
三好 和義
通い詰めるからこそ、いつか巡り合える情景がある。
『Z 7』はその日の幸運を会心の一枚へと昇華させた。
降雪の少ない土地柄ゆえ、雪の室生寺は多くの写真家の憧れである。この場所を幾度となく訪れている僕もその例に漏れない。この日は朝から雪がちらついていた。開門と同時に五重塔の前に急ぐと本格的に降り始めてきた。逸る気持ちを抑えて撮影を始める。Z 7にはスピードライトSB-5000を装着し、光を反射しやすい雪の姿を印象的に捉えることを狙う。その雪を丸く大きくぼかしたいので絞りは開け気味に。そして、塔の存在感を出すため、ピクチャーコントロールの[輪郭強調]、[明瞭度]を調整し、マニュアルフォーカスで撮る。折り重なる雪の中で荘厳な佇まいを見せる五重塔。心から満足のいく一枚になった。
撮影情報
- レンズ
- NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
- 画質モード
- 14bit RAW
- 撮影モード
- マニュアル
- シャッタースピード
- 1/60秒
- 絞り
- f/5.6
- ホワイトバランス
- 色温度(4170K)
- ISO 感度
- 800
- ピクチャーコントロール
- スタンダード
