
三好 和義
晩秋、閉門時間直前の室生寺境内に夜の気配が漂う。鎧坂から金堂を見上げる場所でこの日最後のシャッターをきった。周囲は淡く蒼い光に包まれ、白く浮かび上がった石段が金堂の灯りへと続いている。それらを包み込むように紅葉が色付いていた。刻一刻と変化する蒼い光をより印象的にするため、ホワイトバランスを調整し、堂内が最も美しく輝く瞬間をスローシャッターで狙った。その金色の光に紅葉の赤と黄が呼応し、シャクナゲの濃い緑が紅葉との対比を見せる。日没後の薄明の中、静謐な眺めの隅々まで捉えた。特に天然石で組まれた石段の緻密な描写はZ 7ならではの見事さだ。
撮影情報
- レンズ
- NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
- 画質モード
- 14bit RAW
- 撮影モード
- 絞り優先オート
- シャッタースピード
- 3秒
- 絞り
- f/8
- ホワイトバランス
- 色温度(3570K)
- ISO 感度
- 400
- ピクチャーコントロール
- スタンダード
