好きがもっと深まる。
双眼鏡で見つける、新たな世界
動物園×双眼鏡
04
2018/12/27
双眼鏡を持って出かけよう

よこはま動物園ズーラシア園長 村田浩一氏

ズーラシアで
じっくり動物観察

普段のお出掛けをもっと楽しく。
双眼鏡があれば、いつもと違う風景が
見えてきます。
今回は大人気の動物園ズーラシアに
お出掛けしました。

動物園は、子どもから大人まで誰もが楽しめる人気のレジャースポット。今回の記事は、神奈川県横浜市の「よこはま動物園ズーラシア」(以下、ズーラシア)を舞台に、ライオンやキリンといった人気の動物から、ズーラシアならではの珍しい動物まで、双眼鏡を使ったさまざまな動物観察の楽しみ方をご紹介します。

今回は、動物が実際に暮らす環境を再現している8つの展示ゾーンを巡りながら、体験ライター サラが園長の村田浩一さんにニコン双眼鏡「10x25 HG L DCF」と「8x30E II」を使った動物観察のおすすめポイントを教えていただきました。

体験ライター サラが園長の村田浩一さんツーショット 体験ライター サラが園長の村田浩一さんツーショット
2019年4月に開園20周年を迎えるズーラシア

広いサバンナでキリンの
食事風景を観察しよう!

双眼鏡を持って、まず最初に向かったのは北門を入ってすぐの「アフリカのサバンナ」ゾーン。


村田園長 「ズーラシアでは、動物と来園客との間に溝を掘って区切っています。それにより高い柵で視界を遮られることなく、さまざまな角度から動物たちの自然な姿を楽しむことができます。広さ約1ha(ヘクタール)のサバンナゾーンの草原エリアでは、動物たちとの間に少し距離があるときも。そんなときはぜひ、双眼鏡を使ってみてください。たとえば、あそこで食事をしているキリンを見てみましょう」

悠々と過ごすキリンやシマウマを観察できるサバンナゾーン悠々と過ごすキリンやシマウマを観察できるサバンナゾーン
悠々と過ごすキリンやシマウマを観察できるサバンナゾーン

早速、双眼鏡で覗いてみると、葉を食べるキリンの首の中で何か動くものが!


村田園長 「エレベーターのようにぐーっと首の中を昇っているでしょう? あれは一度食べた食べ物を胃から口に戻して噛みなおす、反芻(はんすう)という行動をしているんですよ」

このゾーンでは、チーター(肉食動物)とキリンやシマウマなどの草食動物との混合展示が見られることが特徴。同じ空間で過ごしている異種の動物間の関係をじっくり観察してみるのもおすすめです。

食事中のキリン食事中のキリン
キリンは食事中の首の動きに注目!

大迫力の肉食動物を、
アップで見てみよう!

約100種750点の動物を生息環境別に展示しているズーラシア。園内の各ゾーンでは、あちらこちらに動物の生息地の雰囲気を体感できる演出が見られます。


村田園長 「各ゾーンごとに、その地域特有の植物や形態の似た植物も植えています。せっかく双眼鏡があるのですから、園内で植物観察や野鳥観察もしてみてください」

自然豊かな園内自然豊かな園内
自然豊かな園内も、ズーラシアの魅力のひとつ

そんな見どころ満載のズーラシアで、次に見に来たのは、人気が高いライオン。やはりライオンがいるガラス窓の前には、すでにたくさんの来園客がいます。


村田園長 「双眼鏡があれば、少し後ろからでも、間近で見ているような臨場感を体験できますよ」

村田園長にそう言われて、双眼鏡をライオンに向けて見てみると…

双眼鏡を覗く体験ライター サラ双眼鏡を覗く体験ライター サラ

そこには、大きな口を開けたライオンの姿が!
人だかりの後ろからでも、表情やしぐさまで鮮明に見ることができました。


村田園長 これはあくびですが…。ライオンはネコ科の動物の中で唯一群れをつくり、さまざまな鳴き声で仲間とコミュニケーションをとっています。肉食動物などがほえることやその声を咆哮(ほうこう)と言うのですが、そのときの迫力もかっこいいですよ!」


咆哮を観察するのなら、朝や夕方などライオンが活動的になる時間帯がおすすめとのことです。その他は、寝ていることも多いライオンですが、そんなときは爪や肉球などをじっくり観察できます。


村田園長 「ライオンのようなネコ科の動物を観察するときは、ぜひ『目』の虹彩の色や瞳孔の形にも注目してみてください。それぞれ違いがあるんですよ。そういった細かいポイントを観察できるのも双眼鏡があればこそですね」


現在、ズーラシアにいるネコ科の動物は8種類。瞳孔の形や虹彩の色など、それぞれが個性ある美しい『目』を持っています。園内でネコ科の動物たちを探し出し、その違いを観察してみるという楽しみ方もできそうです。

ライオンのあくびライオンのあくび
これはライオンのあくび
オセロットの目オセロットの目
アムールヒョウの目アムールヒョウの目
オセロットの目(左)とアムールヒョウの目(右)

生息環境によって
異なる毛や羽を観察してみよう!

続いて訪れたのは「亜寒帯の森」ゾーン。ここでは北極圏に生息するホッキョクグマや、南米に生息するフンボルトペンギンが泳ぐ姿などを見ることができます。

寒い地域や水中で暮らす動物たちには、どのような観察ポイントがあるのでしょうか。


村田園長 「ここにいる動物たちの観察ポイントは、毛や羽ですね。あそこにちょうど仰向けになっているホッキョクグマがいるので見てみましょう」

「亜寒帯の森」ゾーン「亜寒帯の森」ゾーン
このエリアでは動物たちの泳ぐ姿を上から観察することができる

村田園長 「クマの仲間でもっとも体が大きいホッキョクグマ。よく見ると足の裏にも毛がたくさん生えていますよね。これは氷の上を歩くための防寒と、獲物に足音を気づかれないための消音という理由があるんですよ」


園長によると、このゾーンにいるフンボルトペンギンの羽やミナミアフリカオットセイの毛にも特徴があり、なんと二重構造になっているそうです。水中に適応した動物の特徴という点にしぼり、観察することで、新たな発見があるかもしれません。

ホッキョクグマホッキョクグマ
ホッキョクグマは体温を下げないために、耳や鼻が小さいという特徴も

〝ズーラシアならでは〟の
双眼鏡ポイントをご紹介!

ここからは、ズーラシアならではの動物たちを観察しましょう。まずは世界三大珍獣の一つであるオカピ。ズーラシアでは日本国内で初めてオカピを飼育展示しました。


村田園長 「オカピは、縞模様からシマウマの仲間に間違われることが多いですが、キリン科に属する原種の動物。およそ1000万年前から姿を変えずに生きてきた、絶滅危惧種にも指定されている希少動物です。熱帯雨林に生息し、長い舌で木の葉をたぐり寄せて食べます」

オカピオカピ
脚の縞模様が美しく、「森の貴婦人」とも呼ばれている

オカピの舌の長さは、なんと40~50㎝もあると言います。その用途は、食事だけではなく、目の中のゴミを取ったり、虫を追い払ったり、鼻の穴を掃除したりと万能。双眼鏡で観察していれば、そんな面白い瞬間に立ち合えるかもしれません。

オカピを双眼鏡で覗く体験ライター サラオカピを双眼鏡で覗く体験ライター サラ

続いては、セスジキノボリカンガルー。名前の通り、木に登って木の上で暮らすカンガルーで、国内ではズーラシアでしか見ることができません。


村田園長 「セスジキノボリカンガルーやレッサーパンダはズーラシアでも屈指の人気者。でも、レッサーパンダは木の上にいることが多いので、なかなか肉眼では見つけにくいですよね」

さぁ、ここでも双眼鏡が活躍する出番です。

セスジキノボリカンガルーセスジキノボリカンガルー
「オセアニアの草原」ゾーンにいるセスジキノボリカンガルー

双眼鏡を使って、かわいい姿をじっくりと観察してみましょう。セスジキノボリカンガルーのつぶらな瞳や木の上でウトウトしているレッサーパンダのかわいい姿を存分に楽しむことができます。


村田園長 「セスジキノボリカンガルーもレッサーパンダも本当に表情豊かな動物たちです。個体ごとに特徴があるのでそれぞれの子にファンがいたりするんですよ。皆さんもぜひ自分のお気に入りの子を見つけてみてくださいね」

レッサーパンダレッサーパンダ
木の上にいるレッサーパンダもバッチリ!

最後にご紹介するのは、「アジアの熱帯林」ゾーンにいるアカアシドゥクラングール。この動物は、『世界一美しいサル』とも言われ、絶滅危惧種に指定されています。国内ではズーラシアのみで飼育されています。

今までの動物たちとは違い、このアカアシドゥクラングールは檻の中にいます。双眼鏡で観察できるのでしょうか。

双眼鏡を使う二人双眼鏡を使う二人
双眼鏡を使えば、檻の中も見やすくなる

実は双眼鏡は、檻の手前から檻の中にいる動物にピントを合わせて見ると、手前にある金網がボケて、まるで消えたように対象物だけを見ることができます。

村田園長 「黄色い顔、白いひげ、赤茶色の足…。世界一美しいサルと言われるアカアシドゥクラングールの毛はどんな色で、どんな生え方をしているのか。檻の向こうにいる希少なその姿を、双眼鏡を使って堪能してみてください」

アカアシドゥクラングールアカアシドゥクラングール
現在ズーラシアでは10頭が飼育されている
(2018年11月時点)

双眼鏡で見つけた
「なぜ?」が好奇心を育てる

いかがでしたか。今回は、双眼鏡を使った動物観察法をズーラシアの村田園長に紹介していただきました。


村田園長 「動物観察をするときにおすすめしているのは、まず人間である自分と比べてみること。たとえば、なぜ彼らにはやわらかな指ではなく、硬い蹄(ひづめ)があるのだろう? それはどういう役割なのだろう?
双眼鏡で細部まで観察しながら、そういった疑問を見つけていく。それが知的好奇心となり、知識を深めるきっかけになる。双眼鏡が世界を広げてくれるんです。

体験ライター サラが園長の村田浩一さん対談体験ライター サラが園長の村田浩一さん対談

実際のサバンナに行っても、毎日ライオンに出合えるわけではありません。いつ来ても、いつでも動物たちが見られる。そんな場所は動物園しかありません。双眼鏡を覗いて、たくさんの疑問を見つけ、ワクワクしながら動物園を楽しんでほしいですね」

疑問や発見が溢れる動物園。皆さんも双眼鏡を持って動物園に行き、知的好奇心を刺激される 体験をしてみませんか。

村田 浩一村田 浩一

今回のナビゲーターは

村田 浩一 Koichi Murata

よこはま動物園ズーラシア園長。

日本大学生物資源科学部特任教授。

宮崎大学農学部獣医学科卒業。1977年神戸市に入庁。1978年より神戸市立王子動物園に勤務。同園に23年間勤務した後、2011年7月、よこはま動物園ズーラシア第2代園長に就任(兼務)。専門は野生動物医学、野生動物学、動物園学。Nikon愛用歴40年。

ニコンの双眼鏡で
動物園をより楽しく。

動物園は動物ごとに多様なゾーンに分かれており、移動距離も長い。移動の負担にならず、コンパクトでよく見えるオススメの双眼鏡が「10x25HG L DCF」だ。ニコン最高峰の光学性能を誇り、すべてのレンズ・プリズムに独自仕様の広帯域低反射多層膜コーティングを施すなど、より上質な見え味を担保する。質量は300gの軽量ボディで動物園の一日をサポートする一品だ。また、もっと広い視野で楽しみたい人は「8x30E II」がおすすめ。バードウォッチングの定番機種として知られ、見掛け視界63.2°の臨場感あふれる広視界がポイント。動物園の被写体をあますところなく確認できる。

ズーラシアは動物と来園客とを区切っている柵がないことが特徴。
遮るものがない開放的な場所で、よく見える双眼鏡で動物の生息地の雰囲気を体感しながら観察すると10倍楽しめること間違いなしだ。