第177回フォトフォトサロン

TopEye賞
準TopEye賞
入選
佳作

総評 小林紀晴(こばやしきせい)

被写体に、自分を照射させよう

TopEye賞には、木村里穂さんの「背負うモノ」を選ばせていただきました。シンプルです。青空と夕暮れ時。ふたつの光を背景に、人のかたちが浮かんでいます。極端に情報が少ないからこそ、逆に多くのことを想像させます。果たして誰なのか、どこなのか、いつなのか…。そしてタイトルの「背負うモノ」のモノとはいったい何をさしているのか。わかることと、わからないことがせめぎあっています。作品を作り上げるとき、けっして過度に説明をする必要はありません。それより、自らの思い、感情、感覚といったものを被写体にぶつけて、反射させるべきだと思います。この作品はその跳ね返りのバランスが見事にとれています。 全体では「青春」を感じさせる作品が目立ちました。多くの方がそのまっただ中にあるからこそ、是非、「いまの自分を取りまくもの」に果敢にカメラを向けていってください。