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新宿ニコンサロン


渡辺 行雄展
[海苔製造人]

5/27 (火)~6/2 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
1983年(昭和58年)の12月、作者は山形県からの出稼ぎ海苔職人、菊地尚武―38年(昭和13年)生まれ、鈴木利美―同年生まれ、犬飼祐助―44年(昭和19年)生まれの3名に出会った。
菊地と鈴木の2人は54年(昭和29年)に中学を卒業、その年の秋から大森の海苔養殖漁家で働き始めた(犬飼は79年から船橋に来た)。3人とも農家の長男であった。
大森漁業史によれば、山形県南部村山地方から海苔作りへの季節労働者は、大正期までさかのぼると記され、伝統的産業だった。しかし東京オリンピックの前年の63年(昭和38年)、東京の海から海苔の養殖場は全て消え、高度経済成長時代へと突入する。
山形の人たちは安定した冬場の海苔出稼ぎ職を失った。その一部の人たちは千葉の海へと職を求めたが、その海も工業化への転換を余儀なくされ、大規模な埋め立てが始まった。出稼ぎ者たちは働き場を転々としながら船橋にたどり着いた。そこで菊地や鈴木たちは海苔の出稼ぎを続けた。
85年春、菊地は亡くなり、鈴木は変貌の激しかった東京湾に生きた最後の海苔製造人だったが、2003年春、50年間の海苔作り人生を引退した。
本展はこの3名の海苔製造人を中心としたドキュメントである。モノクロ40点。



<作者のプロフィール>
渡辺 行雄(ワタナベ ユキオ)
1948年千葉県夷隅郡西畑村(現大多喜町)生まれ。67年千葉県立大多喜高等学校卒業。
写真展に、84年「船橋浦」(船橋市役所美術コーナー)、2002年「三番瀬」(船橋市民ギャラリー)、06年「三番瀬眺め入る潮間」(銀座ニコンサロン)などがあり、写真集に『三番瀬』(05年、冬青社刊)がある。
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