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PAGETOP
Vol.
45

佐野美樹 × AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II

200mm f/2。精神と肉体のドキュメンタリーを撮る。

45
スポーツは究極のドキュメンタリーだと思う。息が止まるような決定的瞬間を選手たちと共有する醍醐味がそこにある。レスリングは約10年間追い続けている競技のひとつだ。対戦相手と近接し、数分間で持てる知力と体力を激しくぶつけ合う世界に魅了されている。今回の撮影は、数多くの名選手を輩出する名門、日本大学レスリング部の練習に参加させてもらった。
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メインカット

・カメラ : D5 ・レンズ : AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/1250秒、f/2 ・ホワイトバランス : 色温度(3481K) ・ISO感度 : 1000 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

作品2:組み手の攻防

・カメラ : D5 ・レンズ : AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/1000秒、f/2 ・ホワイトバランス : 色温度(3481K) ・ISO感度 : 1000 ・ピクチャーコントロール : スタンダード
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試合会場での撮影とは異なり、地道な鍛錬を重ね日々成長する選手たちの表情を捉えることを意識した。使用したレンズは、AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II。室内撮影に有利な明るさ、解像力の高さ、そして自然で美しいボケ味を持つ大口径単焦点である。ボディーには、高速連続撮影能力、俊敏で高精度なAF、そして高品質な画像を得られるD5を選んだ。
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ミーティングに続いてストレッチで体をほぐし、いよいよ本格的な練習が始まる。約40人の選手たちが苛酷な反復運動やスパーリングに取り組む姿を撮影する。最初は一脚を使用していたが、途中から、より自由度の高い手持ち撮影に切り替えた。
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作品3:がぶり技の攻防

・カメラ : D5 ・レンズ : AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/1250秒、f/2 ・ホワイトバランス : 色温度(3481K) ・ISO感度 : 1000 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

作品4:投げ技を決める瞬間

・カメラ : D5 ・レンズ : AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/1000秒、f/2 ・ホワイトバランス : 色温度(3481K) ・ISO感度 : 1000 ・ピクチャーコントロール : スタンダード
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手ブレ補正効果3.0段のVRが撮影をサポートしてくれる。時を経るにつれ場内が熱気に満ち、めまぐるしく動く選手たちが交錯する。その中で高速タックルに挑むひとりに狙いを定めた。それが今回のメインカットである。

※CIPA規格準拠(NORMALモード使用時)。
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マットサイドから被写体までの距離は約5m。フェイントをかける挙動を読み、流れるような動きに合わせて、画面いっぱいに選手の上半身を入れ、絞り開放でシャッターをきる。このレンズは優れた解像力で闘志に満ちた眼をシャープに捉え、柔らかく美しい背景ボケでその表情を浮き彫りにしてくれた。これからもスポーツというドキュメンタリーを追い続ける
―― 私のNIKKORで。

作品5:選手のポートレート

・カメラ : D5 ・レンズ : AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード : マニュアル、1/640秒、f/2 ・ホワイトバランス : 色温度(3456K) ・ISO感度 : 1000 ・ピクチャーコントロール : スタンダード

INTERVIEW
MOVIE

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PHOTOGRAPHER

佐野美樹(さの みき)

NIKKOR

AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
レスリングの名門、日本大学レスリング部の練習に参加

  • 練習場のある日本大学八幡山総合学生寮


  • 富山英明監督による練習前のレクチャー

レスリングの試合ではなく日常の練習に密着した撮影を行う。それが今回の方針でした。肉体はもちろん、知力と精神力の鍛錬を重ねる若い選手たちの表情に迫ることを目的としたからです。さまざまな条件を検討しつつ、撮影をさせていただくお願いをしたのが日本大学のレスリング部でした。約80年にわたる歴史の中で、国内外の選手権優勝者はもとより、オリンピックメダリストも数多く輩出しているまさに名門です。最初にお話しをさせていただいたのは、ロサンゼルスオリンピックの金メダリストで、現在監督を務めていらっしゃる富山英明先生。これまでのレスリングの撮影を通じて佐野先生のことをとてもよくご存じでした。快く撮影をお許しいただき、さらにさまざまなご配慮をいただきました。撮影当日に向かったのは、日本大学八幡山総合学生寮にあるレスリング練習場。約40人の選手たちが集まり練習が開始されました。
02
f/2の明るさと、単焦点ならではの高い解像力が威力を発揮

  • D5+AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II


  • 選手の一瞬の表情を狙う

練習場は巨大なテントの中にあり、明るい雰囲気は感じられますが光量は決して十分とは言えません。だからこそ、今回の撮影においてAF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR IIの明るい開放F値は大いに有利に働きました。より速いシャッタースピードで、選手の動きの中にある一瞬の表情を捉えることができるからです。さらに単焦点ならではの解像力の高さが、選手たちの表情を描写することに威力を発揮しました。そして200mmという焦点距離。これは佐野先生にとって、試合などの撮影で最も慣れ親しんでいるものです。練習が熱を帯び選手たちの動きがより活発になると、先生はそれまで取り付けていた一脚を外して、手持ちで撮り始めました。大口径であるだけに重さもそれなりなのですが、ボディーとして選んだD5とのバランスがよく、使い回しは意外によいそうです。さらに、手ブレ補正効果3.0段(CIPA規格準拠)のVR機構がより確実な撮影をサポートしてくれます。後でうかがった話ですが、f/2の明るさに加えて、ナノクリスタルコートによるファインダー像のクリアーさも大きなメリットであるとのことでした。
03
選手とシンクロしながら、レスリングの醍醐味“高速タックル”を捉えた

  • 練習も撮影も、さらに熱を帯び始める


  • 練習後も赤石光生コーチのもと戦術を研究する

攻撃や防御の基礎的な反復運動を終え、各選手が二人一組になってのスパーリングが開始されました。タイマーがセットされ、より実戦に近い緊迫感が漲ります。場内はますます熱気を帯び、それにともない佐野先生の集中力も高まっていきます。多くの選手の動きが折り重なり、撮影はより困難になっていくように思われました。その中で先生はあるひとりに狙いを定めます。それは“高速タックル”に果敢に挑む選手でした。静と動、集中と爆発が切り替わるレスリングならではの技です。速い動きの中で選手の表情をより大きく捉える。しかもボケを演出することを意識して絞りは開放。浅い被写界深度でピントは非常にシビアになります。先生は選手の動きをよみながらシャッターをきり続けました。その中の一枚が今回のメインカットです。画面いっぱいに躍動感のある上半身が捉えられ、次の動きを意識する力強い眼が、高い解像力で鋭く克明に描写されています。そこから背景への自然で美しいボケが、その表情をより印象的にしています。この作品はスポーツフォトであると同時に、成長する若者の眼差しを捉えた“瞬間の肖像”でもあると感じました。

こちらに掲載されている情報は、2016年6月現在のものです。

DATA

写真家: Miki Sano
レンズ : AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II
カメラボディー : Nikon D5
キーワード : スポーツ
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