
星野 佑佳
その眺めは、いつもの春とは違った。
花と葉のひとつひとつを確かめ、私は新しい景色を描くことにした。
山桜が群生する奈良県吉野山。今年は桜が咲き揃わなかった。少し寂しい山の斜面を望遠レンズで切り取り、満開の桜、赤い葉で縁取られた散り盛りの桜、そして一足先に始まった新緑という異なる時節を、一枚の中に封じ込めてみる。高精細な画像モニターには、Z 7の高画素のおかげで山桜の赤い葉の繊細な色とディテールが鮮明に描写されている。艶めかしいその姿を主役に構図を決めた。画像はモニターをダブルタップするだけで等倍表示され、蒔絵粉のように散りばめられた花の粒、葉の粒のピントや揺れも隅々まで簡単にチェックできる。この一枚に、吹き抜ける季節のうつろいを表現できた。
撮影情報
- レンズ
- AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR + マウントアダプター FTZ
- 画質モード
- 14bit RAW
- 撮影モード
- 絞り優先オート
- シャッタースピード
- 1/3秒
- 絞り
- f/11
- ホワイトバランス
- 晴天
- ISO 感度
- 100
- ピクチャーコントロール
- 風景
