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新宿ニコンサロン 2010年7月

清水 さち子

写真
大間 to Pu ~視点
6/29 (火) ~7/12 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

青森県大間町の原子力発電所建設予定地内の炉心近くに、一人の地元の女性の畑と土地が守られている。ただこの豊かな海や森や土地を守りたいという思いで、一人土地を守ってきたこの女性は熊谷あさ子という。
作者が初めてこの地を訪れたのは2006年12月だったが、熊谷さんはこの年の初夏に亡くなられ、残念ながら作者は熊谷さんとは一度も会ったことはない。今は、彼女の遺志を継いで家族がそこを守っている。
原子力発電所は、もともと大間の町の人達の畑があったところに建設されたが、そこには白い砂浜が続く白砂海岸があり、その海岸線から丘陵になっている場所だ。これらの場所に実際に建設の手が入ったのは2001年からだが、大間の町に原子力発電所の建設計画が起きたのは1976年のことで、この長い期間に残ったのは熊谷さんの土地だけだった。作者がカメラを向けたのは、その場所である。
作品は、2006年12月から2009年5月までの、その畑や周辺の模様を撮影したものである。カラー作品。
※タイトルの「Pu」は、プルトニウムの元素記号。

作者のプロフィール

清水 さち子(シミズ サチコ)
1969年岐阜市生まれ。92年群馬県立女子大学美学美術史学科卒業。97年東京綜合写真専門学校夜間部卒業。99年同校研究科卒業。
写真展に、99年「いつもみている夜」(ゆう画廊)、2001年「夜―2、3」(ギャラリー コピス)、06年「夜―3と4」(再春館ギャラリー)、07年「TO PU」(現代ハイツギャラリーDEN)―以上個展、00年「12 43 写真展」(ギャラリー イセヨシ)、01年「夜―2」(エッグギャラリー)、03年「写真展」(ギャラリー コピス)、08年「Life with music」(ギャラリー スコット)、09年「はなしゃしん」(ビタミンTee)―以上グループ展等―などがある。

山脇 敏次

写真
Fishes in the pond
7/13 (火) ~7/26 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

池という限られた空間を遊泳する魚。それを光と影が織りなす一つの宇宙、無限空間として捉えた作品である。
泳ぐ姿は、束縛なき自由……日常の営みをひっそりと淡々と続けている。静寂の中、池に小石を投げ入れると、さっと反転し、水紋はうたかたと消え、何事もなかったかの様に、無言(しじま)が戻る。
人の場合、ある地点から別の地点に移動する時、時間の概念が生まれる。魚は遊泳することで移動はするが、水の中でのポイントは曖昧で、そこでは時間という概念は消失してしまう。そんな無時間性、有限の中の無限性を表現しようとしている。
人から見れば、水を通して池の中は狭い世界に感じられるが、魚から見れば、水面の向こう側は不安や閉塞感、焦燥感に溢れた住みにくい世界に映るかもしれない。
たわいない風景であるが、「たわい」を思慮と捉えると、思慮なきものから、無心であるが故の思慮を授けられたようでもある。モノクロ33点。

作者のプロフィール

山脇 敏次(ヤマワキ トシツグ)
1956年東京生まれ。独学で写真・絵画を学び、個展を中心に作品を発表。
写真展に、2006年「仮借なき厳粛」(村松画廊)、07年「光・水・風のイマージュ」(玉川高島屋S.Cルーフギャラリー)、08年「Land scape」(U.K.S ギャラリー)などがある。

juna21 大佐 彩子

写真
ASIAN PERSONALITIES
7/27 (火) ~8/2 (月)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者は、彼らのファッションにアイデンティティが表現されると思っていた。ところがレンズ越しに見る被写体の表情に、ただただ釘付けになった。作者は何か得体の知れないオーラにかき消され、気付くと夢中でシャッターを押していた。
足の裏から頭の先まで、筋肉や皮膚、神経といった構成される肉体の全てが彼らの目に集約されていた。年齢も性別も関係なく、誰もが力強く、決して同じではなかった。作者はそれこそがアイデンティティであり、生きていることそのものだと感じた。
なぜこんなにも強く惹かれるのか? なぜこんなに強い目を持っているのか?
作者は彼らの背景を何も知らない。けれども多くの人は経済的に豊かであるとは言えなかった。生まれ持った民族を生き、環境も、家族も、他人をも受け入れる。しかし、それは決して受け身ではなく、自己に真っ直ぐで、与えられた生活の最大限をしっかりと生きているように見えた。
自分の過去を信じ、同じように明日や未来を「無抵抗」に信じる力が、彼ら自身のアイデンティティを築き上げていた。そうした生きる力が肉体的に表現され、作者に注がれた時、もはや洋服や民族衣装は脇役でしかなかった。
どのような事情でどのように装いを選ぼうと、これから先も彼らのアイデンティティが消えることはないだろう。カラー40点。

作者のプロフィール

大佐 彩子(オオサ アヤコ)
1985年京都生まれ。2009年日本写真芸術専門学校卒業。現在同校研究科在学中。

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