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鈴木 賢武 写真展沼の婆さんの言い伝え

会期

2018年4月11日(水) 〜 2018年4月17日(火) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

2018年5月17日(木) 〜 2018年5月23日(水) 日曜休館

10:30~18:30(最終日は15:00まで)

開催内容

「沼(ぬま)の婆(ばあ)さんの言い伝え」

私が居を構えた静岡市の郊外は、かつて沼や湿地が広がっていたといいます。何の変哲もない土地柄ですが「沼の婆さん」と愛称される伝承があります。

徳川の治世以前、今川領であったころのこと、一人の武家の娘が沼で亡くなっています。祖母にたいそう可愛がられていたそうです。孫を亡くした祖母の悲しみがどれほどのことであったか、のちに「沼の婆さん」と呼ばれるようになったことがその悲しみを伝えているような気がします。

こうした伝承には尾ひれがつくものですが、今でも近くの寺では「沼の婆さん」の法会が7年に一度執り行われています。

「沼の底に棲んでいるカッパに気をつけよ」「水上様の供養を怠るな」「沼の水を汚してはならない」「木や草に無暗に刃物を入れてはならない」「水を盗むな」、そんな言い伝えが今日まで口伝されたのです。

「沼の婆さん」の伝承を知ることになってから、毎朝の散歩で何気なく見ていた景色が変わりました。ただ、沼の婆さんの言い伝えをよそに、日ごと年ごとに近隣の風景が変わっていきます。何の変哲もない土地にも、開発の槌音が響き、沼や湿地の景色が失われていきます。(鈴木 賢武)

プロフィール

鈴木 賢武 (スズキ ヨシタケ)

1940年 静岡市清水区(旧清水市)生まれ 
1996年 木村仲久氏(1999年歿)に師事し写真を始める
2016年2月 写真展「観山十字路に末枯れていくこと」(銀座ニコンサロン)
2016年3月 写真展「観山十字路に末枯れていくこと」(大阪ニコンサロン)
2018年4月 写真展「沼の婆さんの言い伝え」(銀座ニコンサロン)
2018年5月 写真展「沼の婆さんの言い伝え」(大阪ニコンサロン)

現在静岡写友の会、21の会、三の会所属

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