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ニコンサロン bis 大阪


栗山 豊展
[貴船神楽の里]

4/23 (木)~4/29 (水)
11:00~19:00(最終日は15:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
島根県石見地方の伝統芸能「石見神楽」の演目の一つで、県無形文化財に指定されている匹見町三葛の「貴船」は、呪いをテーマにした壮絶な舞である。
クライマックスの藁人形に激しく釘を打ちつけるシーンは圧巻であり、鬼女に変身する一瞬の早業と共に、多くの神楽ファンを魅了する三葛社中得意の演目である。
「貴船」は、平家伝説の「剣の巻」謡曲の「鉄輪」を演舞化したものだが、京都下京辺りに暮らす女が、夫から理由もなく離別された事により、その無念さのあまり復讐するための祈願を貴船神社で三十七日行ったところ、三夜続けて悪夢を見た。毎夜丑三つ時、身に赤い着物をまとい、頭に三つの鉄輪を置き、火を灯し、宇治川の河瀬を渡れば鬼女になれるとのお告げであった。女はお告げの通り行動し、鬼女になった。
一方離別を告げた夫は、夢見が悪く困りはて、陰陽師安部清明を訪ね祈祷を依頼したところ、女が呪いの節の音曲に誘われて頭にロウソクを灯した鉄輪をつけて登場。華やかに舞っているうちに、徐々に激しい舞となり、いつの間にか男を呪う顔に変わり、やがて鬼女になって退散、舞が終わる。
長閑で素朴な人々の暮らしの合間に見え隠れする不思議で恐ろしい情念の世界が、風土に沁みついているように思えてならない。
作者は永遠のテーマとして取り組んでいる。



<作者のプロフィール>
栗山 豊(クリヤマ ユタカ)
1935年島根県益田市生まれ。68年、この頃から写真を始め、現在までアマチュア写真作家として、ふるさとをテーマに活動を続けている。71年「日本カメラ」誌C部年度賞1位。72年フォトアート誌カラーコース年度賞1位。ペンタックスファミリーサロン金賞受賞。73年「サンデー毎日」日本の歌枕金賞受賞。85年キヤノンフォトコンテスト最優秀賞受賞。
写真展に、90年「さぎ舞」(ニコンサロン)、99年「人麻呂幻影」(ペンタックスフォーラム/NHK松江放送局)などがあり、著作(写真集)に、93年『さぎ舞』、99年『人麻呂幻影』、2001年エッセイ集『レンズの向こうに』、05年『貴船』などがある。
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