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新宿ニコンサロン 2010年11月

イッセイ ハットリ

写真
終の棲家、ワタシ ナキ アト ―孤独死の現場より―
10/19 (火) ~11/1 (月)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

何らかの事情で社会からはぐれ、一人で最期を迎えた人の終の棲家となってしまった部屋と遺されたモノたち。
『孤独死』あるいは『無縁死』という現実は、現在家庭を持ち、妻と二人の子供に恵まれている作者にとっても、将来、当事者になりうる可能性があり、絶えず自分のことのように感じながら現場に向き合った。
主亡き後の部屋の中に遺された品々は、人生を語りかけてくれる。散らかっていたり、汚かったり、荒れていたり、多すぎたり、または整然としていたり、個人差はあるが、そこに住んでいた人の亡骸が、誰にも気づかれることなく、しばらくの間横たわっていたという事実以外、部屋には普段の生活がそのまま残されている。
主のいない部屋とモノたち。
「私 無 後 、私 亡 跡 、渡せなき まま 、 」
そこに遺されたものはどうなるのだろうか……。
とてもつらい現場であった。正直なところどなたにでもお勧めできる写真ではない。しかし、壁の向こう側で起きている現実の出来事に、本展を通じて見る人がそれぞれ自分自身のこととして「孤独死」について向き合い、将来を考えるきっかけのひとつになればと、作者は想っている。カラー60点。

作者のプロフィール

イッセイ ハットリ
1968年生まれ。主に旅、動物、建築、舞台、企業紙などの写真を撮影。日本写真家協会会員。
写真展に、07年「地下壕 地下都市 沈黙ノ文化遺産」(ニコンサロン)ほかがあり、著書に『すたんだっぷ風太くん』(富士見書房、03年刊・共著)などがある。

juna21 HYUNMIN RYU

写真
Giggle
11/2 (火) ~11/8 (月)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

「Giggle ―くすくす笑いの一考察―」
この作品は、友人と、作者の矛盾や逆説的な感情を表現している。
若い頃から作者たちは、時々馬鹿げた悪ふざけをしていた。それは、年配の人たちが見たら恐らく眉をひそめるような行為であった。そんな悪ふざけの後に何をすべきか、ということはよくわかっていた。まずは、クスクスと笑うこと。そして「いつもの日常」に戻ることである。
いまでは、作者を除く友人たちは皆、一流企業に勤めているが、この2年間は毎週末、子供じみたふざけた行為を再現することで、あの頃のいたずら心をもう一度味わうことができた。この作品はその再現の結果だが、反面、現在そのような行為に及ぶときには、仕事や家族のことを考えなくてはならなくなってしまった、という逆説にもなっている。

(私はこれまで実践的かつ積極的な思考、そして他人との間に完璧な関係を求めることを拒否してきたため、疲れを感じたことはありませんでした。その私にとって、これだけ挑戦し続けたことは驚くべきことです。ですが、この馬鹿げた実験は役に立つものではありませんでした。いまも昔も、この挑戦に費やした時間のすべてが無為に潰えました。それは、この先も変わりません。私たちのすべての挑戦は、何度でも現実の世界にスリップダウンしてしまうでしょう。そう、これまでまったく疲れなかった方がおかしかったのです。  Hyunmin Ryu)

作者のプロフィール

HYUNMIN RYU(ヒュンミン リュウ)
1979年生まれ。韓国(国籍)。
〔Education〕Deagu Catholic University, BA Department of Journalism & Broadcasting 、Joonang University,BFA Department of Photography
〔Award and Scholarships〕2001~05 Deagu Catholic Univ. scholarships recipient
07 1st Canon Korea scholarships recipient, EPSON ASIA COLOR IMAGING CONTEST, special award
〔Group Exhibitions〕
07 “Tempering” Art center Boda Seoul Korea/“RAW” Canon 1st scholarship exhibition, Dukwon Gallery, Seoul Korea/Joongang Univ. Graduate exhibition, Joongang Univ. Art Center, Seoul Korea/EPSON ASIA COLOR IMAGING CONTEST exhibition, Spiral Garden, Tokyo, Japan
08 Seoul international photo fair Coex, Seoul Korea

小野 啓

写真
群青
11/9 (火) ~11/22 (月)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

日本中の高校生のポートレートを2002年からおよそ8年にわたって撮影している。
無垢と危うさを同居させ、脆くて壊れてしまいそうな彼らに共鳴し、強く撮りたいと思う。

人と向き合い、その場所を大切にする。それが自分にとっての写真だと心がけ、
北は札幌から南は沖縄まで、彼ら彼女らを訪ね撮り続けてきた。

ともに情報が行き渡る、都市と地方の高校生を撮りゆくなかで、
誰もが自分の存在を見つけてほしいと願っていると感じる。
そして思うのは、今の、そしてこれからの日本を見たいということだ。(小野 啓)

カラー約30点。

作者のプロフィール

小野 啓(オノ ケイ)
1977年京都府生まれ。2001年立命館大学経済学部卒業。03年ビジュアルアール専門学校・大阪卒業。06年ビジュアルアーツフォトアワード大賞受賞。写真集『青い光』を出版。

juna21 張 富傑

写真
幻相の迷宮
11/23 (火) ~11/29 (月)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

この世は迷宮に似ている。中に入ると容易にはわからず、迷うように生きている。物質に執着して尽きることのない欲望は、常に人々を無辺際な渦巻きの中へ迷い込ませる。それは、私たちの慣れた住処に、まるで不確定性の道を隠しているようである。
作者は、「目で見えないものは存在していない。目で見えるものは本当に存在している」とは限らないと思う。現在、どんな災難に遭うかわからない時代で、この世は予想以上に無常である。物事は想像以上に変化しやすいし、消え去りやすい。それに執着してしまう。
作者は、住宅地は“肉眼で見える社会の基盤”であり、“肉眼で見えないこの世の最も近い基本”だと思う。では見える幻相(*)とは何だろうか? 見えない真実とは何だろうか?
作者はこの迷宮の中で、歩いて探して、感じて、迷宮から出るための手がかりを見つけた。
本展では、その問いかけと手がかりの両方が作品に写しだされており、出口の曙光が見えそうである。(*幻相:仏語。幻のように実体がなく、はかないありさま。世間の無常の姿)カラー33点。

作者のプロフィール

張 富傑(チョウ フジェ)
1980年台湾台北生まれ。2002~03年台湾東森テレビ局勤務(ウェブデザイン、プログラミング)、03~05年Bonfane貿易会社勤務(ERPプログラミング)、05~07年連邦商業銀行勤務(プログラミング)、08年~日本写真芸術専門学校在学中。09年、写真展「Afternoon」(ギャラリーGeki)を開催。

無TARO

写真
The Long And Winding Road
11/30 (火) ~12/6 (月)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

子供は大人になるまでに数え切れない矛盾に出くわす。その「なぜ」と、自らの脆く未完成で厄介なくらい鋭い信念の挟間に揺れた時には、他人を傷つけたり、自らを消したりすることから、子供に「だから人間らしい」はない。
社会は子供に少しも優しくないし、そもそも子供に興味などない。自らの経験だけを拠り所とせず、子供の自立とその死まで生きることのできる人格形成を念頭に、日々いとまなく試行を続ける親や家族はどれだけいるのだろう。
本展で作者は、社会生活の手前の大人になること、生きることの難しさを伝えたいと考えている。
カラー41点・モノクロ36点。

作者のプロフィール

無TARO(ムタロウ)
1964年生まれ。中央大学法学部卒。月刊カメラマン誌(77年創刊準備号)を通じて故安西秀行氏に季節、天気、時間、場所ごとの露出やポジの乳剤ごとのテスト等、写真の基礎を教わる。同時に誌上で紹介された当時の荒木経惟氏や森山大道氏、東松照明氏等を知る。荒木氏の「露出やピントがずれていたって小さな伝達ができればいい」や、森山氏の「量のない質はない」等のアドバイスが響く。建築設計、施工の傍ら山村雅昭氏や川内倫子氏等の個展巡りを趣味とする。2001年よりワークショップ曽根塾在籍。

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