Nikon Imaging
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新宿ニコンサロン 2013年6月

juna21 小須田 望写真展

写真
closed square
5/28 (火) ~6/3 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

都市部の再開発によって新たにつくられた場所には、海外の様式を取り入れた、広場的な空間が設けられている。海外と違うのは、広場を形づくる町並みや景観、そして人びとがそれぞれ独立した存在として見えるということである。
本来広場は人びとが集まり、コミュニケーションを取る場所であり、放射状に伸びた街路はどこを辿っても広場に行き着くようにつくられている。人びとは広場へと向かい、集会をしたり、他者と交流する場として活用してきた。
作者が見た広場は、人々の関心はそこにはなく、そこから伸びている道の先にあって、人びとはその空間を通り過ぎるために使っている。あるいは待ち合わせの場所や、食事をする場所としてあとから用意されたもののように思われる。
それぞれの時間コミュニティーの中で、偶然そこに居合わせた人びと。他者との距離を無意識に保ちながらも、行き交う人びとが、広場の中で拡散されるわずかな時間。その光景を眺めていると広場と人は、完成された都市空間として作者の前に立ち現れる。モノクロ約20点。

作者のプロフィール

小須田 望(コスダ ノゾミ)
1986年長野県生まれ。2008年日本写真芸術専門学校卒業。10年同校研究科卒業。

野村 次郎写真展

写真

6/4 (火) ~6/17 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

この林道もいつからあったのかわからない。
時間の観念をもたない属性の景色なのか。曲がり道は果てしなく続く。この場所は、ある意味閉ざされた場所かもしれないが、作者にはあまり感じたことのない解放感を与えてくれる。
お互い符号をもたない同士だからかもしれない。
冬の林道は特別美しい。すべてが乾いていて、小石の落ちる音が聞こえるような透明感のある空気を感じる。
少し立ち止まってみる。
自分の日常は変わらないが、この空気を吸うとすべてを忘れさせてくれる。山に別れを告げて、終わりの見えないカーブの中に、自分もまた一緒に紛れていく。モノクロ15点。

作者のプロフィール

野村 次郎(ノムラ ジロウ)
1972年東京都生まれ。2009年ビジュアルアーツ大賞受賞。
主な写真展に、02年「silence」(プレイスM)、07年「ある日」(新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロンJuna21)、09年「遠い眼」(ビジュアルアーツ)、11年「峠」(プレイスM)などがあり、写真集に、09年「遠い眼」(ビジュアルアーツ)、12年「峠」(プレイスM)がある。

juna21 世羅 拓人写真展

写真
フィシス
6/18 (火) ~6/24 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

機械の知覚によって捉えられたこの川の写真には、作者自身が見た事もないような景色が広がっている。
たとえ作者がどんな心境だろうと、カメラは撮る者の目の前の現象をただ淡々と捉えていく。捉えられた写真は、作者の思いとは真逆の視界を持ち、作者にその新たな視界を提示してくる。
物事のフィシス(「Physis」ギリシャ語で「あるがまま」の意)を見つけることは何か、と考えると、そこには人の感情や思い入れなどは必要なくなり、機械に与えられた知覚にしか捉えられないのではないか。
作者は新たな体験を求め、この川を遡上し続けてきた。撮り進めると自分と写真との距離感はますます離れていき、その感覚を得ることによってさらにこの川を歩き続けることが出来たのではないだろうか。
作者は新たな体験は自分自身が得る体験ではなく、自分が介在せずに、捉えられた写真に写るフィシスによって得ていたのだと考えている。カラー32点。

作者のプロフィール

世羅 拓人(セラ タクト)
1983年東京生まれ。2006年立正大学文学部哲学科卒業。
写真展に、06年「笑う眼」、10年「決別」(以上 Place M)、グループ展に、12年「ROOMS floor 1 Portfolio exhibition」(Place M)がある。

倉茂 義隆写真展

写真
続 ふるさと栃尾の日々
6/25 (火) ~7/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

2008年、作者は40年間の日々を「ふるさと栃尾の日々」として写真展を開催したが、満たされぬものを感じていた。それは作者が健康を害して長いこと不本意な日々を過ごし、遣る瀬ない思いを抱き続けた日々であったからである。その思いが不足していることに気づいた。
健康を損なうことは、現実との摩擦で覚醒を強いられることだが、摩擦に曝され続けることで遣る瀬ない思いが生じるであろうし、それが考えるきっかけとなり、覚醒の感覚へとつながるのだろう。
本展は、作者の感覚に染みついている、そのような思いを中心に“続ふるさと栃尾の日々”として組んだものである。
写真を並べ、最後の写真を眼にしたとき、この一枚の写真を撮るために、これまで写真を撮り続けてきたことを実感し、涙があふれて堪らなかったという。モノクロ55点。

作者のプロフィール

倉茂 義隆(クラシゲ ヨシタカ)
1948年新潟県生まれ。70年東京写真専門学院卒業。74年より写真館自営。
主な写真展に、96年「倉茂義隆スタジオ交遊録 23人の夢」展(栃尾市美術館)、2003年「日曜日のテーブル」、08年「ふるさと栃尾の日々」(以上銀座ニコンサロン)などがある。

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