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大阪ニコンサロン 2011年12月

juna21 松波 康男

写真
エチオピア、参詣帰路
12/1 (木) ~12/7 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

アルシ地方・ファラカサ聖者廟についての人類学的調査を、ここ数年、作者は継続して行ってきた。バスや自家用車で訪れる者も近年増加しているが、今日でも、多くの参詣者が野営を繰り返しながら参道を踏破し、当地を訪問している。参詣者はここで、周辺に広く見られる精霊信仰の設置者であるイスラーム聖者の廟を参り、そして、自らの「悩み」の解決をこいねがう。ドラムを叩き、宗教歌を唱和するなどで聖者を祝い、数日の滞在を楽しんだ後、人々は各々の村へと帰っていく。
しかしながら、本作はそういった参詣者の営みを図解し、分析的なことばを与える現地報告ではない。ここでの写真とテクストで語られるのは、彼らの「世界」に巻き込まれていく経験についての「ぼく」(作者)のものがたりなのである。
並置される写真とテクストが、主―補ではなく、異なるなにかを共に喚起しながらひとつのものがたりを語る関係を結ぶことを、作者は本作で目指している。カラー35点。

作者のプロフィール

1979年愛知県生まれ。2001年に海外青年協力隊に参加し、エチオピア・バレーボール連盟に配属。03年アフリカ選手権大会で同国男子ナショナルチームのヘッドコーチを務める。04年映画美学校ドキュメンタリー・コース初等科修了。05年首都アディスアベバ及び北部山村のこどもたちを撮影した「エチオピアのこどもたち」(モノクロ・30枚)で土門拳文化賞奨励賞受賞。06年民族誌映画「ヤアヘの参詣」(DV)を制作し、国内外の学会等で上映。現在は一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程(社会人類学専攻)に在籍し、映像と人類学との間をさまよいながら、エチオピア・オロミヤ州の参詣儀礼についての撮影、調査を続けている。

橋口 譲二

写真
Hof ベルリンの記憶
12/8 (木) ~12/21 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

本展は、1990年から2010年6月にかけて旧東ベルリンのミッテ地区とプレンツラウアー・ベルグ地区で、大判カメラ(4×5)、中判カメラ(6×6)を使って撮影されたものである。
帝政時代から二つの世界大戦、旧東ドイツ時代を生き延びてきたこの二つの地区は、19世紀末から20世紀初頭にかけてベルリンでもっとも労働者人口の集中した地区である。
この地区には貧しい人々や、ポーランドやロシアから移住してきた東方系ユダヤ人が多く住んでいた。そして先の戦争ではこの地区からも多くのユダヤ人やコミュニスト、同性愛者、ロマ族が強制収容所に送られている。
現在この二つの地区は東西ドイツ統一により修復が進んだことでユダヤ系の住民が戻り始め、ギャラリーやレストランがひしめきあい、ベルリンで観光客が集まるもっとも華やいだ地区に変わった。
本展で展示する作品の風景は、今では消えてなくなり、見ることも写し撮ることも不可能になってしまった。モノクロ50点。

作者のプロフィール

1949年鹿児島県生まれ。81年作品「視線」で第18回太陽賞受賞。
主な写真展に、89年「17歳」(アルル国際写真フェスティバル正式招待)、90年同(ローマ/イタリア)、93年「Couple」(クンストハウス・チューリッヒ「現代日本写真家展」正式招待)、99年同(ヘルテン/ドイツ)、2000年同(ミュンヘン/ドイツ)、「職1991~1995WORK」(ニューデリー・クアラルンプール・ジャカルタ)、01年同(英国各地)、02年「呼吸」(ヴラナシ(ガンジス河べり)/インド)、05年「職1991~1995WORK」(ケルン/ドイツ)、06年「BERLIN」「Couple」(ノイエ・ナショナルギャラリー・ベルリン/ドイツ)、「東京―ベルリン展」正式招待などがあり、主な写真集に82年『俺たち何処にもいられない』(草思社)、88年『17歳の地図』(文藝春秋)、89年『動物園』(情報センター出版局)、98年『視線』(ミトローパ)、92年『BERLIN』(太田出版)、08年『17歳2001~2006』(岩波書店)ほか多数。

阿部 直樹

写真

12/22 (木) ~12/29 (木)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者は対象を見るとき、透明で見えない“壁”にぶち当たったかのように感じるという。同時にその見えない“壁”をすり抜け、向こう側からこちらの側を見ているように感じるともいう。実在しない“壁”の存在を感じ、それが無限に広がるもののように思えるという。
“壁”の外側で感じる疎外感と、内側で感じる一体感。それらが混ざり合うときの不思議な感覚に作者は魅了され、それを写真で捉える。モノクロ35点。

作者のプロフィール

1983年群馬県生まれ。2006年東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。08年同大学大学院造形研究科デザイン研究領域修了。

年末年始休館
12/30 (金) ~1/4 (水)
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