D90「Dムービー」撮影作品 『あたし と あたし』

D90「Dムービー」撮影作品 『あたし と あたし』

ニコンデジタル一眼レフカメラD90の動画撮影機能「Dムービー」による、草野陽花監督作品。

女子高校生“みさき”と、彼女の“古い友達”の、小さな自分探しの物語。叙情豊かな鎌倉、葉山の海と町を舞台に、不思議なそして心地よい映像と言葉が紡がれてゆきます。

全カットをD90と、数多くのニッコールレンズで撮影。新しい映像表現の可能性がそこに広がっています。(再生時間 15:11)。

  • スタッフ
    ・監督/脚本 ………草野陽花
    ・撮影………………早坂伸
  • キャスト
    ・近藤美咲…………中村美香
    ・近藤俊江…………塚田美津代

監督/脚本 草野 陽花氏 インタビュー

草野 陽花氏 近影

『デジタル一眼レフカメラで映画を撮影していただけませんか?』その新しい挑戦への呼びかけに、草野監督は何を思い、どのような視点でこの作品をつくり始めたのでしょうか。そして撮影開始。そこには、今まで、最新の映像機材にも感じられなかった新鮮な驚きがありました。


プロフィール
草野 陽花(くさの ようか) 。1975年生まれ。兵庫県宝塚市出身。
日本映画学校卒業後、25歳の時に『青の瞬間(とき)』(01年)で劇場映画デビュー。
同映画で、第35回ヒューストン国際映画祭シルバーアワード、第11回あきた十文字映画祭観客賞受賞。その他の作品として、劇場映画『悲しいボーイフレンド』(08年)、劇場映画『ブラブラバンバン』(08年)、連続ドラマ「チョコミミ」(07~08年・テレビ東京)などがある。
インタビュー画像

実際に「D90」で映像を撮ってみて、いかがでしたか?

僕はビデオで撮影する現場が非常に多くて、実はその均一的で平坦な画に対して少し飽きていたところもありました。だから、あのワイドな感じのボケ味には、ちょっと驚きましたね!今まで現場で、ビュアーを覗いた時にあんな映像が出てくるって事は経験したことがなかったので、インパクトは相当強かったですね。あのレンズの感じは、まさに映画を撮影する、35mmフィルムのムービーカメラに近いかなと思いました。

この作品の見どころをお聞かせください。

太宰治の「女生徒」という短編小説が大好きで、それは主人公が朝起きてから夜寝る前までの話なんですが、その物語を「D90」の「Dムービー」でビビットに撮れば、あの小説で表現されていた、女の子の心の機微を描けるんじゃないかなと思いました。
また、もう一人の自分が現れて、自分と対峙するというストーリーも、一度やってみたかったテーマだったんです。中村美香、梨香という双子が、ひとりの主人公として、ひとつのフレームの中に収まる。このおもしろさはぜひ観てもらいたいと思います。特に、夕日の前にたたずむ二人がとても美しく撮れたので、このシーンが一番のおすすめですね。

インタビュー画像

たしかに、美しい情景が数多くありますね。

一眼レフカメラでの映画撮影と聞いたときに、まず静止した風景の中に少女がポツンと立っているという画がひらめきました。そこから物語を紡いでいって、その情景なら、鎌倉がいいんじゃないかと思ったんです。山を削った切通しの神秘的な道の凄く映えたグリーンや、葉山の芝崎の海岸の苔むした感じを、「D90」がいい具合に表現してくれましたし、人の心を打つ様な絵が撮れたんじゃないかなと思います。もちろん、早坂さんの腕もあってということですが。

今、映画作りに興味がある人達にメッセージを。

「D90」は映画製作の入門者や、もっと手軽にいい映画を作りたいという人たちにとっておもしろい道具だな、と思います。「D90」は、お年玉を貯めれば買えちゃったりするわけですよね。このカメラによって、多くの人に劇物を作れる可能性が開かれたんじゃないかと思います。だれでも、作りたい衝動があって、それを根気よくひとつひとつ組み立てていく“力”があれば、きっと作れると思うし、もしかしたら人を感動させる事ができるかもしれない。そういう意味で「D90」がひとつの入り口になるんじゃないかなと思います。

撮影 早坂 伸氏 インタビュー

早坂 伸氏 近影

映画の撮影カメラマンでありながら、スチル写真も、趣味として、また仕事として数多く撮り続けている早坂氏。銀塩カメラの時代から鍛え上げた写真に関する知識、特にレンズに関しては、かなり深い造詣をお持ちです。映画のプロとしてのノウハウと、写真・レンズへの深い知識。そこに新しい映像表現の可能性を見ました。


プロフィール
早坂 伸(はやさか しん)。1973年11月29日生まれ。宮城県出身。
千葉商科大学商経学部卒。日本映画学校映像科卒。中日新聞東京本社編集局にて契約社員として5年間勤務。98年からフリーの撮影部。阪本善尚氏、萩原憲治氏、佐藤和人氏、佐々木原保志氏、上田義彦氏らに師事。日本映画撮影監督協会(J.S.C.)所属。
作品として、『青~chong~』(99年、李相日監督、PFFグランプリ他を受賞)、『青の瞬間(とき)』(01年、草野陽花監督)、『東京大学物語』(05年、江川達也監督)、『リアル鬼ごっこ』(07年、柴田一成監督)などがある。
インタビュー画像

「D90」と「ニッコールレンズ」を使ってみた感想をお聞かせください。

僕は映画のカメラマンですが、写真もよく撮ります。銀塩の頃からニコンのカメラやレンズが好きで、たくさん持っていました。「D90」はそういった、自分が持っていた、あるいは父親が持っていたレンズをそのまま使えるところが非常に嬉しいですね。
今回いろいろなレンズを使わせていただいたんですが、自分が使っていたマニュアルレンズも結構使わせてもらいました。今まで、映画と写真という、フィールドを別々で考えていた物を一つにできるという事が非常に新鮮で、本当に撮っていて楽しかったです。

その他にはどのような点が使いやすかったですか。

機動力でしょうか。たとえば“マジックアワー”と言われるような、一日に20分程しかない時間帯で撮影する場合は、35mmフィルムのムービーカメラだと、機材の移動や露出を計ったりなどで、2、3カット撮るのが限界なんです。ビデオカメラだとけっこう回せるのですが、被写界深度や、パースなどには、物足りなさを感じます。「D90」の「Dムービー」なら、たぶん20分程度でも十数カット、もっと倍ぐらい撮れるでしょう。レンズの交換も簡単ですし、本当に機動力に優れています。

インタビュー画像

撮影されていて、最も印象に残ったシーンは?

ニコンの85mmのレンズが昔から好きなんですよ。それで、バストショットを撮ってみたいと思って、鎌倉の高台で試しに撮ってみました。少女の背景に海抜けで山を感じるショットなんですが、そのボケ味を見たときに、あ!これこそ85mm開放のニコンのレンズだ!というのが本当に嬉しかったんですよ。この焦点距離で、この被写界深度の浅さは 今までの映画撮影機材にない物だと思うんですね。それがこういう使いやすいカメラで撮れるという事が本当に新鮮で、カメラマンとしては本当に嬉しいですね。

他に試してみたいと思う方向性はありますか。

24mmのF2というレンズを持っているんですが、非常に被写界深度の浅い、ワイドな画が撮れるんです。これはビデオカメラでは絶対に無理なんですね。映画の35mm版だと可能な場合もあるんですが、今までなかなか手に入れることができなかった映像です。個人的にはこれから、こういった広角レンズのワイドな画角でかつ被写界深度の浅い画、というものを映画作りにも取り入れていきたいと思っています。

撮影機材・編集環境

本作品の製作に使用したカメラ

D90

D90:高画質・高性能をコンパクトに凝縮。世界初の動画撮影機能「Dムービー」を搭載した、ニコンデジタル一眼レフカメラ。

  • レンズ交換式デジタル一眼レフカメラにおいて。当社調べ。2008年8月27日現在。

編集環境

EDIUS Pro

本作品の編集には、ノンリニアビデオ編集ソフトウェア EDIUS Pro 5 を使用しています。EDIUS Pro 5は、軽快な動作と高い安定性を備えたビデオ編集ソフトウェア「EDIUS Pro」の最新版です。

EDIUS Pro 5