このレンズは絞り開放で撮影しても、これまでのf/1.8単焦点レンズや、より明るいレンズで撮影した画像の隅によく⾒られるサジタルコマフレア^※2が最⼩限に抑えられていました。星空のディテールや鮮明さをここまで描写することは、他のレンズでは難しかったと思います。

このレンズは使い⼼地の良さと優れた性能を両立しています。とくに解像力に関しては、NIKKOR Z シリーズのS-Lineのレンズは期待を絶対に裏切りません。開放F値1.8により、無限遠でも驚くほどシャープ。ゴーストやフレアも⾒事に抑制しています。

従来なら解像感が⾜りなく絞りを絞っていた場⾯でも、絞り開放のまま撮影することができます。ポートレートではボケを引き⽴てるためにも瞳や顔のシャープネスが大切です。開放F値1.8からこれほどシャープで、さらにボケも美しいので、ウェディングやポートレート、ストリートフォトグラファーにとっては⼤変重宝するレンズになると思います。

本当に気持ちの良いレンズだというのが率直な感想です。サイズ感、ホールディング、グリップの良さもあると思いますが、コンパクトなサイズでありながら解像⼒が⾼いんです。ピントが合ったときにパソコンのモニターを⾒なくてもわかるという感覚があって、そういう体験は普段はなかなかできないので印象的でした。

ピント⾯から遠ざかるにつれて、なめらかなグラデーションを描く。そのようなボケ味であってこそ、被写体が⾃然に描けるのです。また、必ずしもベストの背景が選べないウエディング撮影では、うるさい背景を⽬⽴たなくさせられることは⼤変重要なポイントです。そのため、開放絞りで撮影することが好きなのですが、このレンズが⽣み出す解像感とボケ味は満足いくものです。f/1.8のレンズとは思えないくらい本当に良い描写です。