切り換えスイッチで2つの焦点距離は瞬時に切り換え可能。被写体との距離が頻繁に変わるため素早く画角を変更したい場合に非常に便利で、決定的な瞬間を逃さず捉えられます。レンズを交換する頻度が減るため、過酷な環境でもカメラにほこりが入り込むリスクを最小限に抑制。また、外付けのテレコンバーターや複数のレンズを持ち歩く必要がなく、負担を大幅に軽減して多様なシーンを撮影できます。
焦点距離をさらに延長したい場合は、別売の1.4倍テレコンバーター※1(焦点距離1176mm:内蔵テレコンバーター + Z TELECONVERTER TC-1.4x)、2.0倍テレコンバーター※1(焦点距離1680mm:内蔵テレコンバーター + Z TELECONVERTER TC-2.0x)も使用可能。Z 9での動画撮影時には、焦点距離の約2.3倍相当の画角(焦点距離1930mm:内蔵テレコンバーター + [2.3倍]クロップ)の映像を切り出すこともできます※2。
最新の加工技術で先端の大口径レンズを薄くするとともに、他のレンズを先端から離すことで小径化。さらに鏡筒にマグネシウム合金を採用することで、テレコンバーターを内蔵しながら、AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VRより約550gも軽い、質量約3260gを実現しています。
また、プロフェッショナルユーザーの持ち運びを考慮し、国際線の機内に持ち込める大きさのバッグに収納できるサイズを実現。預けることで生じる紛失や損傷のリスクを回避でき、安心して持ち運べます。
SRレンズ2枚、蛍石レンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚、EDレンズ3枚を使用した贅沢なレンズ構成で、色収差を含むさまざまな収差を効果的に補正。シャープな描写で、絞り開放から画像の隅々まで極めて高い解像感を実現します。さらに、超望遠レンズでありながら無限遠から近距離まで色にじみが少なく、近距離性能もAF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VRから大幅に向上。内蔵テレコンバーターを含め総合的に光学性能を品質管理しているため、焦点距離840mmでも高い描写力を発揮します。
青より短い波長の光を大きく屈折させる特性を持つ、ニコン独自開発の特殊高分散ガラスを使用したレンズ。補正が難しい短波長の光を制御することで、各波長の光をより高度に集光できるようにし、高精度な色収差補正が可能になります。また、通常の光学ガラスと同様に使用できるためレンズ構成の自由度が向上し、高い光学性能を実現しながらレンズの小型・軽量化にも寄与します。
蛍石は、赤外領域から紫外領域にわたって高い透過率を有する結晶素材です。特殊な異常部分分散性があり、可視光域で優れた色収差補正能力を示します。焦点距離が長くなるほど難しくなる色収差補正が、蛍石レンズを使うことで2次スペクトルを徹底的に除去することが可能となり、極めて効果的に色収差を補正します。また、光学ガラスに比べて軽いため、レンズの軽量化にも貢献しています。
開放F値が4と明るいため、様々な撮影シーンで、より速いシャッタースピードを使って撮影可能。高速で駆け抜けるサーキットのバイクなどの撮影でも、手ブレや被写体ブレを軽減できます。
さらに、浅い被写界深度がもたらす大きく自然なボケ味を活かし、被写体を自然に際立たせる立体的な描写が可能です。
NIKKORレンズ史上最高の反射防止効果を持つコーティング「メソアモルファスコート」と、優れた反射防止効果が高く評価され続ける「ナノクリスタルコート」との組み合わせによって、様々な方向からの入射光によるゴーストやフレアを低減。画面内に強い日差しやクルマのヘッドライトなどが入り込むような厳しい光の条件下でも、抜けの良いクリアーな画像が得られます。
AF駆動用モーターにニコン独自の「シルキースウィフトVCM(SSVCM)」を採用し、従来のあらゆるシステムを凌駕する、高速化、高精度化、静音化を同時に実現。駆動音はほぼ無音レベルまで抑えています。
「シルキースウィフトVCM」の優位性は、AF駆動部の振動を効果的に抑制する「ガイド機構」や、AF精度向上に寄与する「光学式ABSエンコーダー」※などの先進技術によって強化。重いレンズでも正確かつ高速に制御でき、騒音や振動も少ないため、シャッターチャンスを逃すことなくシャープなピントの画像をより確実に撮影できます。
「シルキースウィフトVCM」の採用によって実現した卓越したAF性能が、プロフェッショナルをはじめとする多くのユーザーの、AFに対する厳しい要求に応えます。
強力なレンズシフト方式手ブレ補正(VR)機構は、ブレ補正効果が5.0段と高く、手ブレの影響を受けやすい超望遠撮影時や低照度環境下でも、ブレを効果的に抑えた鮮明な画像が得られます。Z 9との組み合わせでは、カメラボディー内のセンサーシフト方式VRとレンズ内のレンズシフト方式VRが連動。より高い5.5段※の補正効果を発揮する、シンクロVRが適用されます。
さらに、プロフェッショナルフォトグラファーから高く評価されている[SPORT]モードも搭載。ファインダー像で適度なブレ補正効果が安定して得られるため、止まったり動きだしたり動きの変化が激しい被写体を追いやすく、また、動きの速い被写体の流し撮りもしやすいので、意図した構図で容易に捉えられます。
鏡筒には堅牢性の高いマグネシウム合金を採用。鏡筒の可動部分をはじめ随所にシーリングを施し、さらにレンズマウントゴムリングを採用して、高い防塵・防滴性能を確保しています。また、レンズ最前面には、優れた防汚性能で汚れが付着しにくく、付着した場合も簡単に拭き取り可能な、フッ素コートも採用。過酷な条件下でも安心して撮影に集中できます。
内蔵テレコンバーター切り換えスイッチは、カメラグリップを持ったまま右手の指で操作できるように最適な位置に配置。撮影を中断することなく焦点距離をスムーズに切り換えることができ、画角を変えながら特定の被写体に集中し続けられます。また、内蔵テレコンバーター切り換えスイッチやリング、ボタンなどすべての操作部材はNIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR Sとほぼ同じ位置にあるため、レンズを交換しても違和感なく撮影を続けることができます。
ローレット※1加工や小さな凹みなどの感触が、目視で確認しなくても操作できるようサポート。各種リングやボタンを撮影姿勢を崩さずに操作できます。また、Fnリング、コントロールリング、フォーカスリング、レンズFnボタン(1/2)、メモリーセットボタンと、機能を割り当てられる操作部材が充実しており、使いやすいように多岐にわたってカスタマイズできます。
Fnリングを回すことで、ピント位置を、メモリーセットボタンでレンズに登録した位置に瞬時にセットできる「メモリーリコール」機能※2は、決まったピント位置で頻繁に撮影する場合に便利。Fn2ボタンは撮影者の好みに応じて角度位相の微調整が可能です※3。
重心が従来の600mmレンズよりもカメラ・撮影者側にあるためレンズの重さが気になりにくく、一脚使用時にカメラを振りやすく(パン)、手持ち撮影時にもより安定した操作が可能です。
市販の盗難防止用セキュリティーワイヤーを取り付けられる、セキュリティースロットも搭載。機材が盗難にあうリスクを軽減できます。
人間工学に基づいてデザインされた実用性の高い形状、配置等、高い操作性を確保しながら、繊細かつ大胆で迫力のある大口径フォルムを実現しました。プロフェッショナル用超望遠レンズの象徴として、製品銘板は高級感のある金属製とし、鏡筒先端にニコンコーポレートカラーをイメージしたイエローリングを配置。さらに、側面の金属製「Sバッジ」がNIKKOR Z レンズS-Lineのアイデンティティーを主張します。
静止画撮影だけでなく、静止画と変わらない高解像度映像を実現しながら、動画撮影でも優れた操作性を追求しています。コントロールリングをクリックレスとすることで動画撮影時の操作音に配慮し、「シルキースウィフトVCM(SSVCM)」の採用で限りなく無音に近い静音なAF駆動を実現。また、フォーカスを手前から奥、奥から手前に移動させるときに発生する画角変動(フォーカスブリージング)を抑制しており、フォーカス時の画角変動を気にせず、撮影に集中できます。さらに、ちらつきにくいスムーズな絞り制御で、明るさが滑らかに変化する自然な映像が得られます。