Nikon Imaging
Japan
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銀座ニコンサロン 2010年4月

山下忠志

鉄の人
3/31 (水) ~4/13 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者の父親が経営していた山下製作所――鉄製品加工工場閉鎖までとその後を記録した作品である。
父親が始めた鉄をアーチ状に曲げる加工工場は、約35年間続いた。その工場を閉じることになったのを機に、作者はそこで働く人たちや、自分が幼いころから親しんできた工場の昔の記憶と今をカメラに収めた。
工場は閉められ、そしてそれからの姿を、およそ3年間にわたって記録している。モノクロ約50点。

作者のプロフィール

山下 忠志(ヤマシタ タダシ)
1976年生まれ。ビジュアルアーツ専門学校卒業。「夜の写真学校」8期生。2000年イイノ・ヒロオスタジオ退社後フリーランスで活動。
写真展に、2000年「Golden Art Wave Part2」出展、02年「TAMAVIVANT」出展、04年「其処にあるもの其処にいること」(新宿ニコンサロン・Juna21)、06年同(大阪ビジュアルアーツギャラリー)、08年「さよなら日本」(新宿ニコンサロン)などがある。

安島 太佳由

時代瞑(つむ)り~太平洋戦争激戦の島々
4/14 (水) ~4/27 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)

写真展内容

太平洋戦争中、ガダルカナルやニューギニアなどの南太平洋の島々では、日米軍による激戦が繰りひろげられ、数多くの戦死者を出した。しかし、戦死した日本の兵士たちの7割が、戦闘死ではなく餓死や病死といった悲惨な戦場だったのである。そして今もなお100万人を超える兵士たちの遺骨は、この南冥の地で眠ったまま、いまだ故郷に帰ることすらできていない。
戦争を知らない戦後世代が数多くを占める現在では、戦争記憶の風化が年々進み、このような大事なことが何もなかったかのように忘れ去られようとしている。
300万人以上の戦死者を出した先の戦争は、わずか60数年前のことである。この歴史上の大事件がそんなに簡単に忘れ去られ、語り継がれていかない状況は大問題だと思った作者は、このような危機意識を持ちながら、太平洋戦争の激戦の島々を訪ね歩いた。
本展は、プロジェクト「若い世代に語り継ぐ 戦争の記憶」の企画作品として発表するもので、作者は、一人でも多くの若い世代の人たちに見てもらい、戦争の事実を知り、その愚かさ、悲惨さ、そして命の尊さを共に考える機会にできればと願っている。モノクロ約45点。

作者のプロフィール

安島 太佳由(ヤスジマ タカヨシ)
1959年福岡県生まれ。81年大阪芸術大学写真学科卒業。大日本印刷(株)写真部、広告制作会社などを経て、93年安島写真事務所を設立。フリーランスとして活動を始める。95年より日本の戦跡をテーマに活動を続ける。平成6年度文化庁芸術インターシップ研修員。2002年第8回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞。日本写真協会会員。
写真展に、「戦跡が語る本土決戦」「記憶のない戦争」「闇に眠る小笠原」(以上ニコンサロン)など16回開催。
写真集・著書に『東京痕跡』『日本戦跡』『特攻漂流』『要塞列島』(以上窓社)、『日本の戦跡を見る』(岩波ジュニア新書)などがある。

第29回土門拳賞受賞作品展
鈴木龍一郎

写真
RyUlysses(リュリシーズ)
4/28 (水) ~5/11 (火)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会期中無休

写真展内容

作者がアイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の影を追いながら、ダブリンの街を彷徨いつつ、パノラマ・カメラで<死と生の間(あわい)>を記録した作品である。撮影期間は2004年から2009年4月までの6年間で、ダブリンへの渡航をくり返し、撮影した。
サンディコーヴの海岸からリングズエンドを経てダブリン市街へ。オコンネル通りを中心に路地から路地へ。そして、ホース岬からパワーズ・コートへ。往きかうダブリン市民の表情から、壁に広がる落書きや飛ぶ鳥の影まで。作者は歩き回るほどに、無限に連鎖してゆくカオスの世界をシャッターを切っては写真化してゆく。
「塔の前のソバカス少女」「食事する山高帽男」「刑務所の壁」「夕闇のキングズタウン駅」「SM館のある路地」「テンプルバーの花嫁」「海辺に立つ家出少年のポスター」等々、モノクロ・パノラマ作品約40点を展示する。
尚、タイトルの「RyUlysses(リュリシーズ)」は、『ユリシーズ(Ulysses)』に作者の名(Ryu)を組み合わせたものである。

受賞理由

「リュリシーズ」は、アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の影を追いながらダブリンの街を彷徨い、過去と現在、生と死の境を追い求めた作品。パノラマ・カメラで記録された街の光景は、卓抜なる技術を持ちながら技術主義に陥ることなく、ヨーロッパそのものを浮き上がらせ、作者の写真表現のさらなる深化を具現しており、長年にわたり真摯に写真と取り組んできた精神性が高く評価された。

作者のプロフィール

鈴木 龍一郎(スズキ リュウイチロウ)
1942年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、フリー写真家となり現在に至る。75年「聖印度行」により第12回太陽賞受賞。2008年写真集『オデッセイ』により日本写真協会賞年度賞受賞。日本写真家協会会員。
写真集に、『MOGUS わが友モーガス』(93年小学館・文/C.W.ニコル)、『オデッセイ』(07年平凡社)、『ドルック』(08年平凡社)、『リュリシーズ』(09年平凡社)などがあり、個展を多数開催している。

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