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2023年12月の星空

毎年12月中旬に見られる「ふたご座流星群」。今年は月明かりの影響がなく、夜間にピークを迎えるおかげで、多くの流れ星を目にできそうです。防寒の備えを万全にして観察しましょう。この一年に出会った天文現象や見上げた星空を思い返しながら、来る新年にも期待を込めて、流れ星に願うのも良いかもしれませんね。冬の星々とともにお楽しみください。

星空写真

静岡県 富士山御殿場口新五合目にて
富士山とアンドロメダ銀河の愛称で親しまれているM31との組み合わせを、明るく描写力に優れたNIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plenaで追尾撮影しました。富士山の星空にポツンと輝くM31が、何か饒舌に語りかけてくるように感じます。

2023年10月16日 4時11分
ニコン Z 6II+NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena(ISO6400、露出10秒、f1.8)
撮影者:高岡 誠一

12月の星空

南の空

南の空

2023年12月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た南の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、上弦(20日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

北の空

北の空

2023年12月1日ごろの22時、15日ごろの21時、30日ごろの20時に、東京で見た北の星空の様子です。大阪ではこの時刻より約20分後に、福岡では約40分後に同様の星空になります。
月は、満月(27日)の位置を入れてあります(時刻は21時)。

天文カレンダー

1日(金) 未明~明け方、月とポルックスが接近
宵~翌2日未明、月とポルックスが並ぶ(明け方とは並び方が変わります)
4日(月) 未明~明け方、月とレグルスが並ぶ
5日(火) 下弦(夜半に東の空から昇り、明け方に南の空に見える。下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
未明、月とレグルスが並ぶ
9日(土) 未明~明け方、細い月と金星がやや離れて並ぶ
未明~明け方、細い月とスピカが接近
10日(日) 未明~明け方、細い月と金星が接近(「今月の星さがし」で解説)
13日(水) 新月(下弦~新月は夜空が暗く、星が見やすくなります)
15日(金) ふたご座流星群の活動がピーク(「今月の星さがし」で解説)
18日(月) 夕方~宵、月と土星が並ぶ
20日(水) 上弦(日没ごろに南の空に見え、夜半ごろ西の空に沈む)
22日(金) 冬至(北半球では、一年のうちで一番夜が長い日)
夕方~翌23日未明、月と木星が接近(「今月の星さがし」で解説)
27日(水) 満月。次の満月は来年1月26日です
28日(木) 宵~翌29日明け方、月とポルックスが大接近
31日(日) 宵~翌1月1日明け方、月とレグルスが接近

12月の惑星

水星

15日ごろまで、夕方の南西の低空に見えます。

日の入り30分後(東京で17時ごろ)の高度は7度前後と低いのですが、水星としては見やすいほうです。スマートフォンのアプリなどで位置の見当をつけて、地平線付近まで見晴らしが良い場所で探しましょう。双眼鏡を使うと見つけやすくなります。

金星

「明けの明星」として、未明から明け方の南東の空に見えます。

日の出1時間前(東京で5時40分ごろ)の高度は約25度で、やや低めですがよく見えます。マイナス4.1等級前後ととても明るいので、日の出直前まで(位置さえわかれば日の出の後でも)見ることができるでしょう。冷たく冴えた空気の中に光る明星の輝きには、格別の鋭さが感じられます。

9日と10日、それぞれの未明から明け方に、細い月と並んで見えます。金星だけでも、あるいは細い月だけでも、夜明け空に見える光景は美しいものですが、その両者の共演なのでいっそう見応えがあります。ぜひ早起きしてご覧ください。

火星

太陽に近く、見えません。次は来年5月ごろから、明け方の東の空に見えるようになります。

木星

「おひつじ座」にあります。18時ごろに南東の空、20時30分ごろに南の空の高いところに見え、3時ごろに沈みます。明るさは約マイナス2.7等級です。

宵の時間帯に高く昇っていて、先月に続き観察の好期です。高いおかげで建物などに隠されにくく、街中でもよく目立ちます。空が暗くなるのが早い時季ですから、人目を引くことも多いでしょう。太陽系最大の惑星の威光を、存分に感じられそうです。

肉眼でもよく見える木星ですが、天体望遠鏡で観察すると縞模様や4つのガリレオ衛星が楽しめます。ガリレオ衛星は双眼鏡でも見えるかもしれません。衛星の並び方が日々変わる様子を追ってみましょう。

22日の夕方から23日の未明、上弦過ぎの明るい月と接近します。眺めたり、街の風景と一緒にスマートフォンで撮影したり、それぞれを望遠鏡で観察したりしてお楽しみください。

土星

「みずがめ座」にあります。18時ごろに南西の空に見え、22時ごろに沈みます。明るさは約0.9等級です。

20時ごろには高度が下がってしまい観察しづらくなりますが、日没が早い時期なので、観察可能な時間はじゅうぶんあります。木星と合わせて楽しみましょう。天体望遠鏡で見ると、環の見え方がかなり細くなっていることがわかります。お持ちでなければ、天文台や科学館などで開催される天体観察会がお勧めです。

18日の夕方から宵、上弦前のやや細い月と接近します。木星と同様、様々な方法で観察や撮影をお楽しみください。

今月の星さがし

14日から15日ごろ、ふたご座流星群の活動がピークを迎えます。今年はとても条件が良く、たくさんの流れ星が見られるでしょう。2つの明るい惑星、木星と金星も、引き続き見ごろです。

14~15日ごろ、ふたご座流星群

毎年12月中旬ごろに活動がピークとなるふたご座流星群は、寒いことを別とすれば一年で最も見やすい流星群です。

といったことが理由です。

活動が安定しているので、条件が同じであれば毎年同じくらいの数の流れ星が見られることになります。実際には、ピークとなる時間帯が昼か夜か、ピークのころに月明かりの影響を受けるかどうか、などの条件が毎年変わるので、これらを考慮して各年の見え方が変わってきます。

今年の場合、ふたご座流星群の活動が最も活発になるのは15日の未明4時ごろと予想されています。つまり、前日14日の宵から15日の夜明けごろまでが一番見やすい夜ということになり、その夜の間にピークを迎える好条件です。また、13日が新月なのでピークのころには月明かりの影響はまったくありません。この点でも好条件なので、今年はとても多くの流れ星が見えると期待できます。街明かりがなく見晴らしが良い場所なら、1時間あたり30個以上見えるでしょう。一晩の合計なら150~200個見える可能性もあります。

12月15日2時ごろの空の様子(場所の設定は東京)。流れ星は放射点(「ふたご座」の方向)を中心とした空全体に飛ぶように見える

流れ星観察の一番のポイントは、空を広く見渡すことです。流れ星は、ふたご座の方向「だけ」に飛ぶのではなくふたご座(放射点)を中心として「空のあちこち」に飛びます。東西南北、頭の真上から地平線の近くまで、どこにでも流れるので、肉眼で広い範囲を眺めましょう(双眼鏡や天体望遠鏡は必要ありません)。同じ理由で、なるべく視界が開けたところで観察するほうが、流れ星を見やすくなります。また、当然ですが、空が暗い場所のほうが見やすくなります。とはいえ、不慣れな場所での観察は避けましょう。安全面やマナー(大声で騒がないなど)にも、じゅうぶん注意してください。

1時間に30個見えるとすると平均では2分間に1個見えることになりますが、流れ星の飛び方はランダムなので、しっかりと防寒して15分くらいは待ってみましょう。空が明るく開けていないようなところでも1時間に5~10個は見られる可能性があるので、遠出せずに家の近くで気軽に見上げてみるのもよいでしょう。ピークの前後数日間も、数は減りますが流れ星を見られるチャンスはあります。1つでも多くの流れ星が見えますように。

明るい2惑星と月の接近

宵空に「おうし座」や「オリオン座」など冬の星座が広がる中、頭の真上あたりでひときわ明るく輝く星があります。太陽系最大の惑星の木星です。ほぼ一晩中見ることができる観察好期で、とくに天体望遠鏡では縞模様やガリレオ衛星を楽しめます。小型の望遠鏡でも見えるので、お持ちであれば向けてみましょう。天文台や科学館などの観察会なら、大きい望遠鏡を覗かせてもらえるかもしれません。

また、明け方になると南東の空に、木星よりもさらに明るい、眩しいほどの輝きを見せる星があります。「明けの明星」の金星です。あまり望遠鏡で見る機会はないかもしれませんが、拡大すると半月のような形になっていることがわかります。地球から見ると金星は満ち欠けして、丸くなったり三日月のように細くなったりします。

12月10日5時、22日18時の空の様子(場所の設定は東京)。大きい円は双眼鏡で見たイメージ(視野6度)、小さい円はさらに拡大したイメージ(正立像、月と惑星で拡大率は異なる)

こうした明るい惑星が月と並ぶ光景は、望遠鏡がなくても手軽に眺めて楽しむことができます。今月の場合、月と金星は10日の未明から明け方にかけて(9日にも間隔が広いですが並びます)、月と木星は22日の夕方から23日の未明にかけてです。とくに月と金星の共演は、夜明けの空の色が変わっていく様子と一緒に眺めることができ、心が洗われるような気持ちになるでしょう。寒い時期ですが、ぜひ早起きしてご覧ください。風景を入れて撮影するのもお勧めです。

月と木星の接近はちょうど冬至の日の現象です。一年で最も長い夜を味わいながら眺めてみるのも面白いかもしれませんね。図は18時の例ですが、17時ごろから2時ごろまで見えますので(方位や高さは変わります)、一晩のうちに何度か観察してみてはいかがでしょうか。

今月の星座

くじら座

全天88星座のうち4番目に大きい「くじら座」は、12月中旬の夜20時から21時ごろ南の空に大きく広がっています。明るい星は少ないですが、星座の西(右)の端にある2等星ディフダと、東(左)の端の3等星メンカルが見つけられれば、その間が「くじら座」だと見当がつけられます。どちらもオレンジから赤っぽい色をしているので、色も頼りにして探してみましょう。今シーズンは頭のあたりに明るく輝く木星も目印になります。

「くじら座」(銀河の画像クレジット:ESO DSS2 (AURA))

ディフダはくじらの尻尾、メンカルは鼻先にあたります。夜空でディフダからメンカルまでの間隔を眺めると、いかにもくじららしい大きさを実感することができるでしょう。

星座絵には私たちが知っているくじらとは似ても似つかない生き物が描かれていますが、ギリシャ神話に登場する、海を荒らした怪物がモデルです。王女アンドロメダを襲おうとしたところ、その場に偶然通りかかった勇者ペルセウスに退治されてしまいました。「アンドロメダ座」「ペルセウス座」も今の時期に見やすい星座なので、「くじら座」と合わせて眺めてみてください。くじらとアンドロメダは離れた位置にあるので、もう心配ありませんね。

銀河M77

くじらの口元あたりに、M77(Mはカタログの符号)という番号が付けられた銀河があります。空の暗いところで天体望遠鏡を使わなければ見えない天体ですが、その正体は私たちのいる天の川銀河よりもはるかに大きく重い、巨大な銀河です。中心には太陽1000万個分もの巨大な質量を持つブラックホールが存在すると考えられていて、一方で周囲には過去に小さい銀河を飲み込んだ証拠と思われる構造が見つかっています。怪物の星座に、怪物のような銀河があるのは、ちょっと面白いかもしれません。

天王星

くじらの頭の上あたり(領域は「おひつじ座」)に天王星があります。木星などを目印にして、双眼鏡を使って星をたどると比較的簡単に見つけられるので、ぜひ探してみましょう。日付や時刻によっては図を傾けないと実際の見え方と一致しないことがあるので、星の配列をよく確かめるのがポイントです。

天体望遠鏡で見ると青緑色の小さな小さな円盤状の姿をとらえることができます。公開天文台や科学館で見られるチャンスがあるかもしれませんので、天体観察会などに参加してみるのもいいでしょう。もちろん、木星の縞模様やガリレオ衛星もお楽しみください。

真夜中の星空

夜遅く帰ってくる人のため、ちょっと夜更かしの人のため、真夜中の星空をご案内しましょう。

図は12月中旬の深夜1時ごろの星空です。来年1月中旬の深夜23時ごろ、2月中旬の夜21時ごろにも、この星空と同じ星の配置になります(惑星は少し動きます/月が見えることもあります)。

2023年12月中旬 深夜1時ごろの星空

真南の空に「冬の大三角」が見えています。明るく形が整った三角形はよく目立ち、一年を通じて最も見やすい星の並びといえるでしょう。3つの星の色の違いにも注目してみてください。冬の大三角を中心として他の1等星も見つければ、クリスマスや年末を迎えた地上のイルミネーションにも負けない美しい夜空が楽しめそうです。

関東地方より南の地域では、南の地平線近くに「りゅうこつ座」のカノープスも見えるかもしれません。一目見ると寿命が延びると言われる縁起の良い星です。天候や観察場所の条件に恵まれた日には、ぜひ探してみてください。

この空の様子は新年を迎えるころ、つまり2024年1月1日の0時とほぼ同じです。除夜の鐘を聞きながら夜空を見上げると、こんな星々が見えるというわけです。2024年も美しい星空や天文現象に出会えること、安心して星空を楽しめる世の中となることを願いながら、よい新年をお迎えください。

星空観察のワンポイントアドバイス

季節の星座や天体の動きを観察する星空観察。実は、ちょっとした知識や下準備で、得られる楽しさが大きく変わります。ここでは、流星の見つけ方や星座の探し方、場所選びや便利なグッズなど、星空観察をよりいっそう楽しむためのポイントをご紹介します。

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