芸人 小籔千豊さん 「芸人イチのカメラおたく」を自称し、カメラをこよなく愛する小籔さんは、フィルムカメラ、デジタル一眼レフカメラを使い撮影を楽しむ。子どもの成長にカメラを向けて、小籔家の思い出を写真に収め、そのときの一瞬一瞬を色濃く残せることが写真の魅力の一つだという。カメラを使いはじめてからは旅行も撮影中心になってしまうという小籔さんのカメラ・ライフをうかがいました |
プロフィール こやぶ・かずとよ |
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Beginning 出会い
カメラとの出会いを教えてください。
当時の彼女(今の嫁)が古いフィルムカメラを見つけてきたので、ちょっと撮ってみようと、旅行に持っていったのが始まりです。そのときは写真のイロハも知らずにパパッと撮影してみたんですが、後で知ったところそのカメラは絞り優先のもので、何となくふらっと撮っても、現像したら真っ白だったり真っ黒だったりと散々でした。フィルムを1本使い切ったのに、1/3ほどしかまともに写っておらず「何だこれは!?」と驚きました。せめてちゃんと撮りたいとカメラの基礎の本を読んで、まずは絞りの設定を覚えました。それだけでも随分まともに撮れるようになって、次に現像したとき、半分はちゃんと写っていて、これはちょっとおもろいぞと思い始めたんです。
ハマり始めてからは、どんなカメラをお使いになりましたか?
偶然「奇跡の一枚」が撮れたことがあって、これを必然にするにはどうしたらいいんだろうと考えるようになりました。そのときフリーマーケットで見かけたフィルムカメラを手に入れて、これまでのカメラと全然違うように撮影できるものですから、どんどんとのめり込んでいったんです。背景がいい感じにぼけただけでも感動ものでした(笑)。光の当たり具合によって雰囲気がガラッと変わりますから、露出計で光の明るさを毎回測るので時間がかかって、被写体の人に「早よ撮れ!」と文句をいわれていました(笑)。その後、渋さに惹かれてNikon Fを購入しました。同時に現像用の機材やライトテーブルを揃えると、撮影の幅がぐっと広がりました。
Nikon Fでは、どのような写真を撮られましたか?
ベトナム旅行へ持っていったら、シャッターチャンスだらけなのでしょっちゅう撮影していました。でもまだまだ腕が未熟だったものですから、何十枚のうちに1枚見られる写真があればよかった方ですね。正直旅行自体より、帰ってきてから現像した写真を見ている方が楽しかったんです。