Nikon Imaging
Japan
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大阪ニコンサロン 2011年9月

ニコンサロン企画展
江成 常夫

写真
GAMA CAVE 霊魂がやどる聖地
8/25 (木) ~9/7 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

歴史は明日への道標にほかならない。作者はこれまでの40年近く、15年にわたった「戦争の昭和」に翻弄され、声を持たない人たちの声を写真を通して代弁することで、現代史を軽視、記憶から遠ざけてきた戦後の日本人を問い続けてきた。
「戦争花嫁」と呼ばれ蔑みのもとにアメリカに嫁いだ日本人女性との出会い、「15年戦争」の発端となった「満洲」、「満洲」が生んだ日本人戦争孤児、大戦の終焉地ヒロシマを三十数年にわたって見詰めてきた。2004年からは「満洲」と「ヒロシマ」をつなぐ太平洋戦の15の戦歴の島を巡ってきた。
このうちでも本土防衛の最終戦となった沖縄戦は、県民を巻き込み、軍民合わせた戦没者は188,000人余りに及んでいる。
沖縄は島の地質的条件から「ガマ」と呼ばれる自然洞窟が各所に多数点在している。「ガマ」には県民の老若男女、乳児までが戦火を逃れ身を寄せたが、日本軍から追い出され、自決を強いられるなど凄惨を極めた。そしてまた「ガマ」には軍の野戦病院が置かれたことから、米軍が攻め込むなか重傷将兵らは置き去りにされ、多くが没している。こうしたことから「ガマ」はいわば阿鼻地獄のもとで逝った人たちの、霊魂が宿る「聖地」でもある。
写真展では、これまで封印されてきた「ガマ」を克明に浮き立たせることで、太平洋戦の罪の深さを、鎮魂をもって呼び戻そうとしている。カラー30~40点(大型を含む)。

作者のプロフィール

1936年神奈川県生まれ。62年毎日新聞東京本社入社。74年毎日新聞社を退社し、フリーに。以後、一貫して「戦争の昭和」に翻弄された声を持たない人たちの声を写真で代弁することで、戦後日本人の現代史に対する精神性を問い続ける。88年ニッコールクラブ幹事。94年九州産業大学大学院(特遇)教授。98年ニッコールクラブ会長に就任(~2007年)。99年九州産業大学大学院教授(~2010年)。現在九州産業大学名誉教授。
[写真集・著作]
76年「ニューヨークの百家族」(平凡社)、81年「花嫁のアメリカ」(朝日新聞社・講談社)、84年「シャオハイの満洲」(集英社・新潮社文庫)、95年「まぼろし国・満洲」(新潮社)、「記憶の光景・十人のヒロシマ」(新潮社・小学館文庫)、2000年「花嫁のアメリカ・歳月の風景」(集英社)、02年「ヒロシマ万象」(新潮社)、05年「レンズに映った昭和」(集英社新書)、06年「生と死の時」(平凡社)、11年「鬼哭の島」(朝日新聞出版)
[写真展]
76年「家族・ニューヨーク」(新宿ニコンサロン)、78年「ヤーニンジュ・OKINAWA」(銀座ミキモトホール)、80年「花嫁のアメリカ」、84年「小日本人」(以上、銀座ニコンサロン)、85年「シャオハイの満洲・百肖像」、90年「ニューヨーク日記」(以上、銀座・大阪ニコンサロン)、92年企画展「変容する家族の記録」(東京都写真美術館)、「家族の肖像1976-1992」(銀座・大阪ニコンサロン)、95年「昭和史の記憶・まぼろし国・満洲」(銀座・大阪ニコンサロン)、「昭和史の記憶・ヒロシマ万象」(新宿・大阪ニコンサロン)、97年毎日芸術賞受賞記念展(相模原市博物館)、99年「昭和・家族の肖像」(新宿・パークタワーギャラリー1)、2000年「「昭和史の風景」花嫁のアメリカ・シャオハイの満洲・ヒロシマ万象」(東京都写真美術館)、06年「「昭和史の風景」偽満洲国。鬼哭の島」(日本新聞博物館)など多数。
[受賞]
77年第27回日本写真協会新人賞、81年第6回木村伊兵衛写真賞、85年第4回土門拳賞、95年第37回毎日芸術賞、2001年日本写真協会年度賞、第50回神奈川文化賞、相模原市民文化彰、02年紫綬褒章、10年旭日小綬章など

山本 眞弓

写真
風の化石
9/8 (木) ~9/14 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

およそ1200年前、京都南西の地に嵯峨天皇が弘法大師空海に託された「東寺」がある。空海はそこに真言密教の小宇宙を作りあげた。
空海の命日21日には、毎月「市」がたち、「弘法さん」と呼ばれ、大勢の人々で賑わいをみせる。寺の境内には遠くシルクロードを通って運ばれたであろう仏像や装飾品、日本の古い時代の着物や道具類等が所狭しと並べられる。
それら一つひとつの「物」の周りには、それらが作られ、使われた時代の風が包み込まれ、やさしく守っている。そして時間や時代を経て、その「物」を手にした人々に語りかけ、目を楽しませ、その一瞬を幸せにしてくれる。
現世の「物」も又、人から人へ、時代から時代へ時空を超え、姿、形を変えながら、風の繭の中で守られて化石化していく。それらの「物」は人々に多くの夢を語り続けながら宇宙の塵となって消え去るまで、諸行無常をくり返し、東寺の境内という小宇宙の中で、生きながら曼荼羅の大宇宙へと広がっていくのである。カラー40点。

作者のプロフィール

1940年生まれ。

宇井 眞紀子

写真
アイヌ、風の肖像
9/15 (木) ~9/21 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

北海道二風谷でアイヌ女性、アシリレラ(日本名、山道康子)さんを中心に、伝統的な茅葺きのチセ(家)で、アイヌ文化を学びながら共同生活を送る人びと。そこだけタイムスリップしたような空間。1992年から約20年間にわたり、作者は娘を連れて東京~二風谷を往復し、家族のように傍らで暮らしを記録した。
アイヌ民族を先住民族と認める国会決議が採択されたのは、ほんの3年前。自分たちと違う価値観を持つ先住者を勝手に「野蛮」「劣等」と決めつけ、同化を強いて来たその考え方の根本は、正されてはいない。未だ厳しい状況の中、先祖が残した精神文化を大切に受け継いでいるアシリレラ。ファミリーの暮らしの中には、あたり前のように祈りがあった。何かを始める時、何かが無事に終わった時、皆で集まってカムイノミ(神への祈り)の儀式を執り行うこともあれば、一人で薪ストーブの火に向かって祈ることもある。
「人間の力のおよばない存在」を感じることで、人は謙虚に生きられる。共に過ごした日々から作者の心にしみてきた想い、世界観を表現した作品である。
カラー約20点・モノクロ約30点。

作者のプロフィール

1960年千葉県生まれ。83年武蔵野美術大学卒業。85年日本写真芸術専門学校卒業。
写真家樋口健二氏に師事。同時に写真家としてフリーランスで活動を開始。92年よりアイヌ民族の子連れ取材を始める。日本写真家協会会員。日本写真芸術専門学校講師。武蔵野美術大学非常勤講師。
写真集に、『アイヌときどき日本人』(社会評論社)、『眠る線路』(ワイズ出版)、『ASIR RERA:AINU SPIRITS』(新風舎)、『アイヌ、風の肖像』(新泉社)などがある。

juna21 安藤 広樹

写真
夜になるまえに
9/22 (木) ~9/28 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

全ては流れの中にある様に感じるから、気が付いたり、見逃したり、思い出したり、忘れたりするのだろう。
これらは日常の写真ではない。日常はその存在を再確認した瞬間に、瓦解し非日常に変容してしまうからだ。
眼前のそれは、本当に自分が知っていると思われるそのものなのか。

いつかの春に祖母が亡くなった。それでも当たり前に日常は続いている。
夜になる前に、朝になったら何かを忘れてしまうかもしれない。
それでも変わらないモノがあるような気がするし、また思い出す事もあるだろう。
ただ、この瞬間、確かなモノは眼前にあるはずだ。カラー47点。

作者のプロフィール

1980年鹿児島生まれ。2004年多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。11年、東京写真月間2011<「写真の日」記念写真展2011>において外務大臣賞受賞。現在は、主にTV-CM、PV等の撮影に携わっている。
写真展に、08年「夜になるまえに ‘08」(Gallery Conceal)などがある。

juna21 小原 佐和子

写真
神の真庭
9/29 (木) ~10/5 (水)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

久高島は沖縄県知念村にある周囲約8キロメートルの南北に細長い離島で、琉球の祖神アマミキヨが初めて降り立った琉球王朝開闢の地である。
「神の島」と呼ばれる島には、古くから御嶽(うたき)と呼ばれるニライカナイから神や祖先が来訪するとされる場所が島中に点在し、まるで聖地の中に集落があるようだ。
この島では、生まれた子どもに「あまり偉くなってはいけない」という意味の祝詞を捧げる。離島という過酷な環境の下で、女は「神人」男は「海人」として、その生涯は生まれた時から定められていたという。
その一生を通じ「神の島」久高島で生まれたことを誇りとし、神人として神を祀り、神を支えとし、神を見つめ、神に包まれながら暮らしを営み、その島で死んでいく。
神は島のあちこちに立ち現れ、島民の生と死をみつめ続けてきたのかもしれない。それが現在に至るも綿々と続いていることを、作者はファインダー越しに感じている。モノクロ42点。

作者のプロフィール

1979年埼玉県生まれ。2002年日本大学芸術学部写真学科卒業。現在写真家・映画監督の本橋成一氏に師事。

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