Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

銀座ニコンサロン


堀越 裕美展
[世界のはて]

2/4 (水)~2/17 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
2/7 (土)、2/8 (日) 休館



<写真展内容>
これまで作者はヨーロッパやアジアの海岸の風景を撮影してきた。それは、海辺の静謐な情景に世界のはじまりと併せたイメージを持ったからだが、作者は海辺に佇むとき、つねに未知の世界が潜んでいるような錯覚を楽しみながら、その空気感を写真に収めてきた。
そして作者は、2005年の秋からまたフランス西北端にあるブルターニュの海岸を撮影する機会を得ることになり、とくにサンマロの海岸の豊かな表情にひかれ、ここを拠点とした。
この海岸線は、潮の満ち引きが激しく、潮の引いた後、幽寂な空気を押し払うかのように、波際に新たな土地を生み、小さな劇場を仕立て上げることもある。ときおり現れる人の影に、どうにか現実に引き戻されるが、その人間の小ささにその土地の大きさを推し量ることができる。
作者は昔、まだフランス語がよくわからないころ、「日本とフランスはどれくらいかかるのかと」との問いに、「2年くらい」と答えたことがあった。そんなにたくさん飛行機に乗っていれば、遥か遠くの惑星にでも到達しそうな時間であると後に思ったが、それもあながち嘘ではなく、このブルターニュの海は何億光年もはなれているのではないかと錯覚するほど、静かで寂寞とした様相を見せることがあることを作者はこの滞在期間中に知ることとなった。
空を覆う雲に憂い、垣間見える広い空に救われ、波際が見せる閉塞と開放の連続に翻弄されつつ海岸の風景に目をやっていると、刻々とまたその海岸の面影は波とともに消し去られ、水平線の向こう側に浜辺での今日の出来事を曖昧にぼかしているかのようであった。
未来への希望と失望を波の退いた砂の上に再び投影しながら、今日の私たちの日常から遠くはなれたその海の日常の風景を目の前にしながらも、まだ遠いどこかの海岸を夢想しているような感覚を覚えながら撮影したものである。カラー36点。



<作者のプロフィール>
堀越 裕美(ホリコシ ヒロミ)
1968年茨城県守谷市生まれ。92年東京綜合写真専門学校卒業。2005年9月~06年9月文化庁新進芸術家海外留学制度によりアトランティック写真センター(Le CAP)ブレスト フランスにおいて写真の研修および制作の機会を得る。
写真展<個展>に、96年「海のはじまり」、99年「海のはじまり2」(以上、フォトギャラリーインターナショナル/東京・虎ノ門)、03年「プロウ」(ギャラリー21/東京・台場)、<グループ展>に、94年「水のなか 森のなか まちのなか」(平永町橋ギャラリー/東京)、98年「Waterproof エキスポ‘98」(ポルトガル/リスボン)、99年「ヘルテン国際写真フェスティバル」(ドイツ/ヘルテン)、01年「骨のない魚 音のない風 間のない物語」(清里フォトアートミュージアム)、「豊穣なる静謐」(ギャラリーヨコハマ)、03年「モン・パリ」(東京・台場)、06年「フォー・ド・サンペール」(フランス/マルク・オン・プレ)、「モン・ドル・イニシアティブ」(フランス/ドル・ド・ブルターニュ)などがある。
ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員