Nikon Imaging
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新宿ニコンサロン 2015年7月

ニコンサロン特別展
大島 洋写真展

写真
そして三閉伊
6/30 (火) ~7/13 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

「三閉伊」とは岩手県の三陸沿岸を中心とする上閉伊郡、下閉伊郡、それに九戸郡をくわえた一帯を指している。江戸時代末の弘化と嘉永の時代、この地を中心に三閉伊通り百姓一揆が起った。作者は20代の半ばから30代にかけて、一揆の跡を追ってひたすらに歩いた。野田、普代、田野畑から田老、宮古、山田、大槌、大船渡、さらに宮城県の塩釜辺りまで、一揆だけでなく東北の歴史と文化のさまざまに思いを至らせながら撮影行を重ねた。飢饉と餓死と少女たちの身売り、紀元前からくり返し押し寄せた大津波、日本の僻地と称された奥深い北上山地、そして生まれ育った盛岡、それらは改めて知り学ぶ東北の位相であり、作者にとっての生の模索と写真の規範を求めるような時間だった。それから後も断続的に通っては、作者は撮り続けた。
2011年3月11日の地震と津波は、この沿岸の町や村をまるごとに呑みこんだ。津波で町や集落の姿が失われても、あるいは大きなダメージを免れることができたとしても、三閉伊を隔てなく歩き、隔てなく撮らないわけにはいかないと作者は思った。あの日から4年余りの時が過ぎたが、もし問われているものがあるとしたら、これからの5年、そして10年をどのように関わっていくことができるかだと、作者は思っている。
銀座ニコンサロンでは「三閉伊」を、新宿ニコンサロンでは2011年の震災と津波以降をそれぞれ中心に展示構成する。
モノクロ約50点(銀座)・カラー約40点(新宿)。

作者のプロフィール

写真

大島 洋(オオシマ ヒロシ)
1944年生まれ。第1回写真の会賞、第28回伊奈信男賞を受賞。

瀬戸 正人写真展

写真
瀬戸家 1941-2015 -バンコク ハノイ 福島-
7/14 (火) ~7/27 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

作者の父は写真館を営んでいたため、家には多くのアルバムが残されていた。そこに収められた小さな写真には、作者の家族と関係する近親者だけが写っているだけの極めてプライベートな写真にもかかわらず、それをスキャンして拡大して見ると、思いもよらない時代の記憶が刻まれていた。
それらは、バンコクからハノイへ、そして福島への越境を通じて見える「記憶の地図」である。

作者のプロフィール

瀬戸 正人(セト マサト)
1953年 タイ(ウドンタニ市)生まれ。75年 東京ビジュアルアーツ卒業。76年森山大道氏の写真塾に参加。79年深瀬昌久氏の助手をつとめる。81年フリーランスとなる。87年にギャラリー「Place M」を開設。
写真展に、83年「バンコク、1983」(銀座ニコンサロン)、84年「街」(新宿ニコンサロン)、96年「Living Room, Tokyo」(コニカプラザ/東京)、96年「Muang HANOI」(ポラロイドギャラリー/東京)、07年「binran」(銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン)がある。また、95年東京都写真美術館の開館記念展「写真都市Tokyo」出展、06年国際交流基金の企画で世界各都市での巡回展に参加している。
受賞歴に、89年日本写真協会新人賞、95年東川賞新人作家賞、96年第8回写真の会賞、同年第21回木村伊兵衛写真賞、99年第12回新潮学芸賞受賞、2008年日本写真協会年度賞がある。
写真集と著書に、89年「バンコク/ハノイ」(IPC)、95年「Silent Mode」(モール)、同年「Living Room, Tokyo」(新潮社)、98年「トオイと正人」(朝日新聞社)、06年「picnic」(Place M)、08年 「binran」(リトルモア)がある。
また、東京都写真美術館に「バンコク/ハノイ」「Living Room, Tokyo」、川崎市民ミュージアムに「Living Room, Tokyo」「Silent Mode」、ゲティー美術館(ロサンゼルス)に「picnic」、エルトン・ジョンコレクションに「Living Room, Tokyo」「picnic」「binran」、福島県立美術館に「Living Room, Tokyo」がコレクションされている。

juna21 大坪 晶写真展

写真
Shadow in the House #01/#02
7/28 (火) ~8/3 (月)
10:30~18:30(最終日は15時まで)
会期中無休

写真展内容

Shadow in the House シリーズは、複雑な歴史を持つ家の室内に影を配して撮影している。場所は、チェコ共和国のプラハと奈良の大和郡山で、二つの家は所有者が重層的に入れ替わり、現在は公共施設として使用されている。
影は心理学的には生きられなかった自己の中に存在する他者であり、哲学者プラトンは、われわれが現実に見ているものはイデア(姿)の影に過ぎないと仮定した。
作者は、写真に長時間露光によって影を写し込むことにより、記憶の重層性について考え、個と社会、記憶と記録の関係性について提示している。

「Shadow in the House #01」
チェコ共和国プラハにあるBehal Fejer Institute(べトナ・ホラー・インスティチュート)は、1928年に個人の邸宅として建設された。第二次世界大戦中は軍事的に占領され、戦後の共産主義体制の元、政府から教会に貸与された。所有者のべトナ・ホラーは、政府により全ての私有財産を奪われ、家族とともにアメリカに亡命した。ホラーはその後故郷プラハに帰ることはなかった。1989年のビロード革命により、共産主義体制は崩壊した。その後、遺族が返還請求の裁判をおこし、2001年に返還された。現在、この施設は孫のIlona Wiss(イロナ・ウィス)によって管理されており、公共施設として人々を受け入れている。この写真群は、イロナの協力によって、歴史的背景と彼女が担父から聞いたいくつかの逸話をもとに撮影したものである。

「Shadow in the House #02」
旧川本邸(奈良県大和郡山市)は大正時代に建設された。1958年まで遊郭として使用され、風営法の制定により遊郭を廃業した後には、客を接待していた小部屋は下宿として間貸しされた。
2010年市民のボランティアにより改修が開始され、現在は市の指定管理施設として町の保存団体が管理している。14年に登録有形文化財に指定され、今後、市による耐震化工事を経て、本格的な活用が始まってゆく。今回は、奈良芸術祭「はならぁと」のプロジェクトの一環としてキュレーターや保存団体の方々の協力を得て撮影を行うことができた。この邸宅には、当初遊郭として多様な人々が行き来し、その後間借りした人々が生活した痕跡が部屋の随所に存在している。カラー15~20点。

作者のプロフィール

大坪 晶(オオツボ アキラ)
1979年兵庫県生まれ。2011年東京藝術大学先端芸術表現科専攻修士課程修了、13年プラハ工芸美術大学(AAAD)M.F.A。
写真展に、「Shadow in the Mirror」(11年Juna21新宿ニコンサロン、12年Juna21大阪ニコンサロン、14年奈良芸術祭「はならぁと」(奈良県大和郡山)、14年Gallery UNITE KYOTOGRAPIE KG+(京都)などがある。
海外の写真展では、12年DOX プラハ現代アートセンター(チェコ・プラハ)、13年MUNIKAT gallery (ドイツ・ミュンヘン)、同年B?hal Fejer Institute (チェコ・プラハ) 、同年Nordart2013(ドイツ・レンツブルグ)などがある。

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