Nikon Imaging
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新宿ニコンサロン


東京写真月間2005
熊谷 孝太郎写真展
[はこだて・記憶の街]

5/31(火)~6/6(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
北海道・函館近郊の上磯町出身である作者は、1920~30年代にかけて、函館の繁華街を行き交う人たちにカメラを向け、ロシア革命を逃れて函館に滞在していた亡命ロシア人をはじめとして、さまざまな人物たちが群れ集う街の賑わいを捉えた。
当時は、ヴェスト・ポケット・コダックをはじめとする小型の簡易カメラが普及し、趣味として写真を楽しむアマチュア・カメラマンが、日本各地に多数現れてくる時期に当たっていた。作者もまた、そうした群像の中の一人であったが、絵画的な「芸術写真」がアマチュア写真家の主流であった当時の状況において、路上のデティールをとらえた純粋なスナップ写真を試みたのはきわめて珍しいといえる。
作者には自作を世の中に発表しようという意図がまったくなかったと思われ、その撮影行為は、ひっそりと単独者として、自己のうちに湧く欲求に忠実に突き動かされる中で、繰り広げられていたのではないかと見られる。また、自らが触れたいと思うものの核心に、真っ直ぐに飛び込んでいこうとするような視線が、彼の写真を単に懐古的な趣味をそそるだけではない、もっと血のかよった人々の生き様を感じさせる何かにしているように思われる。
現在、「はこだて写真図書館」で発掘・調査が進められており、全部で数千に及ぶという貴重なガラス乾板から、今回は50点を展示する。



<作者のプロフィール>
熊谷 孝太郎(クマガイ コウタロウ)
1893年北海道生まれ。旧制函館中学中退。1955年没。
写真展に、2001~04年「はこだて・記憶の街 パート1、2、3」(はこだて写真図書館)がある。
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