“この惑星の色”
宇宙を巡るこの惑星は、46億年ほど前にミニ惑星との合体などで出来上がったと言われている。初めは高温でドロドロだった地球は、やがて冷えて水が存在するまでになり、その後少しずつ生命が誕生していった。太陽の光が当たり、大気も岩石も水も地衣類も、そのものが本来もった色を発し、存在をアピールするようになった。地球が美しいと思えるような風景を見せ始めたのはこのころなのだろうか。アイスランドを回っていると、まるでそんな原初の地球を見ているような気分になってくる。
地球の磁気圏と電離層の間の放電現象が、
夜空を妖しく、そしてカラフルに染める。
分厚い空気の層を通り抜けて赤く染まり、
毎日地面を溶かすように沈んでいく太陽。
地中から湧き出る温泉の湯気に斜光が当たる。
クリアな空を落下する滝。
その向こうに真っ赤な夕日が沈んでいく。
太陽を背にして滝つぼを見下ろしたら、
そこに丸い虹がくっきりと現れていた。
太陽の光は透明だが、
雨粒がプリズムとなって七色に分解しアーチを創る。
赤い物質とは、赤だけを反射する物質であり、
白い物質とは、すべての色を反射する物質である。
そこに太陽の光が差していても、
反射する物質がないと光の存在が分からないのと同様に、
光が差さないと物質の秘めた色や美しさは分からない。
水が大地を流れ、
そこに緑の生命を産み出し繁殖させていく。
植物たちがひとつのサイクルを終えて色を変え、
大地を華やかに彩る。
真っ黒な溶岩砂の上を這うように、
赤い実を付けた植物が繁殖を広げる。
以前は温泉として入浴できていた天然洞窟温泉。
色も湯加減もいい具合。
海に入った氷河が砕けて解けて再び陸地に打ち上がり、
ビーチを美しく飾る。
傾いた太陽の光を浴び、
温かみのある色に染まる氷のオブジェ。
早い動きでどんどん色や形を変えていくオーロラ。
タイムラプスが追い付かないほどだった。
早い動きでどんどん色や形を変えていくオーロラ。
タイムラプスが追い付かないほどだった。
2015年12月、自然写真家 高砂淳二が独自の視点で自然の姿とその営みを捉えるスペシャルコンテンツ『THE PLANET』が公開されました。そして今年、Nikonの製品を駆使して撮影した作品を、ニコン公式サイトを中心に、写真展、写真集および各種メディアで立体的に公開するプロジェクトを『THE PLANET』をキーワードに展開します。
このプロジェクトでは、かけがえのない地球、そして自然の大切さを、写真を通じて伝えていくことを主な目的に、高砂淳二とNikonが共に力を合わせてその果てしない魅力を表現していきたいと思っています。高精細な画像表現で展開される、優しさと豊かさに包まれた独自の世界観をさまざまな場面でお楽しみください。