Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2012年11月

石川 武志写真展

写真
水俣ノート 1971~2012
10/24 (水) ~11/6 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者は、ユージン・スミスのアシスタントとして1971年から3年間「水俣病」に関わった。同時に作者自身も水俣病を自分の問題として撮影するようになった。
当初、それらの写真を発表することは考えてはいなかった作者だが、2008年のスミス氏没後30周年慰霊祭を機に、今一度、ユージン・スミスの「水俣」というプロジェクトを検証してみたいと考え、再び水俣病を撮影するようになった。そしてまたそこには、当時作者が知っていた水俣病の人たちは現在どうしているだろうかという思いや、「水俣」やユージン・スミスと関わった者として、今の自分に何ができるのだろうかと作者自身へ問いかける気持ちもあった。
作者が初めて水俣に滞在した時から40年という年月が流れたが、当時カメラの前に立ってもらった患者さんたちを、可能なかぎり以前と同じ場所で撮影している。同時に作者は、ユージン・スミスの「水俣」というプロジェクトで体験したことなどを「水俣ノート」という形にまとめ、水俣病という苦難を生きてきた人たちの40年の歳月やユージン・スミスの存在を、この写真を通して現在に繋げようと試みる。モノクロ50点。

作者のプロフィール

石川 武志(イシカワ タケシ)
1950年生まれ。1971年東京写真専門学院(現 東京ビジュアルアーツ)卒業。71~74年ユージン・スミスの水俣プロジェクトでアシスタントを務める。75年フリーランスのフォトグラファーとしてスタート。80年インドのトランスジェンダー社会「ヒジュラ」の取材を始める。
写真展に、82年「ヒジュラ」(ミノルタギャラリー)、2008年「インド第三の性―ヒジュラ」(外国人特派員協会)、11年「ガンガー巡礼」(銀座ニコンサロン)などがある。また、1995年に写真集『インド第三の性-ヒジュラ』(青弓社)を出版。

鈴木 吼五郎写真展

写真
鉱山、プランテーション、縫製工場
11/7 (水) ~11/20 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

グローバル化の進展に伴い、世界はますます近接し、複雑かつ密接に繋がっている。しかし、現実にはモノの生産、加工から流通、消費に至るサプライチェーンの具体的な現場は、私たちからより遠く、見えにくいものとなっている。
本作品は、アジア、アフリカ各国の鉱山、製造工場、リサイクル業者等と交渉し、その風景を捉えた記録の一部であり、このような写真を通して、社会構造の一端を可視化することをその目的としている。A.ザンダーの作品のような、正確な記録の積み重ねとそこに立ち上がる美が作者にとっての写真であり、それは写真の本質に向きあう作業だと考えている。
このプロジェクトは継続中だが、帰結はない。被写体に寄り添うストーリーも、作者から鑑賞者に投げかけるメッセージもない。なぜなら、作者自身のイマジネーションなどは取るに足らないものであり、対象を正面から記録し続けることこそ、この撮影の最大の意味があると考えるからである。カラー46点。

作者のプロフィール

鈴木 吼五郎(スズキ コウゴロウ)
1972年生まれ。カメラマンアシスタントを経て、2000年よりフリーで活動中。

比嘉 良治写真展

写真
ちらがー 沖縄の素肌
11/21 (水) ~12/4 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

美しい青空、エメラルド色に輝く海原、色とりどりの魚が舞う海、夜空に輝く満天の星、真っ白い砂浜が長く横たわる南の島の沖縄。
南の楽園と人は云う。
「ゆいまーる」「むえー」「島んちゅ」「えーか/門中」「ちむぐくる」「いちゃりば ちょーでー」と助け合いの精神で生きてきた共和共存の島。いまも原始社会主義の残り火がこもる。
人が優しいと讃える外来者は少なくない。海の彼方ニライカナイから、幸せや豊穣をもたらす信仰が島人に秘められている。しかし外来者が害来者であることも多々ある。
台風は草木をもぎ取り住処をつぶす。でも水をもたらし、風が去ると太陽が照りそそぎ再び木の葉が芽吹く。大木の育ち難い島。嵐を防ぐ岩に祈りを込める。
島人にはこころの豊かさと物質の貧しさが共存していた。共存の精神を崩す時代の波が押し寄せるいま、豊かさと貧しさのバランスに崩れが生じ、亀裂で皺をきざむ。
人の皺は100年足らずで消滅するが、歴史の傷は消えることなく、海と島の縁(へり)に固く深い皺を刻み重ねつづける。
なぜ沖縄人はいまもニライカナイと関わりながら生きなければいけないのか。
今日も外海からの強引な波がひと皺ふた皺と深く岩肌に刻印を残す。モノクロ約30点。

作者のプロフィール

比嘉 良治(ヒガ ヨシハル)
1938年沖縄生まれ。1961年多摩美術大学卒業。64年渡米。~67年アート・スチューデント・リーグで学ぶ。77年コロンビア大学大学院修了。~2000年ロングアイランド大学サウスハンプトン校美術学部教授。87年~フォトシンポジウム in 沖縄(のちの「名護写真まつり」)を提唱。同じくサウスハンプトン・マスター・フォトグラフィ・ワークショップ(ニューヨーク)を提唱。93年~ヤング・ジャパニーズ・フォトグラファーズ展のコーディネーター。同じくしおのえ国際青年芸術祭(香川県)を提唱。沖縄県民大使。ロングアイランド大学名誉教授。
アメリカ、日本、ヨーロッパ、アジアなどで個展、グループ展、国際展を多数開催。
作品はニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館ほか、アメリカ国内の主要美術館に収蔵されており、受賞多数。
写真集に、『翔べ! グァテマラの子供たち グァテマラの宝』『シャツの鼓動』『虹の暗箱』などがある。

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