Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

新宿ニコンサロン 2015年5月

山崎 弘義写真展

写真
DIARY ―母と庭の肖像―
4/28 (火) ~5/4 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

「今日の母は無表情だった。庭に出てみるとムラサキハナナが一気に咲き始めている。日々の移ろいを感じる瞬間だ。」
認知症の母と庭をほぼ毎日、日記的に撮影した作品である。撮影期間は2001年9月4日から母が亡くなった2004年10月26日までの3年間で、撮影枚数は3,600枚を超えた。
作者の母は、1999年頃から物忘れがひどくなり、徘徊や情緒不安などの問題行動が増えて、一人っ子の作者が母の介護をすることになった。幸い昼間はヘルパーさんに看てもらい、夜と週末は作者と作者の妻が介護した。
母の状態は時として穏やかな笑顔を見せたり、あるいは問題行動を起こしたりで、いつしか作者の名前も忘れがちになったが、そんな母が見せた表情が写真の中にある。
作者は、母を介護するようになってから、不思議と植物たちの息吹が気になるようになった。母を撮影した後に庭の一角を撮影することによって、死に向かう母と四季折々の表情を見せる植物たちの、命の二つの有様を定点観測して浮かび上がらせようとしている。カラー30点。

作者のプロフィール

山崎 弘義(ヤマザキ ヒロヨシ)
1956年埼玉県生まれ。80年慶応義塾大学文学部哲学科卒。86年フォトセッション’86に参加し、森山大道氏に師事。87年東京写真専門学校報道写真科Ⅱ部卒業。現在、日本写真芸術専門学校非常勤講師。
主な写真展に、90年「路上の匂い」(ミノルタフォトスペース)、92年「はざまの表情」(オリンパスホール)、94年「クロスロード」(コニカギャラリー)、96年「ウォーク・オン・ザ・サニーサイド」(ドイフォトプラザ)、2014年「Outskirts」(Totem Pole Photo Gallery)などがあり、15年『DIARY―母と庭の肖像―』(大隅書店)を出版。

布施 直樹写真展

写真
鑑(かがみ)と灯し火
5/5 (火) ~5/18 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

この写真は解体ではなく構築です。
コンセプトではなく自然な結果。
写真のデパートで作品という名のお気に入りの洋服を選ぶ感覚ではなく、感情、肉体。
ひとの分身であり、また、精神です。
写真の紙の編集でなく、写真の声を、人との対話の連続、声の総体です。
芸術や表現でなく、孤独です。
スポットライトの当てられた花ではなく、泥の中の蓮です。
権力と政治に迎合する思考ではなく、心です。 (布施直樹)

カラー約60点・モノクロ約10点。

作者のプロフィール

布施 直樹(フセ ナオキ)
2006年頃写真を始める。08年「アサヒカメラ」に作品が掲載される。09年木村伊兵衛賞にノミネート。10年「アサヒカメラ」に作品掲載。10~12年活動を休止。13年「アサヒカメラ」に作品掲載。14年京都グラフィー出展。フランスフォトフィーバー出展。15年ZEN FOTO ギャラリーより写真集「鑑と灯し火」出版予定。

juna21 山内 亮二写真展

写真
Musing in the Land of Smiles
5/19 (火) ~5/25 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

都市には人々の無数の思いが漂っている。
建物やモニュメントのように何十年、何百年と残っているものもあれば、広告のように数日で消えるものもある。願いや欲によって、かたちの有無に関係なく、新たに何かがうみ出され、何かが失われていく。人々は様々な思いを巡らせ、そしてそれらは都市のあらゆる部分に記憶として宿っている。
作者は都市を歩き、探る。まるで遺跡を前にした考古学者のように眺め、人々の様子や暮らし、都市の痕跡や記憶から様々なことを想起する。グローバル化した都市は一見均質的な都市風景に見えるが、一方で多様な文化の在り方を見せてくれる。確かな答えがあるわけではないが、都市を眺めることを通して人間の創造性や文化の多様性に触れることは、世界について新たな視点を持つことでもあるように作者は思う。
作品の舞台はタイ、バンコクとアユタヤである。タイ王国が国家として成立するのは13世紀のスコータイ王朝からだが、その後世界遺産として有名なアユタヤ王朝に移り、トンブリー王朝を経て現在のチャクリー王朝に至る。命と同じように、人が思い描く繁栄は永遠には続かない。人の文化や歴史は何かが終わること、変わることによって、絶えず続いてきた。
7月の湿気と熱気が漂う都市を、作者は彷徨い、ひたすら眺めた。カラー46点。

作者のプロフィール

山内 亮二(ヤマウチ リョウジ)
1986年岐阜県生まれ。2011年名古屋学芸大学大学院メディア造形研究科修士課程修了。13年コニカミノルタフォトプレミオ入賞。
現在愛知県を拠点に写真作家として活動しており、グローバリゼーションがもたらした均質的な都市像の背後に潜む文化の多様性に興味を抱き、アジアのグローバル都市を中心に巡っている。考古学者のように、都市を人が生きてきた痕跡として写し撮り、変化し続ける都市の新たな一面を探っている。
主な写真展に、11年「Ultra Nagoya」(エビスアートラボギャラリー)、13年「Quiet River, Seoul」(コニカミノルタプラザ)などがあり、14年スライドショーイベント「INDEPENDENT LIGHT Vol.6 NAGOYA-AICHI」(c7c)に参加している。

東京写真月間 2015

写真
アジアの写真家たち 2015 ネパール
5/26 (火) ~6/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

本展は、ヒマラヤ登山の表玄関で、世界の登山愛好家の間で人気があるネパール連邦民主共和国の19名の写真家による写真展のひとつであり、Narendra Shrestha(1974年生)、Nayan Tara Gurung Kakshapati(1982年生)、Prasit Sthapit(1988年生)、Kishor Sharma(1983年生)の4名の作品を展示する。
ネパールは東、西、南の三方をインドに、北部は中国チベット自治区に接する山岳国家で、国土面積は約15万平方キロメートルで北海道の約1.8倍、人口は約2900万人である。歴史的には長い間続いてきた王政に代わって、2008年に大統領を頂点とするネパール連邦民主共和国を建国した。
国民の構成はインドアーリア系住民とチベットミャンマー系住民が共生する多民族、多言語国家である。宗教はヒンズー教が80%と圧倒的に多く、他に仏教徒、アニミズムが混在している。経済基盤は国民総生産のうち、農業が主産業で66%と多く、繊維関連産業を手始めに工業化を進め、経済成長率も5.5%と比較的高い水準を続けているが、1人あたりの国民総生産は700ドルと低い発展途上国である。
また、古くからヒマラヤ登山の玄関口として世界中から登山愛好家が集まり、ヒマラヤ山麓の自然と見事に調和した世界遺産も多く、仏教寺院が建つカトマンズ盆地や釈迦の生誕地のルンビニなど、観光客の人気を集めている。
日本とネパールの関係は、皇室とネパール王室間の親密な交流、国会議員の交流や経済、技術交流が積極的に行われてきた結果、両国の関係は非常に良好である。特に経済面では、同国に対する援助額では英国、米国に次いで世界3位である。
今年で創設以来20周年を迎える本展では、同国の写真家が捉えた、ネパールの自然の景観、ネパール独得の神事や祭りに代表される文化風俗、厳しい生活環境を耐えて暮らす人々の様子等、我々日本人があまり目にしなかったネパールの姿を体感できる作品を展示する。カラー・モノクロ47点。

ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員