new york』(平凡社)、『写真学生』(集英社)、『はなはねに』(情報センター出版局)、『昨日みたバスに乗って』(講談社)、『写真と生活』(リブロアルテ)、『メモワール』(集英社)、『kemonomichi』(冬青社)などがある。
受賞歴に、『DAYS ASIA』で日本写真協会賞新人賞、写真展「遠くから来た舟」で第22回林忠彦賞がある。

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