銀座ニコンサロン 2012年2月

今岡 昌子

写真
トポフィリア -九州力の原像へ
2/1 (水) ~2/14 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休館:2月4日(土)・5日(日)

写真展内容

アジア大陸に接する文明の十字路、古くからさまざまな人や物が往来する九州。
現代日本に息づく普遍的な日常の源流に着目し、個々の知と技の集約による地域力をたどるとき、作者が感じたのは人々の心に宿る土地への愛情「トポフィリア」であった。
新しいもの(わさもん)、多様性を受け入れつつ、大切なものを頑なに守る(もっこす)精神。グローバル化が加速する時代、日本の光を牽引する力の原像に迫る。カラー・モノクロ約50点。

作者のプロフィール

1965年横浜生まれ。紛争や災害による被災地域、アジアやイスラム圏を中心に撮影活動を行う。2001年SSFアワード、02年さがみはら写真新人奨励賞、07年東川賞新人作家賞受賞。
写真集に、『re・birth~ガレキの隣のオンナたち』(窓社刊・03年)、『天山南路~Around the Taklamakan Desert』(冬青社刊・05年)、『トポフィリア―九州力の原像へ』(自費出版・11年)があり、写真展を多数開催している。

会場写真

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原 芳市

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光あるうちに
2/15 (水) ~2/28 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

トルストイが著した『光あるうち光の中を歩め』は、古代キリスト教に生きる2人の若者を通して描く、著者晩年の思想を色濃く示した小説である。
作者はこの小説を知らずに、15年ほど前から「光あるうちに」とタイトルした写真を撮影しはじめていた。
ある日、何気なく古本屋の書棚を見ていた時、作者は薄っぺらな文庫本のタイトルに釘付けになった。それは『光あるうち光の中を歩め』で、作者の「光あるうちに」という作者自身の問に対する解答が、トルストイによって与えられているような衝撃であった。
その後は、トルストイのその小説とは無関係に、そのタイトルだけが作者の脳裏に渦巻くようになり、何を見ても、何をやっていても、常にそのタイトルがリフレインし、何気なく気になって撮影した光景や人やモノは、そのタイトルに導かれて撮影したのだ、と撮影後に思ったりするという。
モノクロ70点。

作者のプロフィール

1948年東京都生まれ。千代田デザイン写真学園中退。
写真展に、73年「東北残像」(キヤノンサロン)、80年「ストリッパー図鑑」、81年「幟の遠景」三人展(以上ニコン)、83年「淑女録」(ミノルタ)、86年「曼陀羅図鑑」(ニコン)、87年「曼陀羅図鑑Ⅱ」(ギャラリーK)、93年「エロスの刻印」、2002年「現の闇」(以上ニコン)、08年「現の闇Ⅱ」(ギャラリー蒼穹舎)、09年「幻の街」三人展(サード・ディストリクト)、「幻の刻」(ギャラリー蒼穹舎)、「常世の虫」、10年「光あるうちに」(以上サード・ディストリクト)、11年「光あるうちにⅡ」(東塔堂)、「光あるうちにⅢ」(バン・フォト・ギャラリー)などがあり、写真集に、『風媒花』『ストリッパー図鑑』『淑女録』『曼陀羅図鑑』『ストリッパーズ名鑑』『影山莉菜伝説』『ザ・ストリッパー』(以上全三巻)、『現の闇』などがあり、著書に『ぼくのジプシー・ローズ』、『ストリップのある街』、『昭和ストリップ紀行』などがある。

会場写真

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ニコンサロン連続企画展 Remembrance 3.11
石川 直樹

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やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る
2/29 (水) ~3/6 (火)
10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会期中無休

写真展内容

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作者ができることはまず動くことだった。断片的な情報に振り回されるのではなく、自分の目でそれを確かめ、自分の言葉で伝える。物資をもって被災地に行くことを決めたのは、震災から二日後の朝だった。
青森の三沢空港から八戸に入り、太平洋沿岸を車で南下した。瓦礫の山が道を塞いでいるため、行けるところまで行って、あとはただ歩くしかなかった。雨に打たれながら、雪に足をとられながら、砂塵に巻かれながら、荒野と化した被災地を歩いていると、あらゆる感情がこみあげてくる。
迂回を繰り返しながら岩手の宮古まで南下し、雪に覆われた山を下って壊滅した海辺の街の風景が視界に飛び込んできたときのことは、今でも忘れることができない。あれから一年が経ち、雪は溶け、街は家の土台を残して、更地になった。
世界はそこに在り続ける。たとえ自分が死んでも世界はそこに在る。言葉が追いつけない涯ての風景を留められるのは、写真しかない。

作者のプロフィール

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1977年東京生まれ。2002年早稲田大学第二文学部卒業。05年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。08年同博士後期課程修了。06年さがみはら写真新人奨励賞、同年ニコンサロンJuna21三木淳賞、08年日本写真協会新人賞、同年講談社出版文化賞、09年東川賞新人作家賞、10年さがみはら写真賞、11年土門拳賞をそれぞれ受賞。
主な個展:05年「THE VOID」(新宿ニコンサロン)、07年「NEW DIMENSION」(銀座ニコンサロン)、「POLAR」(SCAI THE BATHHOUSE/東京)、08年「Mt.FUJI」(銀座ニコンサロン)、「VERNACULAR」(PLACE M/東京)、10年「ARCHIPELAGO」(沖縄県立美術館)、「CORONA」(PLACE M)、「8848」(SCAI THE BATHHOUSE)
主なグループ展:07年「目黒の新進作家―七人の作家、7つの表現」(目黒区美術館)、08年「現代写真の母型2008」(川崎市市民ミュージアム)、09年「ARTIST FILE 2009」(国立新美術館)、「近くから遠くへ」(群馬県立館林美術館)、「Voyages」(パリ日本文化会館)、「日本の新進作家vol.8」(東京都写真美術館)、10年「瀬戸内芸術祭」(福武ハウス(旧女木小学校)/香川)、「トランスフォーメーション」(東京都現代美術館)
主な写真集:05「THE VOID」(ニーハイメディアジャパン)、07年「NEW DIMENSION」(赤々舎)、「POLAR」、08年「Mt.Fuji」(以上リトルモア)、「VERNACULAR」(赤々舎)、09年「ARCHIPELAGO」(集英社)、10年「CORONA」(青土社)