Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2012年12月

比嘉 良治写真展

写真
ちらがー 沖縄の素肌
11/21 (水) ~12/4 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

美しい青空、エメラルド色に輝く海原、色とりどりの魚が舞う海、夜空に輝く満天の星、真っ白い砂浜が長く横たわる南の島の沖縄。
南の楽園と人は云う。
「ゆいまーる」「むえー」「島んちゅ」「えーか/門中」「ちむぐくる」「いちゃりば ちょーでー」と助け合いの精神で生きてきた共和共存の島。いまも原始社会主義の残り火がこもる。
人が優しいと讃える外来者は少なくない。海の彼方ニライカナイから、幸せや豊穣をもたらす信仰が島人に秘められている。しかし外来者が害来者であることも多々ある。
台風は草木をもぎ取り住処をつぶす。でも水をもたらし、風が去ると太陽が照りそそぎ再び木の葉が芽吹く。大木の育ち難い島。嵐を防ぐ岩に祈りを込める。
島人にはこころの豊かさと物質の貧しさが共存していた。共存の精神を崩す時代の波が押し寄せるいま、豊かさと貧しさのバランスに崩れが生じ、亀裂で皺をきざむ。
人の皺は100年足らずで消滅するが、歴史の傷は消えることなく、海と島の縁(へり)に固く深い皺を刻み重ねつづける。
なぜ沖縄人はいまもニライカナイと関わりながら生きなければいけないのか。
今日も外海からの強引な波がひと皺ふた皺と深く岩肌に刻印を残す。モノクロ約30点。

作者のプロフィール

比嘉 良治(ヒガ ヨシハル)
1938年沖縄生まれ。1961年多摩美術大学卒業。64年渡米。~67年アート・スチューデント・リーグで学ぶ。77年コロンビア大学大学院修了。~2000年ロングアイランド大学サウスハンプトン校美術学部教授。87年~フォトシンポジウム in 沖縄(のちの「名護写真まつり」)を提唱。同じくサウスハンプトン・マスター・フォトグラフィ・ワークショップ(ニューヨーク)を提唱。93年~ヤング・ジャパニーズ・フォトグラファーズ展のコーディネーター。同じくしおのえ国際青年芸術祭(香川県)を提唱。沖縄県民大使。ロングアイランド大学名誉教授。
アメリカ、日本、ヨーロッパ、アジアなどで個展、グループ展、国際展を多数開催。
作品はニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館ほか、アメリカ国内の主要美術館に収蔵されており、受賞多数。
写真集に、『翔べ! グァテマラの子供たち グァテマラの宝』『シャツの鼓動』『虹の暗箱』などがある。

一之瀬 ちひろ写真展

写真
KITSILANO
12/5 (水) ~12/18 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

半年かかってようやく屋根裏に暗室ができた。
作りながら薄々感じていたことが明確になった。
アトリエが家全体へと拡がった。そして、そのことと自分が作品だと思っている境界がどんどん拡がっていく感じが、同期している。
緩やかに制作と生活がお互いに溶け出して、どっちがどっちでもそんなことは全くどうでもよくなってしまうような。
どこからどこまでが写真でどこからどこまでが写真でないのか、自分でもわからなくなっていくような。

日々さまざまな要素が比重やバランスを崩したり、揺らいだりするので、そこには何かを中心として成り立つような構造を発見できない。結局のところその場の状況を渾然と感じるしかないのだ、と作者は思う。
また、唯一の結論に向かって行くものではなく、なにかを見たいのではないか、とも思う。
カラー40点。

作者のプロフィール

一之瀬 ちひろ(イチノセ チヒロ)
1975年東京生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科美術史専攻。馬場道浩氏に師事。2004年渡英し、翌年帰国後よりフリーで活動。11年よりリトルブックレーベル『PRELIBIRI』として活動を始める。また、雑誌「暮らしの手帖・第4世紀/55号」より巻頭扉写真を担当。受賞に、00年コニカフォトプレミオ入選。07年写真集『ON THE HORIZON』が第41回日本装幀造本コンクールにおいて、日本印刷産業連合会長賞受賞。
写真展に、00年「sunrise party at secret place」(コニカギャラリー/新宿)、03年「oxygen」(ギャラリーコンシール/銀座)、06年「ON THE HORIZON」(イレブン/西荻)、09年「ドイツの小さな手仕事」(ギャラリーfeve/吉祥寺)などがあり、写真集に、『ON THE HORIZON』(AAC 06年刊)、『STILLEVEN』(PRELIBIRI 11年刊)がある。

小林 惠写真展

写真
風景色 フクシマノート
12/19 (水) ~12/28 (金)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

国は福島第一原発事故後、同心円で20㎞までを警戒区域、30㎞までを計画的避難区域とし、それに続く放射線量の高い飯舘村や川俣村の一部も避難区域に指定した。そして今年の4月、これらの区域は新たに帰宅困難地域・居住制限区域・避難指示解除準備区域と線引きを見直した。
帰宅困難区域は絶望的な立入り禁止区域で、居住制限区域は空間放射線量が年間被ばく積算20~50mSv(ミリシーベルト)のエリアで、立入りは可能だが住むことはできない。単純計算では2.28~5.7μSv/h(マイクロシーベルト/時)を計測する区域だ。
作者は、震災の1カ月後から三陸の被災地を数度取材した。その都度帰路は、国道6号を南下し、南相馬から飯舘村の道を選んだ。人気の無い村を通過するたびに、「見てゆくのはフクシマだ!」と確信するようになった。そして、翌月から立ち入り可能な20~40㎞圏を毎月のように訪ね、線量をノートしながら『沈黙の風景』を撮ってきた。
これらの写真は、震災を含め、「先祖から託され、子孫に託す暮らし」、その普遍の約束事が断たれた里の光景である。モノクロ約60点。

作者のプロフィール

小林 惠(コバヤシ ケイ)
1948年香川県豊島生まれ。日本写真専門学校卒業。写真家棚橋紫水氏に師事。広告代理店・福祉施設勤務の後、75年よりフリーで活動し、現在に至る。日本写真家協会会員。
写真展に、74年「この子供たちの奪われたものは」、94年「小さな島を渡る風」(以上銀座ニコンサロン)、99年「咲く桜」(新宿ニコンサロン)、2003年「日々あらたなり」(コニカプラザ新宿)、04年「過ぎしかの日」(銀座ニコンサロン)、06年「臺灣島の記憶」(コニカミノルタプラザ新宿)、08年「光の祝祭」(津田塾大学 津田梅子記念館)、10年「セイダッカ族・昭和の記憶」(新宿ニコンサロン)などがあり、写真集に『心の島』(鯨吼社)、『光の祝祭』(小塩節氏共著)などがある。

12/29 (土) ~1/4 (金)
年末年始休館
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