Nikon Imaging
Japan
プレミアム会員 ニコンイメージング会員

新宿ニコンサロン



西村 文一写真展
[北緯40度~地球連鎖の風景~]

10/26(火)~11/1(月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休



<写真展内容>
東北の北部を通る“北緯40度”に沿って、“風土の現在”を撮影したものである。
北半球の中ほどを通る北緯40度には、北京・タクラマカン砂漠・カスピ海・アンカラ・サルジニア島・マドリード・フィラデルフィア・デンバーなど世界主要国の大都市をはじめ、砂漠や地中海などさまざまな民族が織りなす風土が点在している。
岩手県の三陸海岸・黒崎から、秋田県の男鹿半島・入道崎に至る一帯も、これに連なる北緯40度の地だ。黒崎から入道崎まで延々200km。そこには何ら東京と変わらない都市風景とともに、アイヌ語の地名があり、見慣れない風俗があり、聞きがたい言葉がある。
北緯40度の断面は、一見して画一化の波と無縁であるかのようにも見える。しかしこれは、都市の変化に隠れた東北の素顔ではない。断崖の海岸、吹雪の漁村、山陰の集落、高速道路、新幹線、スキー場、名も無き社、街道沿いの街……。柳田国男のいう山人がどこかに潜みながらテレビを見ている――やがて迫り来る“変異”という抗しがたい南風に吹かれ始めた兆しの風景だと作者は感じる。
戦争、テロ、難民ばかりが報じられる21世紀の世界。同じ地球の空気を吸う人間たちの連帯は、まるで感じられない。世界の中の日本の位置も見失ってしまいそうだ。
こんな新世紀、自分の足元には何があるだろう。同じ緯度を通して世界につながる東北の風景は、今の日本を認識する指標となりうるだろうか。モノクロ50点。



<作者のプロフィール>
1958年岩手県生まれ。大学卒業後日本地名研究所に入り、民俗学者谷川健一氏に師事する。また、現代写真研究所でドキュメンタリー写真を学ぶ。その後フリーランスとなり、“地名”という視点から日本の風土の撮影に取り組む。その最初の成果であり、東北に残るアイヌ語の地名をテーマにした個展「北の群青」により“地名写真家”として本格的なキャリアをスタートさせる。2002年写真事務所(有)ネイチャーアンドヒューマン設立。日本地名研究所嘱託。東北アイヌ語地名研究会理事。
写真展に、2000年「北の群青」(銀座富士フォトサロン)があり、著書に『民族と地名Ⅰ』、『遠野の民俗と歴史』(以上三一書房)、『日本歴史地名総覧』(新人物往来社)、『日本地名研究所通信』(日本地名研究所)などがある。
ニコンイメージングプレミアム会員
ニコンイメージング会員