Nikon Imaging
Japan

ザ・ワークス Vol.16 Nikon View 5

画像を高速表示するために……

たくさんの写真を表示させる上で、表示する速さというのがポイントになってくると思いますが、技術的に工夫された点はありますか?

「1つ挙げるとサムネイル画像(縮小画像)にキャッシュ機能を搭載したことです。サムネイル画像を見るのに、毎回同じファイルにアクセスして画像を読み込むとなるとパソコンの処理に負担がかかります。キャッシュではそのサムネイル画像を一時的に別の場所に保存しておいて、2度目以降にその画像を表示するときはそこから画像を読み込むようにしています。ですから、一度見た画像は速く表示できるのです」

一覧表示で画像が見られるニコン ブラウザ。一番小さいサムネイル画像を表示した場合。
一覧表示で画像が見られるニコン ブラウザ。一番小さいサムネイル画像を表示した場合。
ニコン ブラウザ。一番大きいサムネイル画像を表示した場合。
ニコン ブラウザ。一番大きいサムネイル画像を表示した場合。
ニコン ブラウザで注目したい画像を選びダブルクリック
すると、このような画像がでてくる。これが、ニコン
ビューア。

なるほど!  他にはどんな工夫をされたのですか?なるほど!  他にはどんな工夫をされたのですか?

「画像を扱うアプリケーションの実行スピードは、いかにして膨大な画像データを高速に処理するかが、永遠の命題だと考えています。画像データを扱うアプリケーションの基幹処理の最適化は言うに及ばず、動作するOS(オペレーティングシステム)やハードウェア環境に対しても最適化する必要があります。難しいところは、部分最適化を積み上げたところで全体最適化を図ることができない点です。このような意味で特定の動作環境下に限らず、最適化の余地は大小、少なからず課題としてあります」

全てのデジタルカメラに付属されるNikon Viewの宿命!?  「新しい機種に対応するのもひと苦労です」

デジタルカメラは新しい機種が次々と発売されていますから、全てに対応するとなると大変ですね。

「大変です(笑)。しかも、入門機からハイエンド機までサポートできるようにしなければなりませんから、 Nikon Viewにどのような機能を具現化するのか非常に難しいですね。また、お客様によって機能の使用頻度や重要度が違いますので、それをまとめるのが一番大変です。初心者とプロやハイアマチュアとで違うのはもちろん、国によっても違いますから」

Nikon Viewの機能は各国共通なのですか?

基本的に表示する言葉以外は、各国共通になっています」

我々が外国版を使っても、ほとんど迷わずに使えるということですね。

「はい。言葉がわからなくても操作できるように、できるだけボタンなどで操作できるようにしています」

スタッフ1人1人の意見を凝縮させたNikon View 5  しかし、「まだ1つのハードルを越えたにすぎません」

実際にNikon View 5を操作しな
がら、わかりやすい説明をしてくれた
高橋氏。「Nikon View 5はまだファース
トステップ。より使いやすくする
ため、日々と格闘しています」

さまざまな機能がついたNikon View 5ですが、その機能を決定するまでに相当の時間がかかったのではないでしょうか?

「はい。深夜におよぶ打ち合わせをすることもありました。長時間打ち合わせをしていると、どういう流れで、どういう結論になったのかわからなくなってしまったりして(笑)。  対象とするお客様の層が広いということは、それだけ多くの人の意見を聞くべきだと思い、なるべく多くのスタッフに打ち合わせに出席してもらうようにしました。海外のスタッフともやりとりをしますので、時差の問題もありましたね。最終的には、スタッフの1人1人が積極的に提案し、白熱した議論をしたおかげで極めて短期間ながら良い製品がつくれたと思います。」

そのような苦労を重ねてきたNikon View 5は、高橋さんにとってどのような存在ですか?

「まだ極めてベーシックな機能を提供できたに過ぎないと感じています。デジタルカメラ機能向上に合わせて Nikon Viewを改良&改善する必要があるでしょうし、Nikon View単体でも道具としての機能性や操作性の面でまだ課題もあります。このような意味では、これからも超えるべきハードルを既に抱えています。  ただ、Nikon View 5はニコンの全てのデジタルカメラに同梱されるので、最も多くのお客様の手元に届くということですよね。そういった意味で、この仕事はとても感慨深いし、責任も感じます」

さまざまなハードルを乗り越えていく、その原動力はどこからくるのでしょうか?

「そこに山があるから登るという登山家ではありませんが、お客様がいる限り少しでも良いものを作りたいという思いが我々の原動力ですね。あとは、やはり好きだからですかね。一から自分の手で作るというのは大変ですが、楽しくもあります」

今後、Nikon Viewをどのようにしていきたいですか?

「初めて使う人でも操作に迷わないような工夫をしていきたいですね。例えば、このボタンを押すと、きっとこうなるだろうという予測が立つように。さらに、当然のことですが技術的な仕様をただ単にそのままソフトウェア上に表現しても万人が使いこなせる機能にはなりません。例えば、10段階の設定があっても難しいだけだから思い切って3段階に絞ってみる。3段階なら、大・中・小で選びやすいと思いませんか。  とにかくもっともっと使いやすくして、より多くの人にNikon Viewを使っていただけるよう努力したいです」

今後もより使いやすいNikon Viewを期待しています。