NIKON

株式会社ニコンビジョン
品質技術部 第二技術課

中尾 彰斗

前職は町工場での光学製品用部品の検査。部品が組み上がった製品の検査をしたくて転職してきた。
以来、望遠鏡や双眼鏡の評価・検査に携わる。

妥協しない。世界最高への想い。

品質技術部のもう1つの役割が、量産に入ってからの完成品検査だ。
ここでは、製造された商品が出荷するに足る品質を備えているかどうかが、厳しくチェックされる。

WXの基本的な検査工程は、一般の双眼鏡と同じだ。
検査は、まず組み上がったWXで外景を見ることから始まる。
外景を見ることで光軸のズレや左右の倍率の違い(不等倍)を確かめる。
ベテランになると、左右の倍率が1%違っていても判別できる。

すべての完成品を検査する。まずは見えの確認。
すべてのレンズ・プリズムに傷がないか確認。

次に対物側から鏡体内部を見て、中に組み込まれているレンズやプリズムにキズがないか確認する。
対物レンズ、2個のプリズム、それぞれの接眼レンズの表裏両面を、自らの目のピントを少しずつずらしながら見ていくのだ。

さらに、機軸(中心軸)など可動各箇所を動かして作動をチェックし、製品外観のキズの有無を確認する。
各可動部は繰り返し作動させて、部品の組み合わせ精度を確認する必要があり、高い精度の基準をクリアすることが課せられている。
中尾は言う。「このように、製品の構造に応じた検査項目を設定して、1鏡体ごとに厳密に検査しています」

「設計の図面通りに部品が出来て、組み立てられていれば、設計者の意図した“見え”は実現できるはずです。
しかし現実には、WXの部品にも公差(許容誤差の最大寸法と最小寸法の差)があり、ごくわずかなズレが生じます。そして、そのズレはレンズ枚数が増えるほど積み重なっていきます。
設計の西岡たちとは、最大にズレた時のことを考慮に入れた上で、世界最高峰の性能を確保して、品質を安定させるにはどうすればいいか議論を重ねました」
中尾も牛久保と同じことを考えていた。「世界最高のものを世に送り出すのだ。妥協は許されない」と。

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